健康で文化的な最低限度の生活 (9) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 51
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098606436

作品紹介・あらすじ

1年ぶりの最新刊!「貧困ビジネス編」始動

生活保護ケースワーカーという仕事の
やり甲斐と難しさをわかり始めた公務員・義経えみる。

入庁3年目の春を迎えた彼女が、
新たに担当を引き継いだ受給者たちはみな、
「オレンジパルム」という名の同じアパートに住んでいた。

累計90万部(紙+電子)突破!
“生活保護”CW(ケースワーカー)奮闘記、最新刊。
この国の格差の凝縮である「住まいの貧困」に迫る
「貧困ビジネス編」始動…!!



【編集担当からのおすすめ情報】
連載中の「週刊スピリッツ」誌上でも大好評を得ている「貧困ビジネス編」。目を背けてはならない「住まいの貧困」という問題をテーマに据えたこの新章も、さまざまな方々への取材をもとに構成されており、現代日本の抱えている歪みと、食う食われるの人間の業が見えてきます。今回のコロナ禍によって、いっそうあらわになってきた日本のリアルについて考えるキッカケとなる本格社会派コミックを是非ご一読ください!

感想・レビュー・書評

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  • 小説で生活保護問題を扱うと大抵は「貧困ビジネス」が出てくるから、生活保護費を不正に盗る貧困ビジネスはセットだと勘違いする読者を意識してか、9巻目にしてやっと出てきた。制度と貧困ビジネスは、決してセットではない。ということを前提にして読んで欲しい。どうも今回はその序章っぽい。

    10年前、労働運動との関係で、ひとつの貧困ビジネスの現場を見た。目の前に、倉庫の2階を薄い板で仕分けしてひと部屋として住まわせていた鰻の寝床があった。
    「すごい!こんな地方都市にもあるんだ」
    と、思った。
    いつもしっかり実地調査をして、生活保護制度の実態を描くこのシリーズは、そんなわかりやすい場面は、過去の一コマとしてでしか描かない。

    ここに登場する角間さんは、埼玉の無料定額宿泊所から逃げてきた生保受給者だ。生保が切れていないので、埼玉に帰るように勧める主人公・義経えみるを、角間さんは無言で振り返る。無口な男ではあるが、このシリーズを読んできた読者には、いろんな反論、言い訳、訴えを語っている事を「想像」することができるだろう。結局彼は埼玉に帰らず、空腹で雨に濡れているところを、貧困ビジネスのブローカーらしき人物に拾われる。

    角間さんが無言で思っていた事はいったい何なのか。おそらくこのマンガの中では全面的に明らかにならないと思う。生保受給者には、その受給者の数だけのいろんな人生があり、そのひとつひとつの事情は、育成環境だったり、色や欲からくる人生の間違いだったり、運の無さだったり、病気だったり、ホントに様々で、ケースワーカーの仕事は、それを解決することではないからだ。ただ「勘違い・思い違い」は正すことができる。それが、それだけでも、正しい知識や判断を知らされる事はもしかしたら男の人生にとってはとてつもない人生の岐路になるのかもしれない。というようなことを、貧困な私の経験から思ったりもする。このマンガは、その経験を少しだけ豊かにしてくれる。

    だから、この作品は出版されると取り寄せて読むようにしている。毎度のことながら、巻末の「教えて半田さん 住まいの貧困編」は、肯(うなず)ける事ばかり書いていた。

  • 約1年振りの単行出版。次の案件は、貧困ビジネス。まだ、本巻では、まだその実態が見え始めてきた段階。今後、主人公は、どのように対応していくのか。

  • 次は2021年冬(って1月?12月?)

  • 2020/07/01 035

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著者プロフィール

柏木 ハルコ(かしわぎ はるこ)
1969年、千葉県生まれの漫画家。千葉県立東葛飾高等学校卒業、千葉大学園芸学部卒業。1995年『いぬ』でデビュー。
代表作に、2008年映画化された『ブラブラバンバン』、そして2018年7月からドラマ化された『健康で文化的な最低限度の生活』。

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