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Amazon.co.jp ・本 (48ページ) / ISBN・EAN: 9784098400966
作品紹介・あらすじ
2004年10月、著者の白寿記念講演会で語られた5つの珠玉の「ことば」に、遺作となった詩『優劣のかなたに』を添えた、大村はま最晩年の“教え”のレジュメ。 幼少時代、新任教師時代、戦後の混乱時代、新制中学時代を貫く98年の生涯の中で、自らの人生の分岐点ともなり、教師にとっての指針ともなったことば、終生耳の奥深く残る恩師や母、教え子の肉声を懐かしみながら回想。そこには、人を育てることに生涯を捧げた人間の知恵と慈しみがあふれている。巻末に付した、絶筆の詩『優劣のかなたに』は、この不世出の教師が最後に願った教育の理想を歌い上げる。60分の講演DVDとともに、教育の真髄に迫る1冊。
感想・レビュー・書評
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職場に復帰させてもらえず、飛ばされた授業改善支援センターという場所で会った大先輩の先生に読むように言われて借りて読んだ本。短いので30分くらいで読める。
内容には関係ないのだが、石垣りんの文体とそっくりだなとまず思った。ですます調の文にときおり混ざった倒置文に、同じ雰囲気をめちゃくちゃ感じた。
いわゆる作文と言われる「作品」のようなものを書かないからいけないとか、そういうことを言おうとは思いませんけれども、とにかく今は、作文指導をいつどんなふうにやったかということが、あまり問題にはなっていないようです。それだけ今は広々とした国語の生活を指導しているとも言え、そしてこどもはいろいろなものが書けるようになったとも言えるかも知れませんから、いいのですけれども。(p10〜11)
ここのところなんか特に。思うに、当時の女学校を出た人々の文体なんだろうと、大村はまの文章を今回読んで初めて知った。
最後の「優劣のかなたに」なんかも、今のぼくたちの感覚から見ると時代を感じる言葉だと思った。
優か劣か
そんなことが話題になる、
そんなすきまのない
つきつめた姿。(p44)
自分がゆとり以後の世代なので、「そんなことが話題にな」っていた時代を経験的に知らない。気がついたときには、優劣を問わないことの方が、よっぽど話題にされていたように思う。
こうやって見てくると、大村はまという実践家が、一つの時代の人なのだったのだなと思う。第2話で紹介される百人の生徒に向けて体育館で行われた新聞の実践なんかも、現代にはもう見られない光景の一つなのではないか。
個人的には、第3話の「カンカンってやったとき、誰かの鉛筆がとまりましたか」の話が好きだった。この手の名言集みたいな話は基本的には嫌いなのだが、普通にいいこと言うなあと思ってしまったので悔しい。別に注意するほどでもない些細なことに過度に注意がいってしまうことは、今の教師にこそあるように思う。
それにしても、大村はまの「手引き」って、どんなものだったのか、有名だが一度も見たことがないので、今回、これを読んですごく気になってきた。体育館での授業、大村はまがあらかじめ書き込みをした新聞を配ると、子どもたちが新聞を読みながらそこに書き込みを始めたとある。なんか根本的に授業の発想が違っているような気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本の巻末にある「優劣の彼方に」。これは、今の時代の教員全員に読んでもらいたい。彼女の国語教員として、そして一教師としての辞世の詩である。
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5つの話、どれもささやかなようで含蓄のある話でした。また自分の経験に照らし合わせた時、どこかに心当たりのあることを表しているようなお話でした。
大村はまの作品
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