日本語教師、外国人に日本語を学ぶ (小学館新書)

  • 小学館 (2025年1月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784098254873

作品紹介・あらすじ

「日本人が知らない日本語」再発見エッセイ

日本語を学ぶ人は全世界で400万人にのぼり、今や空前の日本語ブーム。来日した留学生たちを指導する日本語教師の北村さんはこう綴ります。

<文法の教え方に悩み、説明し過ぎたと落ち込み、今日はまあまあうまくいったかなとちいさく自分を励ます、そんなことを繰り返している。あるときから、心の中にひとつの疑問が居座るようになった。
――どうやったら「その先」に行けるんだろう?
継続して勉強していれば確実にうまくはなる。意思を伝えられるようになり、生活上の不自由はある程度なくなる。わたしが知りたいのは、その先だ。自分を表現できていると、どうしたら思えるのか、母語ではない日本語を「操っている」という感覚はどうやったら得られるのか。>(「はじめに」より)

流暢な日本語で活躍する外国出身者9名に根掘り葉掘り聞いていくと、「語彙も文法もひたすら耳から覚える」「単語を“採取”して調べてストック」「1年かけて稲盛和夫の著作を読む」など、独自の言語習得法が続々登場。さらに「汚い言葉が少ない」「『いいえ』は日常で使わない」など日本語の意外な一面も――。
言語を学ぶことの本質に迫る奇跡のダイヤローグ。




【編集担当からのおすすめ情報】
登場する方々は日本語に流暢ゆえ、語学習得の過程を自己分析する言葉も非常に明晰です。「日本語で話している時の自分と、イタリア語の自分は別人格」(イタリア出身の翻訳者)、「たとえ日本語のほうがうまく使えたとしても、心の言葉はジョージア語」(ジョージア出身の在日大使)など、アイデンティティについても話はおよび、語学習得術の本とは一線を画します。


私自身は普段から日本語を話しているものの、会話中に「本当に言いたかったことは、今の言葉では表せていなかった気がする」と思うことがしばしば。かたや本書に登場するフィンランド出身者は日本語を学び始めた当初、類義語を検索し、よりしっくりくる言葉を探すのが楽しかったと語ります。「おいしい、感動しました、だとつまらないので、違う言い回しを使ってみる」――フィットする言葉を探して新しく使ってみる喜びに満ちた話しぶりを見て、「表現すること」の楽しさに私も立ち返った思いがしました。コミュニケーション論としても気づきのある一冊です。

コラムでは文法クイズを掲載。母国語は文法を意識せずに使えるぶん、難易度が高く感じる問題も!? 日本語学校での授業を受ける気分で、皆さまもぜひお楽しみください!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

言語を学ぶことの本質に迫る本書では、日本語を流暢に話す外国人学習者たちへのインタビューを通じて、彼らがどのように日本語を習得しているのかを探ります。学習者たちの独自の方法や、日本語の意外な側面が明らか...

感想・レビュー・書評

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  • 常々日本人の側から外国語を習得することについて興味があり関係の本をいろいろ読んできた。特に語学を勉強していてどの段階で言葉が「わかる」「話せる」と感じるようになるのかを知りたいと思っていたらなんと、外国人側から日本語にアプローチした人たちへのインタビューとは!とても面白かった。間に挟まれる日本語クイズにも新しい発見があり、自然に母語になった言葉なのに知らないわからないことがあることが驚きだった。(わりと簡単と思われる問なのに)
    へーと思った箇所がたくさんあったが、日本語を話すようになって一度も使ったことがないことばが「いいえ」という人がいて、なるほどそうかもと納得した。私も会話で使ったことがないかも。アンケートに回答するときぐらいしか目にしないような。あと外国人力士がなぜ日本語がうまいのかの説明を最後の章でされているのだけど、以前に読んだ同じようなタイトルの本よりも納得の答えだった。このインタビュー企画第2弾も読みたい。

  • 北村浩子 | プロフィール | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/reviewer/article/532948

    北村浩子(@hkjpn) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/hkjpn/

    北村浩子|note
    https://note.com/tongtong

    日本語教師、外国人に日本語を学ぶ | 書籍 | 小学館
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09825487
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

  • 日本語教師が、流暢な日本語を話す外国人学習者たちから「どうすればもっと自然に、その先へ進めるか」を学ぶ、という視点に立った書籍・テーマで、日本語学習の本質や学習者の独自の方法(耳から覚える、単語を「採取」する等)、そして日本語の意外な側面に迫り、言語学習の本質を問う内容


  • 新たな視点を与えてくれる新書。
    9人の外国人がそれぞれの環境、境遇の中で、どのように日本で日本語を獲得、会得したかを
    インタビューで語ってくれている。
    日本語にしかないニュアンスを、彼ら彼女らはどう感じ、どう乗り越えていったか。
    日本語をマスターした外国人から見た日本語、とても興味深い。

    ・・・というかそもそも、我々日本人だって日本語をマスターしているわけじゃない。
    63歳の私とて、月に20冊以上本を読み、その感想をブロク、ブクログに書き、
    それ以外にも食べログやらランナーズへのマラソン大会の投稿など書いているが、
    いまだに文章の言い回しに悩むことが頻繁にある。書き直す。
    ・・・推敲もせず雑にアップし、誤字タイプミスで恥をかくことはしょっちゅうあるし、、、
    話していても適切、適当、妥当な言葉が出ず言いよどむこともしばし、だし、、

    自分の娘や会社の部下が誤った日本語を使っているときはピンと来て訂正するが、、
    ドラマでも違和感があるときは一緒に見ている妻と語らうし。
    そうか、そもそも読んでいる本の中でさえ、誤った用例を見ることもある。

    とにかく日本人だって難しいのだ、日本語は。
    でも、なぜか「ピンと来」たり、「違和感を感じ」たりすることがあるのは確か。
    それは授業で習ったから、ではなくて、母国語だから、なのかもしれない。

    授業で習った日本語で忘れられないのは、「陸の王者」は「おうしゃ」と読むのが正しい、
    と中学の時に国語の先生に教わったことかな、、、
    なのでいつも応援の時は他の塾生とは歌い方が違っている。

    話が拡がってしまったが、言葉は奥が深い、ってことだ。
    いろんな国の人が日本語の魅力を知って、読み、書き、話してくれる。
    有難いことだ。

    私もせめて英語がわかればいいのだが、、、
    ラグビーの英語実況放送、選手の名前とラグビー用語しか耳に入らない。
    映画も、何度も見てるスターウォーズですら、英語じゃなんにもわからない、、、
    やはりこの新書に登場する皆さんはすごい、改めてすごいと思う。


    はじめに
    第1章● 「間違えて笑われるのは、むしろチャンス」  Kさん(韓国出身)

    第2章● 「ほんとうはもっともっと深い話がしたい」  孫成順さん(中国出身)

    第3章● 「ひとり暮らしへの憧れが、日本語につながった」 イザベラ・ディオニシオさん(イタリア出身)

    第4章● 「私の日本語は、基本、全部、想像」  マライ・メントラインさん(ドイツ出身)

    第5章● 「心に一番近い言葉をいつも探している」 ラウラ・コピロウさん(フィンランド出身)

    第6章● 「自分の日本語をチェックする『もうひとりの自分』」 アイエドゥン・エマヌエルさん(ベナン共和国出身)

    第7章● 「文法も語彙も、全部耳から」  工藤ディマさん(ウクライナ出身)

    第8章● 「一年かけて読んだ稲盛和夫さんの本」  ゴー・ティ・トゥー・タオさん(ベトナム出身)

    第9章● 「言語の可動域とアイデンティティ」  ティムラズ・レジャバさん(ジョージア出身)

    おわりに

  • 私自身が日本語教師で、勉強になればと思い手に取りましたが、そういう意味ではやや物足りませんでした。
    しかし普段ここまでハイレベルな学習者に会うことがないので、そこまで到達した方の話が読めたのはよかったです。
    母語で話す時と外国語で話す時で人格が変わるという話は、日本語が母語の人の話は聞いたことがありましたが、逆の場合は初めてだったので、同じ事が起こるのだなぁと興味深く思いました。

  • TBSラジオ「Session」で紹介されていて、面白そうだったので手に取った。
    自分は日本語教師でもないし、いま現在何かの言語を学んでいるわけでもないが、日本語をいろいろな角度から見直すことができてよかった。

    日本語を学習するやり方は人それぞれだ。
    できるだけ通訳を介さずに自分で会話してみる人、文法から学ぶ人、YouTubeやゲームで日本語を聞きまくって覚える人、好きな本を1年かけて読んで内容とともに言葉を覚える人など。
    ひとつの正解はない。

    印象的な言葉やエピソードがたくさん書かれていたので抜粋。

    ◼️第3章 イザベラ・ディオニシオ
    日本語には汚い言葉が少ないという。
    「カラフルな罵倒語があったらいい」
    カラフルな罵倒語とはなんだろう。想像できない。
    イタリア語からの転用でもいいので、イザベラさんにたくさん罵倒語を作ってほしい。

    言葉の採取について。
    「<採取>した言葉を使って『うまくハマった!』と思えた時はすごく嬉しいですね。どこかで見聞きした時は別の文脈で使われていた言葉を取り出して、自分が作った文章にはめこんでみる。(略)実験みたいなものなんですけど、それがうまくいくと嬉しくて嬉しくて。ちょっと変態かもしれない」

    →『ヒロ☆コラム 素顔のようなもの』P117にも似たような文章があった。
    校長先生が小学校の朝礼で、当時の新語だった「省エネルギー」という言葉を使ってくれたというエピソード。
    <子どもは、子ども扱いされるのが嫌いだ。(略)子どもは、大人の言葉を解き明かしたいと思っている。だから、分からない言葉で話される方が実は嬉しかったりする。分からない言葉はすべて「新語」。新語を自分の舌に載せることは、子どもにとって大きな快感なのだ。>

    自分も子どもや外国人が相手だと、ついついわかりやすい言葉で話してしまう。あえて「新語」を織り混ぜて話すという勇気はない。

    ◼️第4章 マライ・メントライン
    「私が姫路の高校に留学していた1999年から2000年、『やばい』っていうのはほんとうによくないこと限定の『やばい』だったんですよ。でも、大学留学の頃には『すごい』『たまらない』っていう感覚も付加されて、使い方がすごく広がった」

    ◼️第5章 ラウラ・ピコロウ
    「日本語は、文法の理解と文化的な理解がセットになって初めて『話せる・使える』って言えるんだと思います。文法的に間違っていなくても、言いたいことがその場に相応しいか、どんな表現を使うのが適切なのか分かっていないと『生活者』としてつらいんですよね。例えば英語だと、相手の言葉を聞いて『あ、いいね』と思ったら試しに使ってみることができる。でも、日本は関係の上下によって言葉遣いが違うからむやみに真似できない」

    高校時代の日本語の先生から言われたこと。
    「先生、こう言ったんですよ。『ラウラ、<やばい><超><めっちゃ>。この3つの言葉は絶対使っちゃいけないよ。<とても>とか<非常に><ほんとうに>に言い換えなさい』って。先生がこの3つを禁止したのは多分、カジュアルすぎるし万能だからだと思うんです。表現力が育たなくなるって」

    パフェ愛好家のラウラさんは、ブログやインスタグラムに投稿するときに、よく類義語を検索するという。
    「『おいしい』『感動しました』だとつまらないので、若干自己満足かもしれないけれど、違う言い回しを使ってみる、試してみることを心がけていますね。好きなのは、ドキドキ、キラキラ、ピカピカみたいな繰り返しの言葉。言葉の中にスパイスが入っている気がするし、響きがかわいくて好きです」

    ◼️第2章 孫成順
    中華料理を表現するときの擬音語や擬態語について。
    「ちょっと固いとカリカリ? 油の感じがある時はサクサク? とかね、何回も何回も使って覚えました。ああこういうのはトロトロなのか、ドロドロは? みたいに、違いは難しい。さっぱりもあっさりも、似ているけどちょっと違う。『まろやか』『寝かす』『旬の食材を生かす』も最初分からなかった」

    ◼️第6章 アイエドゥン・エマヌエル
    この本を読んで、インタビュー相手の本業に最も興味をひかれたのが第6章のエマさん。
    彼は「ヒトの言語学習を支える会話システム」を研究しているらしい。

    「外国語に対する意欲を、具体的に『話すという行為』につなげようとする時、文法力とか語彙力よりも、感情的な余裕の方が大事だという説があります。外国語でのコミュニケーションには『不安のない状態』が肝心だというものなんですけど、今、研究室で取り組んでいるのは、その状態をサポートするシステムです」会話練習の相手をしながら、励ましやヒントを適切に与えて感情のケアをする、人間の曖昧な側面を考慮してふるまうシステムを作りたい。人情のあるシステムっていうんですかね」

    これはとても重要だと思う。特に「恥」の文化がある日本では。
    研究した論文を読みたい。書籍にしてくれたら買う。

    他にも引用したい言葉やエピソードがたくさんあったが、きりがないので割愛。
    自分の母国語について、他言語出身の人たちからの指摘でたくさんの気づきが得られた。

  • 「イタリア語では言えないけど日本語では言えることもあるし、その逆もある。パターンをたくさん知ると、自分の世界が内側からどんどん広がっていくし、心も豊かになるような気がします」

    「…表現が増えると感情も増える。言葉と感情は連動しているからだ。逆に同じ言葉ばかり使っていると、気持ちも単純になるし、表現も平らになる」

    留学などで、初歩の英語のみが伝達手段であるとき、思考も単純化してしまうというような記事を新聞で読んだことがあり、驚いたのですが、上記のふたつも同じようなことを言っているのだと非常に興味深く読みました。

    それは外国語と母語で起きるだけでなく、母語のなかだけでも起きることだと思います。

    本をたくさん読んで、使える表現のパータンを増やし、より複雑な思考ができるようになりたいと思いました。

    外国語に関しては、なかなか学習が続かないのですが、思考をより深く複雑なものにするためという動機に基づいて学んでいく方式をとれば、私のようなタイプは長続きするのではないかと思いました。

  • フリーアナウンサーと日本語教師の二足の草鞋を履く著者が日本で暮らす外国人の日本語話者を訪ねてそれぞれの日本語(習得/学習)について話を聞いたインタビュー集。同じく日本語教師の自分にとっても、まさに待ってましたの内容だった。

    初出はNEWSポストオンライン連載「日本語に分け入ったとき」で、加筆・修正のうえ再構成した本。こんなおもしろい記事があったなんて知らなかった。著者同様わたしもおどろいてばかりだった。どの人の話も引用したい言葉がいっぱい。教える側として反省させられることも、気持ちが伝わっている、信じていたことが間違いではなかったと感じてうれしくなることも励まされることも。

    登場するのは、K(韓国)、孫成順(中国)、イザベラ・ディオニシオ(イタリア)、マライ・メントライン(ドイツ)、ラウラ・コピロウ(フィンランド)、アイエドゥン・エマヌエル(ベナン共和国)、工藤ディマ(ウクライナ)、ゴー・ティ・トゥー・タオ(ベトナム)、ティムラズ・レジャバ(ジョージア)、と歌手、料理人、文学者から駐日大使まで多彩。

    他にも話を聞いてみたい日本語話者はいくらでもいる。続きもでないかな。著者も夢見ているように、テキスト版と並行して、声を聞けるラジオ版もあってもいい。

  • 日本語教師でもある著者が
    日本に滞在する9人の日本語話者に
    インタビューした記録。

    日本語を学んだ動機も勉強法も
    三者三様でおもしろい!
    耳から覚えた人もいれば
    読み書きから入った人もいる。
    習得するのに絶対の方法はないってことだ。
    ようは自分に合ったやりかたを
    いかに見つけることができるか…。

    言葉が違うと性格や思考が変わることがある
    という話が興味深かった。
    その言語の文化に合わせて思考回路まで
    柔軟に変えられるなら
    より広い世界が味わえるのかも。

  • 日本語を母語話者と同様に話すことが出来る外国の人々に、どのように学んできたのか、どんな苦労があったのかを日本語教師である著者がインタビューしている。
    日本語教師として働きたいと考えている私にはとてもためになる内容だった。もちろん、日本語教師とは無縁の人が読んでも面白いと思う。
    母語では伝えられることを日本語で伝えられないことのもどかしさに激しく同意した。私自身、英語の学習でそれを感じているからだ。そして、おしゃべりな人ほどそれを感じるのかもしれない。
    また、ある人は高校時代の日本語の先生に「やばい、超、めっちゃ」は使っちゃいけないと教えられた。これらは万能な言葉であるから、これらを使うことによって表現力が育たなくなることを危惧したアドバイスだと思われる。「単純な言葉って化石化しがちで、慣れちゃうとそれに頼ってしまう」という彼女の言葉にも激しく同意した。これは、日本語母語話者にも当てはまる話ではないだろうか。私自身、「すごい」という言葉はなるべく使わないようにしている。これも単純であるから、多用しがちで、それによって表現力ばかりでなく、思考力も低下する気がする。すごいが頭に浮かんだら、何が?といつも考えるようにしている。
    日本語教師ならではの日本語クイズもあり、改めて日本語について考えさせられた。私たちは普段何気なく使って、何となくその違いが分かる言葉でも、日本語学習者には、その違いが分からない。そんな表現を深く掘り下げて考えられるクイズだ。答えを考えるのも面白い。

  • そういえば昔教える話があったなあ、と思いながら読んだ。興味の持ち方も学び方もいろいろあって興味深かった。インタビューって難しいだろうにすごい観察力。

  • とても興味深い内容だった。私自身、ボランティアで日本人以外に言語を教える機会があったし、英語を学ぶ時の気持ちと同じと確信した。共通するところは好奇心。人によって違うけれど、なんとか今勤務している中学校で生かせないか思案中。

  • 日本語を学ぶ外国人の中でも、既に日本語で仕事をするほどの人たち9人へのインタビュー。
    日本人からしたら「日本語に流ちょうな外国人」とみられるとしても、本人には脳をフル回転させたり、内容より発音に気を取られてしまったり、母語に比べて口数が少なくなったり、と悩みはあるのが分かった。
    外国語を学ぶ際のスタンスなど得るものがあった。さらっと読めて、明るく前向きな本。

  • 私も非常勤講師として、専門学校で留学生たちの授業を担当しています。
    もう、数年経ちますが、なかなか思うように、伝えられていません。パソコン用語などでも日本語化しているものもあり、一苦労。
    英語もできないので、日本語英語の発音を留学生たちに笑われたりしています。

    そんなわけで、少しでも参考になればと思い手にしました。
    9カ国9名の日本で活躍する外国人が登場。
    日本語教師でもある著者が、それぞれの日本語との出会いや勉強方法をインタビューしています。

    日本語の何に戸惑うか、日本語の教育や教材について、日本語とそれぞれの母語の違いについて、という「言語」としての日本語についての気づきも多くありました。

    しかし、私が一番、この本で学べたのは、日本語を学ぶ外国人との接し方です。
    フィンランド出身のラウラ・コピロウさんは、高校で日本に留学した時のホストファミリーが「(前略)『おはよう』って言うと『〈おはようございます〉だよ』というような感じで、面倒くさがらず指摘してくれました。『いいよいいよ、外国人だから』みたいに扱われなくてほんとうに良かった。いいご家族に恵まれました。(後略)」(126p)
    中国料理の大家、孫成順は「(前略)(日本に来て) 3年くらい経って、東京に来てからですね、大変だった。まだ言葉が出来ないから、分からない時に『すみません』って聞くでしょ。東京の人、逃げるんですよ。残念でした」(43p)

    著者も書いているが、わざわざ日本に来て、学び、働く人たちには尊敬しかない。
    私も日本語しか話せない、異国の地で母国語ではなく、その地の言葉で生活していくことがいかに大変か。二カ国語を話せるという、私よりもずっと能力の高い人たちに教えているなんて。
この本に登場する人たちはいわゆる成功者。しかし、私たちが普段接する、日本で働く人たちはより苦労が多いはず。私の接する留学生たちも、アルバイトに追われ、がんばって生活している。
    そんな彼・彼女らに寄り添って接してくれる人々が増えることを願う。

  • 留学生に日本語を教えている日本語教師が、流暢に日本語が話せる外国人9名と日本語について話すという内容。

    ドイツ出身のマライさんが「い」「こ」「ふ」はパーツ同士が接していないから配置が難しいと言っているのが面白かった。ひらがなをそういう目で見たことはなかった。確かにアルファベットはパーツ同士が基本的にはくっついていることが多い気がする(「i」や「j」は点があるか)。

    言語によって別の感性を会得できるというような話が複数の話者から出てきており、確かにそうだ、そうだったと思い、英語の勉強に対するモチベーションを少し取り戻した。

  • 英語を学習する身として、英語を習得した人の話を聞いたり、読んだりすることはあるが、逆に日本語を習得した人はどのような形で、習得に至ったかずっと知りたかった。9人9様の話が、自分の英語学習とリンクし、なんとなくこうやればという輪郭が見えた気がする。なかなか参考になった。

  • 日本語に熟練した外国人にインタビューする中で、日本語の教員としてのさまざまな気づきや感銘を語っている。読者もまた、筆者を後追う形で気づきや感銘を得られる。

  • 私も外国人に日本語を教えているが、日本に住む外国人に逆に日本語を教えて貰うこともあって日本語の辞書を引き直すことが度々ある。

  • とてもいいインタビュー内容で興味深かった。
    いろいろな人の日本語の捉え方や学びの深め方、自文化との向き合い方…それぞれなんだけど、どこか共通するものが見える気がした。

  • 日本語を不自由なく使えるようになったその先へは、どうやったらたどり着けるのか。母語ではない日本語を「操っている」という感覚はどうやったら得られるのか。
    流暢な日本語で活躍する外国出身者9名に根掘り葉掘り聞いていく。

    日本語は主観的な言葉が弱い。そこから手土産が出てくるとは思ってなかった。なるほど、別の方法で伝えているのか。

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