阿・吽 (13) (ビッグスピリッツCSP)

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  • 小学館 (2021年2月12日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ) / ISBN・EAN: 9784098608362

作品紹介・あらすじ

空海と最澄の関係が徐々に崩れ始める・・・

その豊富な知識が
大きな魅力となり
朝廷内にも
ファンを増やしていく空海。

彼の魅力は
最澄の「信頼」していた
弟子・泰範さえも
魅了してしまう。

一方九州、東北へと
旅をする最澄は
より深く天台法華の世界に
入っていく。

そんな彼を東北で
待っていたのは
法相宗の僧・徳一が作り上げた
完璧な「しあわせ」の
帝国だった…

揺らぐか!? 最澄…


【編集担当からのおすすめ情報】
既刊単行本、続々重版出来!!
大人気連載、最新集!!

その圧倒的な迫力に息を飲まずにはいられない。
空海と最澄の交流を描いた、ヒストリカルロマン!

今集では空海さえも危惧する、妖しき僧が最澄と対峙し・・・?

唯一無二の二人の関係に少しずつ不穏な気配が・・・

最新集、お楽しみください。

感想・レビュー・書評

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  • 気がつけば、鎮護国家を支える空海と虐げられた民に寄り添う最澄というように2人の道は交わることなく別れていきます。天台には時代が求める密教がなく、さらに最澄には時間もない。最澄の歩む道の先には苛酷さしか見えません。

  • 平安京では日照りが続いて人々が困窮しており、橘嘉智子は心を痛めている。嵯峨天皇は空海を呼び出し、雨乞いの祈祷を依頼。ここで神泉苑の雨乞い対決!

    神泉苑は今もあります。私はつい先月も行ってきましたが(二回目)、何度行っても、京都の町中に突然巨大な池が広がる光景には感動してしまう。私にとってはパワースポット。

    さてそんな神泉苑で有名なのが、<天長元年(824年)に西寺の守敏と東寺の空海が祈雨の法を競い、天竺の無熱池から善女竜王を勧請し空海が勝利した(Wiki)>というエピソード。

    しかし本作の空海は、日頃超能力まがいのあれこれをしているけれど、この雨乞いでは現実的な対処法をとり(雨雲は西からくるので弟子に情勢を探らせる)勝利する。善女竜王を勧請はしない。西寺の守敏との対決というエンタメ(庶民に対する娯楽の提供と朝廷権力のアピール)をお膳立てした嵯峨天皇&藤原冬嗣の思惑まで見抜いた上で、それに乗っかる空海は、政治的なセンスもある。そこが破天荒に見えて柔軟な空海の強み。真面目一途な最澄よりも空海のほうが世渡り上手なのですよね。ご褒美として空海は高野山を貰う。

    そのころ最澄は、布教を兼ねて諸国行脚の旅に出ている。この旅がほぼホラー。まずは西にむかうと、2巻で最澄を苦しめたサイコパス殺人鬼野郎と再会。彼は美しい妻と大勢の子に囲まれ最澄と弟子たちをもてなすが、実は彼らはすべて亡霊。妻も子もすべて彼に殺された被害者だった。

    東では会津で法相宗の徳一と再会。こちらはこちらで、『ミッドサマー』的な怖さ。その集落ではかつての蝦夷征伐で大勢の男手を奪われ、残された女子供老人たちは山の熊や豺狼の餌食になり大変な目にあったため、坂上田村麻呂を憎んでいる。そこへ徳一が弟子たちを連れてやってきて村の開拓に手を貸したため、人々は徳一菩薩と崇めている。しかし村人たちは、若い娘を毒見で死なせることも、熊や豺狼に襲われないために生贄を差し出すことも当たり前の生活を続けていて…。

    法相宗は救われる人間と救われない人間を選別する。すべての人が平等に救われる天台の教えを信奉する最澄と、徳一は相容れない。最澄は憤り苦しむ。仏教とは何か(仏教に限らず宗教とは何か)という根源的な問い。

    空海は徳一のせいで最澄が苦しむことまで見越して心配していたがその通りになってしまった。空海は最澄が大好きだし、自分を頼ってほしい。最澄が泰範に書いた「戻って来てほしい」という手紙を読んで、彼の言う「我(あ)を見ろ」の一言が切ない…。

    自分なら、空海と最澄のどっちの弟子になりたいかなあと考えてみるに、少年漫画のヒーロー味のある空海についていったら、そりゃワクワクして楽しいかもしれないけれど、個人的にはいつも苦悩してる文学青年みたいな最澄さまのほうを「支えてあげたい!」みたいな気持ちになってしまう。空海は自分の好奇心の赴くままに行動しているけれど、最澄は本心から「すべての人々を救いたい」という目的があり、そのための最善を尽くそうとしている。そりゃしんどいよなと思う。まずは彼自身が救われてほしい。空海、救ってあげて!という気持ち。

  • 徳一さんお久、と思ったら東北でミッドサマーやってて最澄さま激おこ(言い方)。「麁食者」って最澄さまらしくない、かなりの罵倒だなと思いました。
    空海さまも「徳一と会うな」ってすごく心配してたのに……これで寿命も更に削っててつらい。


    おかざき先生が阿・吽を作ったきっかけの書についてふれられていて興味深いです。

  • 火の持つ神聖な力とエンタテイメント的側面の二面性を巧みに操ったり、科学的(今風の言葉で言うと)に奇跡を起こして(雨乞いで雨を見事に降らす)着実に勝利を得る空海上人。カリスマ性や権力を、うまく利用して、真の目的である密教を極めようとしている姿が、大胆で、ちゃっかりもしていて、それでいて繊細で緻密で魅力的だ。清濁を巧みに調合して、高みへ、時には、海底へ、極限の果てに辿り着こうとする。最澄上人は、清濁を調合したりしない。人間の醜さや残酷さや弱さを、丁寧に受け取り、丁寧に苦しみ、吟味し、そして、それを信仰心によって、丁寧に克服していこうとする。そんな最澄上人もとても美しい。早くも次の巻が待ち遠しい!

  • 因果律は道徳の顔をした物語
    なんて素敵な表現

  • さっき読み終えた。
    言葉の威力の表現の仕方が好き

  • 親鸞と空海の理想と相容れない関係が実にもどかしい
    いよいよ佳境になった二人の行方が楽しみな次巻を待っている

  • 雨乞いの対決に引っ張り出され、天気は西から来ると知っていたことで使者を派遣し情報を得て、合理的に勝ちを得た空海。こんなことをさせてしまって済まない、けど勝ってくれてありがとう、とわかった上でのことを示しつつ空海に謝る帝。一方の最澄は、中国地方、東北地方と行脚を重ねるが、空海の危惧したとおりに、徳一と対峙してしまうことに。すべてのものが救われるという立場の最澄と、救われるべきもののみが救われる、最澄の言うことなど欺瞞に過ぎないと切って捨てる徳一との、最澄の寿命を縮めて、本来の事業の実現を妨げてたと思われる対峙。そして最後は、理珠経の借用依頼、泰範への帰還依頼に端を発した、強烈な返書がしたためられるシーンにて結ばれる。我(あ)を見よ!という強いメッセージを描きつつ。

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著者プロフィール

1967年長野生まれ。関西育ち。多摩美術大学卒業、博報堂制作局入社。デザイナー、CMプランナーの仕事に携わりながら漫画家デビュー。2000年、結婚を機に退社。現在3児の母。代表作に『渋谷区円山町』(集英社)、『サプリ』『&—アンド—』(ともに祥伝社)など。

「2012年 『だって、女子だもん!! 雨宮まみ対談集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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