チ。―地球の運動について― (1) (BIG SPIRITS COMICS)
- 小学館 (2020年12月11日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098607785
作品紹介・あらすじ
動かせ 歴史を 心を 運命を ――星を。
舞台は15世紀のヨーロッパ。異端思想がガンガン火あぶりに処せられていた時代。主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学において、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。合理性を最も重んじるラファウにとってもそれは当然の選択であり、合理性に従っている限り世界は“チョロい”はずだった。しかし、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった――
命を捨てても曲げられない信念があるか? 世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか? アツい人間を描かせたら敵ナシの『ひゃくえむ。』魚豊が描く、歴史上最もアツい人々の物語!! ページを捲るたび血が沸き立つのを感じるはず。面白い漫画を読む喜びに打ち震えろ!!
【編集担当からのおすすめ情報】
読み終わって「やべえな」と小さく息を吐いて、TwitterやLINEで知り合いに「これ読んだ? やばくない?」って伝えるような漫画があると思うんですが、この漫画はそれです。ぜひそうしていただけますと幸いです。
感想・レビュー・書評
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主人公は誰かと聞かれたら、地動説とこたえることになるのかな。
天動説が絶対的であった時代に、どんな拷問を受けても地動説を密かに守り、意思を曲げなかった者達の歴史。
本当に壮絶な物語。
この人々の信念はなんなのだろう…
学校司書仲間でも話題になった漫画。
学校の許可を得て蔵書にしている学校図書館もある。
動画世代に活字を読め読め言ってもねー。
今年度図書館を担当して下さる先生方は皆さん平成生まれ。
漫画は日本の文化で育った世代です。
ということで、この『チ。』シリーズを許可を得て蔵書に加えた。
しかしのっけから拷問シーン…しーん
なので、表紙に「閲覧注意 残酷なシーンがあります」とシールを貼っている。
生徒は知的好奇心が高く、拷問シーンにも怯まずに借りていく…でも借りていくのがほぼ男子というのは何故だろう…。
他にも鉄板の手塚治虫の漫画や、『はだしのゲン』、『あさきゆめみし』『ペリリュー楽園のゲルニカ』
学校カウンセラーさん推薦の『リエゾン』や先生リクエストの『3月のライオン』などもある。
2024.8詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
地動説を巡る歴史的スペクタクル。
読んでみて、本当に面白いと思った。
宗教や社会的枠組みと、何かを知りたいという知識への渇望。科学的態度とは何か、信仰とはなにか、常識とは何か、人に託すとは何か、人の生きる姿勢を問う作品。
地動説に纏わるフィクションだが、リアリティのある物語に、感動を覚える。
自分の世界観に捉われずに、真実を追求することの困難と勇気を描ききる。 -
最後まで読んでから表紙を見ると、なるほど、となりました。ネタバレになるので多くは書けませんが、人間の抱く知への貪欲さが美しく思えます。かの有名なフェルマーの最終定理だってきっとそう。色々な人の手に渡って多くの知を得て導き出された解はそれだけでロマンを感じてしまう。数字の先に愛がある、なんて思いました。
ところで。
既存の知識に異を唱える、って普通に考えて中々出来ないこと(そもそも気付けない)だなぁ…なんて。また、今まで当たり前に思っていたことを違うと言われることに対しての恐怖(平穏だと思っていたフツウが崩れることへの恐ろしさ←この辺りは伊藤計劃氏の虐殺器官にもあったなぁと。追記ですが)もわかるので、異端審問官の気持ちもなんとなく分かるんですよね…
うーん。
深くて、とても面白い作品でした。年の最後に良い作品に出会えて良かった。続きが気になります。 -
問題は「グロテスク」で始まることなんですね。仲良しの小学生でマンガが大好きな少女も「ゴーモンシーンがいや!」といってほりだしました。
読みすすめると、結構ピュアで、これはなかなかな作品だと思うのですが、まあ、それにしても、なぜ「ゴーモンシーン」をお描きになるのでしょうね。リアルの追求ということなのでしょうか。漫画家さんの好みということでしょうか。
まあ、それにしても当分読み続けそうですね。
ブログにも感想書きました。よろしければどうぞ。「ゴジラ老人」で探してみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202110090000/ -
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キリスト教書店大賞にもぜひ推したい! 『チ。―地球の運動について―』 : 書籍 : クリスチャントゥデイ
https://www.chris...キリスト教書店大賞にもぜひ推したい! 『チ。―地球の運動について―』 : 書籍 : クリスチャントゥデイ
https://www.christiantoday.co.jp/articles/31035/20220607/chi.htm2022/06/14 -
「チ。」待望のアニメ化 作者「感慨深い」 制作会社との思わぬ接点:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/artic...「チ。」待望のアニメ化 作者「感慨深い」 制作会社との思わぬ接点:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASQ6S638ZQ6SUCVL02Z.html2022/06/28
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地、知、智、血、値
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(ネタバレを含む)
まず、絵が良い。すごく見やすい。キャラも差別化されててわかりやすい。表情の描写なんかも良い。
次にテーマが面白い。歴史の授業で地動説を唱えた者が異端者として処刑されたのは習ったが、それは教科書ではほんの一文でさらっと説明されていた。そこにあったストーリーを題材としているのがすごく興味深く面白い。
また話の構成も良い。神童と呼ばれた少年は宇宙に魅了され、地動説を唱える異端者に刺激されることによって、安定した神学の道を逸れ、自らも孤独な天文学の道を歩む。父の密告により異端者として捉えられたが、地動説を否定せず自害し、その研究資料を天動説派から隠し通す。それを次の天文学者が見つけ、物語は次の章へとバトンを渡す。
哲学的な漫画だが、非常に読みやすく考えさせられることが多くある。物語の続きが早く見たくなるような漫画で、他のまだ読んでない人にもおすすめしたい。 -
なんだろう。本当に今の時代に生まれてきてよかったなと言う安心感と、才能ある人たちが潰されててきたやるせなさがすごい。
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久しぶりに本当に面白いマンガを読んだ。この漫画は昨今の人気バトル・アクション漫画よりもインパクトに欠ける「地動説」がテーマであったが、そんなことは気にならないくらい内容が面白い。この作品のおもしろさは"funny"ではなく、"interesting" だろう。止められない人間の知性の底力を描いた作品。