チ。―地球の運動について― (2) (BIG SPIRITS COMICS)
- 小学館 (2021年1月12日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098608010
作品紹介・あらすじ
私達はこの世界に絶望すべきなのか――?
地動説を生き延びさせるために、神童ラファウが自ら命を絶ってから10年が経った。代闘士として殺人を繰り返す超ネガティブ思考の青年・オクジーは、同僚の超ポジティブ思考の男・グラスに「絶対の信頼がおける『希望』を見つけた」と告げられる。そしてグラスが取り出したのは、「火星」の観測記録だった――
あらかじめ絶望しておけばそれ以下の悲しみも苦しみもない。ならばこの世界に絶望しておくのが正解なんだろうか? いや、そんなことはない。 まったく違う。その理由はこの漫画に描いてある。
【編集担当からのおすすめ情報】
第1集に寄せていただいた岩明均さんのコメントを全文掲載します。これでわかるかと思います。
まぎれもない才能を感じる。作者は思慮深い、親切な"案内人"に違いあるまい。そして「歴史」という、すでに答えの出ているはずの世界。なのだけど、あれ・・・・・・? 読者(われわれ)は一体どこに、連れていかれてしまうのかな?
感想・レビュー・書評
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グロテスクな絵柄にめげず、続けて読んでます。マンガに対してこういうのも変ですが、論旨は案外純朴だし、いわゆる理系的知識も、文系的歴史把握もオーソドックスで、漫画的メチャクチャではありません。
このマンガ家さん、どっちかというと、「まじめな(?)」方なんじゃないでしょうか(笑)。
ブログにも、やや詳しめで、あほらしい感想書いてます。そちらもよろしく。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202111120000/詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物がじっくり描かれ始める。まずはこの物語の今現在の価値観、世界観を描き、登場人物がどのような価値観の持ち主か、しっかりと固めてくる。そして、その中で地動説を信じる人たちがどのような意識で学問をしてきたかが、伝わってくる。これは今の学問にも通じることではないだろうか。
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そもそも惑星(=プラネット)という言葉が、「惑う人(=プラネーテス)」からきているということを初めて知った。
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全く面白さが落ちない2巻。タイトルの「チ。」とは「地」と「知」をかけているのだろうか。真実を知ることにはあまりにも重い代償を払わなければならない。C教に反して宇宙の真実を追い求めることは異端だけれど、登場人物たちはみなその思想を絶やすまいとする。火炙りになる、目を焼かれる、拷問を受ける…そんな身体的苦痛をものともせず探求し続けた人たちのおかげで、今の常識があるのだろうなぁ。夜空をゆっくり眺めたくなりました。
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うおおお、恐ろしい。価値観がゆらぐ。地動説は神の教えに背くのに、神々しく見えるから凄い。
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1巻のラファウからバトンを託された形となる、第2巻。
相変わらず暗い時代を感じさせるのは、この巻の主人公であるグラスとオクジーが代闘士という職業をしているから。
この「穢れた地球、私たち」から「美しいもの、宇宙」そして「実は地球と私たち自身の生も美しい」という転換を示す漫画なのだと思う。
特にこの巻では、P.82の第2章の始まりとなる「地」と「チ」がかけられて登場する見開きの展開力が秀逸。 -
希望になりうるものはなにか?
至言です。思わずメモとってしまいました。