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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784098254798
作品紹介・あらすじ
テレビがいつも優しいと思うなよ
「フェイクドキュメンタリー」──嘘(フィクション)を前提にしながら事実(ドキュメンタリー)であるかのように見せるジャンルが支持を集めている。その端緒を遡ると2003年放送の伝説的テレビ番組『放送禁止』に突き当たる。
「分かりやすさ」や「正しさ」が第一義のテレビ界で、なぜフェイクドキュメンタリーの萌芽が生まれたのか。かつて「嘘」は「やらせ」として明確に認識されていたテレビ界で、なぜ平然と嘘を垂れ流すご法度に近い番組を放送できたのか。
万人向けを是とする価値観に抗い、“分かりにくく、正しくない番組”を世に放つ愉快犯たちの闘いに迫った正真正銘のノンフィクション!
巻末には2003年から2024年8月時点までの「フェイクドキュメンタリー(的)テレビ番組年表」を収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
〈フェイクドキュメンタリーは今の“つまらない番組”が蔓延る状況下に偶然かつ必然に生まれた強烈なカウンターカルチャーであり、テレビの未来を想像する上では欠かすことのできないジャンルに違いない。〉
(「序章」より抜粋)
ゴールデン帯のテレビ番組表を見ると、大食い、クイズ、歌番組ばかり。そしてどの番組も画面いっぱいにテロップが広がり、けたたましい音のSEで溢れています。生粋のテレビっ子である著者・戸部田誠さんも“つまらない番組”が少なくないと正直に告白します。
そんな中で「フェイクドキュメンタリー」が未だかつてないほどの存在感を示しています。
フェイクドキュメンタリーのブームの源泉をたどると、2003年放送のテレビ番組『放送禁止』に突き当たります。“つまらない番組”だらけのテレビ界から、なぜハイコンテクストで万人向けであるとは言い難いコンテンツが生まれ、ブームを生み出したのでしょうか。
日本で最もテレビを視聴していると言っても過言ではない著者が、膨大な資料と番組制作者への直接取材を元に解き明かした「テレビ・フェイクドキュメンタリー現代史」をぜひご覧ください!
感想・レビュー・書評
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考察ブームも相まって近年増えつつある地上波テレビにおけるフェイクドキュメンタリー。著者は「実はテレビというメディアでこそ、もっとも威力を発揮する表現形式」と述べ、その歴史を丹念に追っていく。映画や有料メディアは敢えて除外という鉄の意志。やはり最初は『放送禁止』から始まり、一連の『山田孝之』シリーズ、そして大森時生という時代の寵児へ。もちろん竹村武司の暗躍も外すことはないw大半の番組が2000年代以降、何なら第3章の途中からは2020年代の番組なので「昔のテレビはすごかった」的な懐古趣味に堕ちておらず、何より著者の「テレビはいまも面白い」という主張を支えている。自分は本書に出てくる番組は結構見ていたが、願わくばモキュメンタリーと知らずに偶然出会いたかったと改めて。
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『ぜんぶウソ』や『日本のこわい夜〜特別篇』など、てれびのスキマさんだからこその信頼すべき番組ラインナップで、「あとがき」まで読んで今後もテレビを侮らずに注視していかなければ、とさらに思わされた。
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おーーもしろかった!作者は、わたしが昔よく読んでたブログのてれびのスキマという人だった。テレビのバラエティ番組はねーもっとテレビというメディアの独自性がどこにあるのかちゃんと理解したほうがいいと思うんだよな、まあテレビ局に就職するような学生たちはそんな教養を持ってないからしょうがないとは思うけど(教養があれば就職先として放送局なんか選ばないという意味) あとスポンサーありきだから自由度に限界があるとも思うけど。殆どの番組が学校祭の延長をやってるだけだもんね。まあせいぜいがんばってくれ
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1.フェイクドキュメンタリーの歴史を辿れる。
2.インタビューや記事の引用によって、当時のフェイクドキュメンタリーに対する空気や創作するにあたってのイメージ等が伺える。
3.フェイクドキュメンタリー=ホラー、だと8割くらい思っていたので、それ以外を知ることができて良かった。
戸部田誠の作品
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