グレートリセット後の世界をどう生きるか 激変する金融、不動産市場 (小学館新書)
- 小学館 (2024年10月1日発売)


本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784098254767
作品紹介・あらすじ
令和バブル大崩壊に備えよ!
株、不動産、仮想通貨、高級嗜好品などあらゆる資産が高騰を続ける「令和バブル」が続いている。
しかし私たちは現在、既存の体制や価値観体系が崩壊し、
新たな体制へと移行する歴史的な大転換期のまっただ中にいると
著者は警鐘を鳴らす。
不動産市場は価値指標が変わって資産価値が激変し、
金融システムのリセットにより金融市場も大きく様変わりする。
社会が大きく転換するいわゆる「グレートリセット」が
すぐそこまで迫っているからだ。
これから先、不動産市場、金融システム、そして社会がどう変化していくのか。
資産をどのように守り、何に投資をすればよいのか。
激動の時代の最適な資産戦略とは?
本書は、そんな激動期の変化を読み解き、
来るべき未来への布石を打つための指南書である。
感想・レビュー・書評
-
デジタル化の社会ではものの味方、考え方、捉え方が当然の如く変化していく。少子化、人口減に伴う変化は今後大きなインパクトを生活に及ぼすことは間違いない。現実、地方でのインフラ整備など税収入がなければ放置するしかなく、地方はさらに寂れ、ゴースト化となる。主要都市は逆に小さな家、狭い間取りでも高額となり人口が密集、人間関係から社会問題が頻繁に起こる。現在の政治官僚体制での「先延ばし政策」がいつまで続くのか、停止した時点で「リセット」「壊滅」「崩壊」につながる。
今年は「トランプ発言・ゲーム」でどのように日本、世界が変わるか、変わざるを得ないのか。見える事は、決して良い方向へは動く気がしない事。世の動きは「大きいものから小さいものへ」「重いものから軽いものへ」「マクロからミクロへ」「見えるものから見えないものへ」「物質から精神へ」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昨年(2024)末から読み始めて読みかけとなっていた本でした、他に読みたい本もあり途中でやめようかなと思っていましたが、後半部分をパラパラめくって興味が湧き、最後まで読み通すことにしました。
以下は気になったポイントです。
・不動産市場は三極化する、1)現状維持あるいは上昇の地域(10-15)、2)なだらかに下落を続ける(70)、3)限りなく無価値、あるいはマイナスの地域(15-20%)(p23)人が集まるところ、徐々に減少していくところ、無人化するところ(p43)
・首都圏の新築マンション市場は、ピーク時の2000年に9.5万戸の供給数、約3.5兆円の販売総額を誇っていたが、現在の供給数は3万戸、2.1兆円となっている(p25)
・新築が売れない時代となる理由、1)全国の新築住宅着工数はピーク100万、最近は90万は、やがて40-50万と半減する、2)新築優遇策は日本の財政上いつまでも続けられない、3)建築費はさらに上がる可能性が高い(p29)
・日本の住宅業界には「新築を買ったそばから建物価値が落ち、住んだ瞬間に3割、10年で半減、20−25年でゼロ」といった定説があるが、少なくとも中古マンション市場ではこうした方程式が崩れつつある、不動産の価値は、1にも2にも3にも立地であり、要は「都心・駅前・駅近」といった利便性の高い、中長期的に人口流入が見込める立地であることが大前提である(p37)会社に近く、都心に近く、駅に近くである(p39)
・住宅がダメになる最も大きな要因は「水」である、具体的には、屋根や外壁からの「雨漏り」や配管の「水漏れ」そして「結露」である、これらを長年放置すると、建物の構造部分にカビが生えたり腐ったり、シロアリの温床となったりする(p52)
・中位70%の不動産は厳しい言い方になるが「1秒でも早く売却するのが正解」となる、典型的なのが都市郊外のベットタウン、首都圏で言えば東京都心からドアツードアで1-1.5時間、距離にして30−40キロ、相模原、町田、大宮、柏、船橋といった、環状になっている国道16号内外にある立地の物件、こうした立地でもマンションで徒歩7分以内、一戸建てで15分以内程度であれば、賃貸・持ち家とも長期的に一定のニーズが見込めるだろう(p56)
・1990年バブル期の日本の土地資産額は2000兆円、現在は1000兆円と半減している、その過程の中で三極化が進んできた、コロナ禍は結局、この三極化を加速させる効果をもたらした、今後も全体が均等に沈むのではなく、むしろ利便性の高い一部の不動産など、上がるところは上がる可能性が高い(p64)
・2020年から少なくとも2026年くらいまでは、既存の種々な体制や考え方が、破壊・溶解・消失の憂き目に遭い、並行して新しい概念や体制が台頭、遅くとも2030年を迎えることには諸々の決着がついて落ち着き、新時代の価値観や体制が定着しているはずである、そのころには、長らく続いた欧米先進国を中心とした「西洋の時代」から「東洋の時代」へ、具体的には日本が大きく繁栄する時代へと突入するだろう(p86)
・ゴールドもやがて価値を大きく毀損する時代がやってくるだろう、それ以前に金融システムの改変時期が迫っていて、その際には一時的にゴールドの価値が大きく上がる場面もあるかもしれません(p96)
・現在は円安に振れているが、これはドルが強いから、円が弱いからということではない、日米に金利差があるから(p98)金利差をつけることで、円が売られドルが買われている、グローバルに見ると「低利の円とスイスフランがドルを支え、世界経済を支えている」と言って差し支えない(p99)
・米国内でも通貨の大きな分断劇が起きそうである、テキサス州を中心に南部で「新ドル」を準備している、旧ドルのように裏付けのないものではなく、ゴールドや銀などと紐づけられた形で進めるようである(p109)裏付ける金銀の絶対量が足りない、という意見もあるが、ゴールドや銀の「価格水準を変えれは」良いのである。米国内や世界中で「2つのドル」がつ変わることになったらどうなるか。BRICS 経済圏に、そして新ドルにパイを奪われるという、旧ドルにとっては悪夢のような構図であるが、どこかで終わり(切り替える)にする必要がある、そのタイミングは迫っているかもしれない(p110)
・2024年5月30日、米最高裁判所は、「連邦準備制度は解散し、国営銀行は独自の通貨を発行できる」という判決を出している、具体的には「州銀行は独自の金担保通貨を発行できる」「「国営銀行は連邦準備制度の懸賞に従う必要はない」すでに、アラバマ・ルイジアナ・ユタ・ウィスコンシン・ネブラスカ・ケンタッキー州が、CBDC(中央銀行が発行するデジタル通貨)の拒否を表明している、2025年にはテキサス州に証券取引所が開設され、取引が開始される見込みである、米金融の中心は「北から南」へと移行しつつある(p111)
・旧来型の常識はすでに過去のものになりつつある、終身雇用・年功序列、金融システムの入れ替えで「お金の定義」が変わり、テクノロジーの進展も相まって「仕事の定義そのもの」が変わってしまうから、新システムに移行したら、「大きいものから小さいもの」「重いから軽いもの」「マクロからミクロ」「見えるものから見えないもの」「物質から精神へ」(p117)
・雇用のあり方も15:70:15の三極化の法則が働く、15%の猛烈に稼ぐ人、70%の言われた事務的仕事だけをする人、15%の全く働かない人(p123)所得形態は、1)ベーシックインカムで食うには困らない生活ができる人、2)ニーズを掴み、高額な報酬を得る人、3)株配当、不動産収入など、資産から収入を得る人、の3つに分けられる(p142)
・混乱、混沌期は、そもそも既存体制が崩壊する最中であり、また多くの人が自分のことに精一杯で、よくも悪しくも他人に構っていられないところがある、縛りが緩いので、新しいことがやりやすくなる。つまり「やったもん勝ち」、思い切って、ぜひやりたいことをやってしまいましょう、自身が思いつくことは大抵実現できます、できないことはそもそも思いつかないからである(p146)とにかくアクションを起こしてみる、そうした動きから気づきが生まれたり、先入観が消えたりする。つまり何でもいいからとにかく行動することで何らかの光明が見えるはず(p149)
・求められるのは「価値観でつながるコミュニティ」である、社会制度や境遇で括られたコミュニティでなく、年齢、性別、地域、国籍などを超えて、同じような価値観を持つ人同士で集まると、単純に楽しいのではないでしょうか(p169)
2025年1月14日読破
2025年1月14日作成 -
グレートリセットについて
知らないことの記載については勉強になった。予測は、外れることが多いが、それでも振れ幅を知っておくのは重要。トランプのアメリカがどう動くのか。 -
2024/10/20:読了
世の中の仕組みが大きく変わる可能性があるというのをサマリー的に読むには良い本だと思うが、自分の期待したような内容ではなかった
不動産市場が今後どうなるか、Jリートを買おうと思って、そのベース知識が得られればと思って読んだが、そういう本ではなかった。
どちらかというと、副島さんやフルフォードさんのような、世の中の仕組みが大きく変わる可能性があるというのを前提に、金融システムはどうなるか、というのが書いてある。そういう意味では、もう知っているよという情報で、どんなふうにJリート買えばいいかの参考になるような情報はなかった。 -
2024年69冊目。満足度★★★★☆
「不動産コンサルタント」が主業の著者の本書が33冊目
著者本人が、自分の専門領域を超えた幅広い分野に関して、現状分析・将来予想を述べているが、今後の投資や個人の生き方を考える上で参考になる一冊
著者プロフィール
長嶋修の作品





