自ら学ぶ力をつける深谷式辞書・図鑑活用術

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098373871

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  • [墨田区図書館]

    何かの資料に深谷式という、辞書引きを推奨する本を見かけて借りてきた本。単に「知らないこと」を調べるために使おうというコンセプトではなく、「知っていること」を見つけ出し、その行為から自学自習、ひいては学ぶ姿勢を身につけていこうというもの。

    【基本のひき方】
    ◼︎通し番号を振った付箋に、言葉を書いて貼る。慣れたら漢字で、付箋数の目標達成表(慣れるまでは、500〜1000語くらい)をつくる。

    ◼︎赤字の見出語(基本語)を全てひく、慣れたら漢字辞典へ。

    ◼︎漢字辞典は、部首検索→音訓検索→総画索引

    【応用のひき方】
    ■学校の各科目に関連する言葉をいろいろな辞典や図鑑を使って調べてみる。

    Ex. 国語1
    猫→国語辞典(猫を使った言葉)→漢字辞典(熟語・慣用句・ことわざ)→犬や他の動物に~→ことわざ辞典で動物テーマで調べる→

    Ex. 国語2
    顔と体に関する語句を引く→その二種に関する全ての漢字をノートに書きだす→顔に関する「頁」と「目」、体に関する「月」について、漢字辞典の部首検索で調べる→百科事典や図鑑で体について調べる

    Ex. 算数1
    数えるときに使う言葉(冊、枚、本、個、etc.)を国語辞典と漢字辞典でひく→パンの数え方は「枚」と「個」、どちらが正しいのか→「数え方の辞典@小学館」などの特殊辞書も使ってみる。

    Ex. 算数2
    「単位」とひく→具体的な単位(メートル、グラム、リットル)をひく→「もののはじまり館@小学館」などの図鑑なども読む。

    Ex. 理科1
    「動物」と「昆虫」をひく→国語辞典に出ている、すべての動物と昆虫(秋田県、赤とんぼ、etc.)を探す→説明の中の気になる語(家畜など)もひく→種類(索引からひく)が気になる時には「動物@小学館NEO」図鑑などをひく。

    Ex. 理科2
    「ひまわり」「さくら」「なんてん」「コスモス」をひく→花や実がつく季節を調べる→種類(索引からひく)が気になる時には「植物@小学館NEO」図鑑などをひく。

    Ex. 社会1
    「都道府県」をひく→全ての都道府県をひき、日本地図で場所を確認する→「にっぽん探検大図鑑@小学館」などの図鑑もみる。

    Ex. 社会2
    「すてる」「うっちゃる」をひく→「ほかす」をひく→存在しなければその理由を考える→「標準語」「共通語」などをひく→「方言」「地方」などをひく→「日本方言辞典@小学館」などの特殊辞書でさらに調べる。

    Ex. 社会3
    「神武天皇」をひく→「徳川家康」をひく→「歴史人物カード+歴史人物プリント@小学館(日本の偉人72人)」なども使える。

    Ex. 体育
    球技の名前(野球、テニス、サッカー、etc.)をひく→球技以外のスポーツ(水泳、陸上、柔道、etc.)をひく→スポーツ関連で聞く言葉(フォーム、スイング、インパクト、etc.)を国語辞典と「カタカナ語の辞典@小学館」で調べる

    Ex. 音楽
    「楽器」をひく→具体的に楽器(カスタネット、トライアングル、etc.)をひく→世界的に有名な音楽家(ベートーベン、モーツァルト)を国語辞典や百科事典で調べる<<→音楽用語(ト音記号、シャープ、etc.)などを調べる>>

    Ex. 図工1
    世界的に有名な画家(ゴッホ、葛飾北斎、etc.)をひく→百科事典や美術の図鑑をひいて実際に二人が描いた絵を見比べる。

    Ex. 図工2
    「アニメーション」をひく→説明内の関連用語(ひとこま、画面、動画、映画、フィルム、スクリーン、etc.)をひく→百科事典や「大図鑑@小学館」などの図鑑で調べる。

    Ex. 家庭科
    好きな料理(カレーライス)についてひく→説明内のことば(炒める、煮込む、とろみ)についてひく→具材の一つ(ジャガイモ、人参、玉葱)を調べるやじるし百科事典や「食べ物館@小学館」などの図鑑で調べる。

    Ex. 生活1
    カレンダーの「月」という言葉を調べる→関連用語(げつ、月齢、新月、陰暦、太陰暦、太陽暦、暦、etc.)を調べる→カレンダーの「月」と天体の「月」の関わりや現在使われている暦と太陰暦の違いが分かる。

    Ex. 生活2
    「正月」をひく→関連用語(松飾り、鏡餅、雑煮、おせち料理、etc.)→世界の国々の正月の様子を百科事典や「世界の国ぐに探検大図鑑@小学館」などで調べる

    Ex. 英語1
    「ベスト」「アップ」「ライト」という英語をひく→反対語(ワースト、ダウン、レフト)もひく→英和辞典でさらに調べる。

    Ex. 英語2
    英語で言ってみたい身近なものや言葉(Ex. 腕、手)を和英辞典(ミニ和英つきジャンプ英和辞典@小学館)でひく

    Ex. 英語3
    和製英語(コード、プラグ、コンセント、etc.)についてひく→身の回りのテレビや新聞から他の和製英語(ジーパン、フロンガス、キャッチボール、ボールペン、etc.)を探して、辞書でひく。

    Ex. 場面1
    一番「大きい」ことを表す言葉(普通、大きめ、特大、馬鹿でかい)はどれか調べる→類語辞典で「大」の字が下につく言葉(拡大、遠大、重厚長大、無限大、最大、極大、巨大、etc.)を読んで、その違いを調べる→目で見えない大きさのものは、「くらべる図鑑@小学館NEO」などでひいてみる

    Ex. 場面2
    類語辞典で「がたがた」(感覚=寒さ、見る聴く話す=m文句、表情=恐ろしさ、モノの様子=古さ)をひく→「日本語オノマトペ辞典@小学館」で「がたがた」を調べる

    Ex. 場面3
    「えみ」と「わらう」を調べる→類語辞典と「全文全訳古語辞典@小学館」で「わらう」と「えむ」をひく。

    ■類語辞典などで徹底的に調べる。そのためには、「ハテナ(?)ノート(調べたことや言葉をつねに書き込む)」を作って、常に「調べる」環境を維持すること。

    【ことば遊び】
    ◼︎あんしんゲーム
    「○ん○ん」(あんしん、あんぜん、しんじん)などの言葉を探す。

    ◼︎1文字チェンジゲーム
    3文字以上で意味をもつことばの中から1文字だけ別の言葉に変え(おどる→おくる→まくる)て、異なる意味の言葉にしていくゲーム

    ◼︎連想ゲーム
    好きなことばから連想できる次のことば(星→きらきら→まぶしい→?)を見つけていくゲーム。

    ◼︎かさねはなしゲーム
    はじめに思い浮かんだことばを一つあげて、そのことばに一つずつ別のことばをかさねていき、話をつくっていく(パンの耳→パンの耳が大好物→~のエイリアン→)というゲーム。

    ◼︎漢字しりとりゲーム
    普通のしりとり同様、漢字熟語の最後の文字を使って(元気→気温→温度→度?)つないでいくゲーム。

    ◼︎漢字推理ゲーム
    漢字辞典or国語辞典に出ている一文字の漢字を、その意味から推理するゲーム。意味を①からではなく、好きな順番に読んでいき、正答数を競う。ヒントを読み上げるのではなく、身振り手振りで出すようにすると、盛り上がる。

    【辞書比べ】
    小学生なら、1万5000語以上あれば。
    ただ、低学年用(下記参照)と全学年用(約3万3000語~5000語)では、説明内容や表記、漢字遣い以上に収録語数が異なる。
    ◼︎チャレンジ小学国語辞典@ベネッセ(約2万5000語)
    ◼︎学習国語新辞典@小学館(約1万9000語)
    各意味ごとに改行されているので、見やすく、意味が先に来てから例文があるのが◎。
    小学館の方は他の読みも。但し見出語が薄い。ベネッセの方は他の読みがないが、ゴシック体で見やすく、品詞の記載あり。
    ◼︎学習国語辞典@くもん(約2万4000語)
    例文から説明が始まるのが×

    ◼︎例解学習漢字辞典@小学館
    オリジナルの部首検索ナビゲーターをページ欄外に表示して探しやすくしている。
    ◼︎学習漢字新辞典@小学館
    1年生は1段組、2年生は2段組、3年生は3段組にしてカラーイラストを豊富に用いて低学年が楽しく使える工夫。
    ◼︎例解小学漢字辞典@三省堂
    筆順が四角で囲まれていて見やすい。

  • 国語辞典で調べた後、図鑑や他の辞典でも調べて知識を広げ、深めていく作業。面白いかも。

  • 辞書を買いたくなる

  • こどもに自学自習を促すために。
    興味がある言葉を辞書で探す。
    知らない言葉の意味を調べるのではなく、知ってる言葉の正しい意味を調べるのです。

  • 辞書引きをしたから頭がよくなるとは限らない。
    それをいかに利用するか、ストックではなくフローという事。

  • 出版社 / 著者からの内容紹介
    子どもと一緒に、辞典・事典・図鑑を上手に使いこなしたり、楽しみながら学んだりする方法を具体的に解説。親や教師が子どもに自ら学ぶ力をつけていくために、どんな辞書・辞典を与えたり紹介したりしたらよいかがよくわかるように構成。



    家庭でも取り入れていきたいところです。
    世の中知らないことが多すぎて。。。。
    親が先に見本を見せないとですね♪

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著者プロフィール

1965年生まれ。愛知教育大学卒業、名古屋大学大学院博士後期課程修了。博士(教育学)。立命館小学校校長を経て、現在は中部大学教授。NPO法人こども・ことば研究所理事長、元ロンドン大学東洋アフリカ研究学院客員研究員など複数の役職を務める。「辞書引き学習法」を開発・提唱し、自らすすんで学ぶ力の大切さを主張している。

「2023年 『語彙力1600 コンパクト版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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