チ。―地球の運動について― (2) (BIG SPIRITS COMICS)

著者 :
  • 小学館
4.07
  • (88)
  • (115)
  • (52)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 1812
感想 : 50
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098608010

作品紹介・あらすじ

私達はこの世界に絶望すべきなのか――?

地動説を生き延びさせるために、神童ラファウが自ら命を絶ってから10年が経った。代闘士として殺人を繰り返す超ネガティブ思考の青年・オクジーは、同僚の超ポジティブ思考の男・グラスに「絶対の信頼がおける『希望』を見つけた」と告げられる。そしてグラスが取り出したのは、「火星」の観測記録だった――
あらかじめ絶望しておけばそれ以下の悲しみも苦しみもない。ならばこの世界に絶望しておくのが正解なんだろうか? いや、そんなことはない。 まったく違う。その理由はこの漫画に描いてある。



【編集担当からのおすすめ情報】
第1集に寄せていただいた岩明均さんのコメントを全文掲載します。これでわかるかと思います。

まぎれもない才能を感じる。作者は思慮深い、親切な"案内人"に違いあるまい。そして「歴史」という、すでに答えの出ているはずの世界。なのだけど、あれ・・・・・・? 読者(われわれ)は一体どこに、連れていかれてしまうのかな?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  グロテスクな絵柄にめげず、続けて読んでます。マンガに対してこういうのも変ですが、論旨は案外純朴だし、いわゆる理系的知識も、文系的歴史把握もオーソドックスで、漫画的メチャクチャではありません。
     このマンガ家さん、どっちかというと、「まじめな(?)」方なんじゃないでしょうか(笑)。
     ブログにも、やや詳しめで、あほらしい感想書いてます。そちらもよろしく。
      https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202111120000/

  • 登場人物がじっくり描かれ始める。まずはこの物語の今現在の価値観、世界観を描き、登場人物がどのような価値観の持ち主か、しっかりと固めてくる。そして、その中で地動説を信じる人たちがどのような意識で学問をしてきたかが、伝わってくる。これは今の学問にも通じることではないだろうか。

  • 前半は下層階級である2人の代闘士オグジーとグラスの会話。片方が火星が不規則な動きをしていることに気が付く。

    二人はある日、ノヴァクの依頼で、異端者輸送の仕事を請け負う。輸送中、異端者は観測記録の入った石の箱のことを二人に伝える。二人は石箱に向かうが、ノヴァクに気づかれ戦闘になる。

    辛くも追跡を振りほどき石箱に到着。しかし片方は崖から落ちて死ぬ。

    第10話は副助祭バデーニの話。彼は地動説を研究したために、異端者として片目を焼かれていたのだ。そこに火星の観察記録を持ったオグジーが訪ねてくる。二人は地動説のほうが合理的だと考える。

  • 「2000年前アテナイの老人が毒杯を呷った惨事から今の哲学が生まれた。」
    「1500年前ナザレの青年が十字に磔られた無念が今のC 教を形作った。」
    「人は悲劇を肥やしに、時に新たな希望を生み出す。」

    ・代闘屋の青年オクジーは現世は天国か地獄に行く前の仮初めの場所、希望は天国にしかないとこの世に絶望しか持っていなかった
     護送の罪人そして同僚のグラスの最後の顔に託された願いを繋げることを決意させる。

    〇絶望の宇宙の恐ろしさ。
     希望を抱いた宇宙の美しさ。
     人々を惑わす星。

  • 新たな探究者のもとに、地動説が引き継がれました。

    地球は神がつくった特別な存在で、その周りを天体が動いていると考えられていた時代に、異端・禁忌である地動説に触れて、「天界は崇高で荘厳で偉大で広大で、そして地球と調和している」と感動する聖職者の姿は印象的です。

    一方で、ネットには「地動説は数理的な理論の一つとして協会も理解していた面がある」という記述も見られ(それが正しいかどうかはわかりませんが)、本書で描かれているように地動説=異端・悪魔の手先ということで片端から火あぶりにされる、ということではなかったのかも? という気もします。
    C教(キリスト教)を、旧来の考え方に凝り固まった「悪」として描いた方がストーリーとしてはわかりやすいですが、歴史的な事実をどこまで反映させたものなのか、というところは検証が必要かもしれません。

  • ただの地学に終わらない。
    穢れた地球から美しい宇宙を見上げるなんて愚だ、との信仰に寄りかかり真理に目を向けない者達が空を邪魔する目に。視覚的な表現力に圧倒された。

  • そもそも惑星(=プラネット)という言葉が、「惑う人(=プラネーテス)」からきているということを初めて知った。

  • 全く面白さが落ちない2巻。タイトルの「チ。」とは「地」と「知」をかけているのだろうか。真実を知ることにはあまりにも重い代償を払わなければならない。C教に反して宇宙の真実を追い求めることは異端だけれど、登場人物たちはみなその思想を絶やすまいとする。火炙りになる、目を焼かれる、拷問を受ける…そんな身体的苦痛をものともせず探求し続けた人たちのおかげで、今の常識があるのだろうなぁ。夜空をゆっくり眺めたくなりました。

  • うおおお、恐ろしい。価値観がゆらぐ。地動説は神の教えに背くのに、神々しく見えるから凄い。

  • 1巻のラファウからバトンを託された形となる、第2巻。

    相変わらず暗い時代を感じさせるのは、この巻の主人公であるグラスとオクジーが代闘士という職業をしているから。

    この「穢れた地球、私たち」から「美しいもの、宇宙」そして「実は地球と私たち自身の生も美しい」という転換を示す漫画なのだと思う。

    特にこの巻では、P.82の第2章の始まりとなる「地」と「チ」がかけられて登場する見開きの展開力が秀逸。

全50件中 1 - 10件を表示

魚豊の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×