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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784098254033
作品紹介・あらすじ
ヒトラーはすべてをこの男から学んだ
経済格差やコロナ禍で世界が不安、恐怖に覆われるなか、再び独裁的な指導者の力が増している。
20世紀における独裁の象徴が、イタリアのムッソリーニだった。あのヒトラーが師と仰いだ男でもある。両者はしばしばファシストと称され、一括りに非難される。だが、その行動と思想は大きく異なる。2人の政治家はどこがどう違うのか? ナチズムとファシズムは何が異なっているのか。
ムッソリーニの思想、行動、そしてイタリア国民の熱狂の過程を詳細に辿ることで、現代社会の危うさも見えてくる。
<著者プロフィール>
舛添要一(ますぞえ・よういち)
1948年福岡県北九州市生まれ。1971年東京大学法学部政治学科卒業。パリ(フランス)、ジュネーブ(スイス)、ミュンヘン(ドイツ)でヨーロッパ外交史を研究。東京大学教養学部政治学助教授などを経て、政界へ。2001年参議院議員(自民党)に初当選後、厚生労働大臣(安倍内閣、福田内閣、麻生内閣)、東京都知事を歴任。著書に『都知事失格』、『ヒトラーの正体』など。
【編集担当からのおすすめ情報】
ベストセラー『ヒトラーの正体』(小学館新書)に続く、舛添要一氏の「20世紀の独裁研究」の書です。
ムッソリーニに関しては、ヒトラーと一括りに非難され、その実像が正確に伝えられることがありませんでした。しかし、この本によって深くその思想と行動を理解していくと、同じ独裁者といえども、ムッソリーニとヒトラーは大きく違うことがわかると思います。
さらに、ムッソリーニの思想には、21世紀に通用する先進性があったことが、本書で明らかにされます。
知的興奮に満ちた一冊です。是非、ご一読下さいませ。
感想・レビュー・書評
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「ヒトラーが師と仰いだ男」と言われてもあまりピンとこないが、彼を真似た政策は多い。
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ムッソリーニの思考が読めないなと改めて感じた。
母親が連れてってくれる協会が嫌いだったのに、ローマ進軍で国王と和解(?)するし、ヒトラーに乗っとってユダヤ人迫害を行うけど、自分はユダヤ人女性と関係を持ってたり、、矛盾が多いなと思った。 -
『感想』
〇ヒトラーとムッソリーニは同じ思想を掲げた同志のように感じていたが、ナショナリストではあっても利害関係を抱えた、最終的に一緒に第2次世界大戦を戦うことになっただけだったことがわかった。
〇ファシストはムッソリーニの権力拡大期には暴力を使っていたが、独裁体制が確立されると暴力を前面に出すのを止めたように感じられた。これはナチスと違うところか。
〇そもそもイタリア軍が弱かったのか。内政に力を入れた結果だろうか。演説や駆け引きが上手でも、その後ろに恐怖の力がないと残念ながらうまくいかない。
〇資本主義・共産主義・国家主義があり互いに違う考えをつぶそうと考えているとき、まずは2対1の戦いにしないと難しいな。その点ムッソリーニは思想の違うソ連と和議を結ぶようヒトラーに言い続けていたらしいが、聞いてもらえなかったよう。感情は難しい。 -
「ヒトラーについてはその悪行を知っているが、ムッソリーニについては何を行ったかすら殆ど知らないのではないかー」そんな疑問から手に取った一冊。そう、あの悪名高きファシズムの創始者でありヒトラーより10年長く政権を保ち得たムッソリーニの事を私は、というより日本人は知らなすぎるのである。一般的な認識は第二次世界大戦における敗戦国の指導者の1人でしかないだろう。ある程度歴史を勉強している人間でも「ローマ進軍」や「エチオピア侵攻」程度しかイメージがないのではないだろうか。
本書ではムッソリーニがファシズム政権を獲得するまでの紆余曲折やヒトラーのナチズムとの対比、そして彼が外交上どのような動きをし、なぜ破滅したのかを詳細に記している。何より驚くのはファシズムの社会主義との親和性、そしてムッソリーニが第二次世界大戦のかなり近い時期までドイツに警戒感を抱き、イギリスとの協調を基本路線としていた事だ。特に後者に関しては1930年代イギリス融和政策の最大の失敗はドイツがイタリアに接近する余地を産んでしまった事ではないかと思うほどである。この外交的失敗さえなければ、ムッソリーニはせいぜいスペイン・フランコ政権程度の評価に落ち着いていたのではないだろうか(別にフランコを褒めているわけではないので、誤解なきよう)。
おしむらくはムッソリーニの国内政策についての記述がやや薄い事だろうか。資料が乏しい可能性があるため仕方がないのかもしれないが、少し残念である。 -
「ヒトラーの正体」に続く舛添要一さんの本。
舛添さん、政治家としての評価は微妙でしたが(笑)、著書は丁寧な書きぶりで読みやすいです。
ファシズムといえばヒトラー、ってイメージですが、実は元祖はムッソリーニ。ヒトラーもムッソリーニを師と崇め、執務室には彼の胸像を置いていたそうです。
ただ、第二次世界大戦においては伊は独の足手纏いとなり、いつの間にか立場が逆転してしまっていたようですが、これはあくまで冷酷だったヒトラーと、冷酷に徹しきれなかったムッソリーニの独裁者としての器(?)の違いなのか…
ただ、共通しているのは、独裁に至るまでは当時の合法的なルールに則りつつ、それ以後は好きなようにルールを変えて独裁者としての地位を固めていった点や、経済政策の成功で支持を集める一方、敵を作って攻撃することで国民の熱狂を煽っていったといったところでしょうか。
特に後者は現代では必須の政治スキルになっているようですが、社会への不安が増大する時代には、その手法が流行るんだろうけど、これは社会を分断するだけで憎悪しか残らないので、やり方としては大いに憎むべきものだと思いますね。
とにかく、読み物としてはとても面白かったです。 -
国際政治学者であり、政治家でもあった舛添氏が、ヒトラーに比べてその実情があまり知られていないムッソリーニの生涯と人物像を、第一次・二次世界大戦の各国の思惑やヒトラーとの関係などと絡めてまとめあげている。複雑な当時の世界情勢が分かりやすくまとめられている。自身も政治家を経験したことが本書を書く上で大きく役立ったそうだ。
名前は知っていてもナチスドイツに比べてムッソリーニ、ファシズムに関しては確かに、あまり知識がなかった。暴力を用いながらも「大衆の圧倒的な支持を得て」政権を取ったことなど共通点はあれど、戦争に関わる考え方などは大きく違う。また、ファシストの中の暴力的な勢力の制御に手を焼き、慣れない外交に苦労して胃を痛めるなど気の小さい面が多々見られ、またヒトラーや日本軍と違い、イタリアの戦力が弱く「長期戦を戦えない」ことを自覚してなるべく戦争を避けたいと行動していたなど、意外な面が多かった。
複雑なムッソリーニの人物像、ヒトラーとの押したり引いたりの関係、当時の世界情勢を駆け足で読め、なかなか興味深かった。 -
確かに日本ではヒトラーほど有名でないムッソリーニだし、ファシストとナチスはほぼ同義で語られるけど、この本で色々2人の違いがわかった。
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ヒトラーと比較して全然知識がない(ヒトラーについても書籍は1-2冊程度しか読んだことはないけれど)自分であるが、この書籍は読みやすかった。こんな時代だからこそ知っておく価値はあると思う。
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ファシズムのプラグマティズム性はトランスフォルミズモ(変異順応主義)に由来するものであることがよくわかる。とはいえ、というかだからこそなのか、ムッソリーニはヒトラー程には過激で徹底的なファシズムを遂行することはできず権威主義的であったのは、ヒトラーとは違ってインテリ故にある種の中世的なカトリックと国王といったイタリアが抱える歴史的な呪縛から逃れられなかったからなのではないかという印象を持った。少なくとも、ヒトラーよりは人物的には興味深いように思えるが、イマイチ人気がないというかマイナーなのは残念ではある。
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「史上の人物」というようなことになれば、幾分の例が在るかもしれないのだが、「少し名前が知られている他方、如何いう人物だったのか、その事績や詳しい評価が知られている訳でもないのかも知れない」という例は在るような気がする。“ムッソリーニ”は正しくそういう事例なのではないだろうか?
ベニート・アミルカレ・アンドレーア・ムッソリーニ(Benito Amilcare Andrea Mussolini、1883年7月29日 - 1945年4月28日)は姓のムッソリーニか、ベニート・ムッソリーニという氏名で呼ばれている人物だ。「第2次大戦頃のイタリアの独裁者」というようなことで知られていると思う。
かなり漠然と「第2次大戦頃のイタリアの独裁者」ということになっているムッソリーニに関して、本書を読めばその人物像が眼前に浮かぶかのようになると思う。本書ではその生い立ち、若年の頃から政治に関わるようになって行くまで、政治家として権力を掌握して行くまで、権力掌握後の行動やイタリアの経過、権力を失って逮捕拘束された経過とその時期の情勢、ドイツ軍の救出で拘束状態から免れた後に最期を遂げてしまうまで、かなり詳しく「一代記」が語られているのだ。
本書の主題である「ムッソリーニの正体」に「ヒトラーが師と仰いだ男」と副題が在る。
ヒトラーは所謂“ワイマール憲法”の下で、自身の党の国会進出、議員数の拡大というようなことを目指して長く活動し、1930年代に権力を掌握するに至った。対してムッソリーニは第1次大戦の後の政治運動を経て1920年代に既に権力を掌握していた。
両者共に、若き無名の政治運動家、社会運動家というような処から政治の世界に身を投じ、やがて権力を掌握する。ヒトラーから見れば、ムッソリーニは自身に先駆けてそういう「成功」を掴んだように見えていた訳で、「憧れ」を抱いてさえいた様子が伺えるという。ヒトラーが「ムッソリーニの署名が入った写真を所望」という話しさえ在るらしい。
そういう意味で本書の「ヒトラーが師と仰いだ男」という副題なのだ。
1930年代位まではイタリアもドイツも各々の路線によって、国際政治の中で動いていたという感が強いが、1940年代に差し掛かるような頃から同盟の色彩が強まる。そしてその頃から、何処となくドイツが“主”でイタリアが“従”のようなイメージになって行くかもしれない。
本書を読了しての個人的な考えだが、ドイツのヒトラーは年を重ねる中で「創られた“総統”(フューラー)の肖像」に自身を重ねるかのような、または周囲がそういうように祀り上げたかのような面が在るのに対し、ムッソリーニは「一貫して自身のまま、仲間達の“頭領”(ドゥーチェ)」であったのかもしれない。
第1次大戦後という独特な状況下のイタリアで、一介の若き無名の政治運動家、社会運動家というような処からムッソリーニが身を起こして行く物語はなかなかに読み応えが在った…この人物に関しては、「第2次大戦頃のイタリアの独裁者」という漠然とした感じではなく、もう少し詳しく知られても好いのかもしれない。
そう言えば?ムッソリーニが権力を掌握したのは1922年ということだった。来年で「100年」ということでもある。 -
なるほど、ヒトラーや、ナチスとは大分違うんだ。
独に比べてかなり軟弱な印象があって、大戦後半はそんな感じだったが、開戦前はそうでもなかったんだな。
舛添先生の本は文は簡易だがちょっとダラダラして印象に残りづらく、自慢話がブッ込まれてくるので読後感はあんまりよく無い。いつも。 -
元東京都知事、国際政治学者舛添要一さん著
共産党の赤に対抗し黒シャツ隊を率いた男は
兵役後小学校教師から社会主義系新聞編集長を
経て独立後混乱続く伊を束ねて政権樹立。
選挙法改正、財政再建し経済発展も
エチオピア戦争仕掛けるも戦闘力ダメダメで
敗戦。悲願未回収のイタリア奪還でヒトラー
に近づきすぎて日独伊同盟で第二次世界大戦へ。
特に反感なくもヒトラーの政策に追随し反ユダヤへ。
ファシズムとは伊語(束ねる、集団、結束)
1919年ファシストの綱領は女性を含む18才以上全員
参政権、王室上院世襲の称号の廃止、8時間労働
教会資産の没収、富裕者の土地収用、資本の累進課税
など左派的考え方であったがヒトラーも社会主義系からスタートしておりスターリンを含めなぜか独裁者になってしまう。代議制民主主義の将来についても考えたい -
p51 1917 イタリア軍はオーストリアドイツ軍に過ポレットの戦いで大敗北 この戦いの舞台 「武器よさらば」
p56 イタリアは参戦の見返りとしてダルマツィアなどの領土を回復することになっていた ベルサイユ講和条約では密約が反故 戦争に勝ったが、講話には敗北した 手足をもぎ取られた勝利 ファシズムへの道
p70 ダンツィオ 演説好き バルコニーから大衆に語りかける 三島由紀夫がモデルにした
p189 スペイン内戦がムッソリーニとヒトラーを結び透けるきっかけとなった
p228 1942 ドイツ スターリングラード攻略 イタリア15万人を援軍 ソ連の反撃で壊滅的打撃 このイタリア兵の悲劇 「ひまわり」
「ここで生き残ったイタリア兵はいない」というロシア人の言葉
p241 ムッソリーニの命によって日本を支援するためシンガポール沖に派遣されていたイタリアのマルチェロ級潜水艦 コマンダンテカペリーニ 9/13 日本海軍に接収され、ドイツ海軍に引き渡され、UIT24と命名される。そして、この潜水艦はドイツ降伏後日本が接収 伊号第503潜水艦と改名
p244 イタリアはドイツに支援されたナポリ以北のRSIと、連合国が支援する以南のパドリオ政権との内戦という不幸な状態になった
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