最後の遊覧船 (1) (ビッグコミックス)

  • 小学館
4.00
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本棚登録 : 14
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098606757

作品紹介・あらすじ

絶望の果てで回るラブ・ロマンス、出航!!

「どいつもこいつも世界が終わりだって知らないの?」

恋に、仕事に、SNSに追い詰められ故郷のある湖・幻舟湖まできた脚本家・湖尻洋子。
全てから逃げる先である実家はもう目と鼻の先。
だが、その時彼女は思いもしなかった。
まさか自分が、まるでループするようにこの遊覧船に乗り続けることになるとは…!!?


【編集担当からのおすすめ情報】
構想およそ20年!!!
様々なジャンルの才能からリスペクトされる異才・すぎむらしんいちがおよそ2年ぶりに放つ渾身の新境地は、前人未到のループ・ラブ(?)・ロマンス!!

恋に、仕事に、SNSに追い詰められ、疲れ果てた1人の女が、
逃げてきたはずの地の果て乗り込んだ遊覧船、そこで待っている様々な人々と事件。
世界の果てで回り続ける女の運命はどこにたどり着くのか…
是非、ご期待ください!!!

感想・レビュー・書評

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  • すぎむらしんいちは、私のお気に入りマンガ家の一人。

    『ホテルカルフォリニア』(「~カリフォルニア」ではない)はマンガ史に残る傑作だし、『老人賭博』(原作・松尾スズキ)は小説のコミカライズ史上の金字塔であった。

    ただ、すぎむらは「天才肌の作家特有のムラッ気」のようなものが強いらしく、作品の出来不出来の振幅がわりと大きい。
    前作『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ』は、私にはノレなかった。

    だが、この『最後の遊覧船』はじつによい。すぎむらのよいところが全部出ている感じ。

    架空の湖・幻舟湖(おそらく「摩周湖」と「花柳幻舟」をかけたネーミング。あるいはカルト映画『幻の湖』へのオマージュか)を巡る遊覧船を舞台にした、「前人未到のループ・ラブ(?)・ロマンス」――。

    「ループ・ラブ・ロマンス」とは編集サイドがつけた本作のキャッチコピーだが、作品を読んでいないと何のことやらわからないだろう。

    《絶望の果てで回るラブ・ロマンス、出航!!

    「どいつもこいつも世界が終わりだって知らないの?」

    恋に、仕事に、SNSに追い詰められ故郷のある湖・幻舟湖まできた脚本家・湖尻洋子。
    全てから逃げる先である実家はもう目と鼻の先。
    だが、その時彼女は思いもしなかった。
    まさか自分が、まるでループするようにこの遊覧船に乗り続けることになるとは…!!?》

    ……というのが本作の惹句。最初は「ループもの」のSFなのかと思った。

    だが、そうではなかった。
    崖っぷち状況にある脚本家のヒロインは、執筆している演劇の脚本の舞台を、この遊覧船にしようと決める。
    脚本の取材を兼ね、同じ遊覧船に毎日乗り続ける。そうするうち、遊覧船の船長との間にロマンスも生まれそうになり……という話。強引きわまる設定がすぎむらしんいちらしい。

    私がいちばん好きなすぎむら作品『ホテルカルフォリニア』は、北海道の山奥に建つリゾートホテルが道路の寸断で孤立し、大半がホテル内だけで進行する物語だった。
    その点で、ストーリーの大半が遊覧船内で進行する本作と似ている。癖のある登場キャラたちがからみあい、毒気の強い笑いが炸裂する展開も共通している。

    すぎむらしんいちのマンガは、しばしば「映画的」と評される。脚本家をヒロインに据えているだけに、本作は常にも増して「映画的」だ。

    すぎむらはコーエン兄弟のファンらしいが(前にインタビューでそう言っていた)、本作は脚本家を主人公にしたコーエン兄弟作品『バートン・フィンク』を意識しているのかもしれない。
    『バートン・フィンク』も本作も、主人公が呻吟しながら脚本を書くプロセスがストーリーの核になるのだ。

    『スペリオール』での連載は早くも最終回だそうなので(残念!)、コミックスは次の2巻で完結だろう。
    本年度マイベスト1マンガの最有力候補だ。

  • すぎむらしんいち氏の作品『最後の遊覧船』の1巻を読了。

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著者プロフィール

漫画家。北海道出身。1986年、『きょうの出来事』にて第14回ちばてつや賞(ヤング部門)の大賞を受賞し、デビュー。その後「ヤングマガジン」にて『サムライダー(のち『サムライダー88』に改題)』を連載開始。ほかの作品に『右向け左!』(原作/史村翔)、『ホテルカルフォリニア』、『東京プー』、『超・学校法人スタア學園』、『クローン5』(相談/いとうせいこう)、『サムライダー』、『老人賭博』(原作/松尾スズキ)などがあり、短編集に『スノウブラインド』がある。平成22年度[第14回]文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品として、「モーニング」連載の『ディアスポリス―異邦警察―』(脚本 リチャード・ウー)が選ばれた。2017年、「少年シリウス」別冊の「ネメシス」にて7年にわたって連載した『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女(ジョ)ンビ ―童貞SOS―』が堂々完結!!

「2017年 『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ ―童貞SOS―(6)<完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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