- Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098611744
作品紹介・あらすじ
揺らぐ日本国で…青年はいかなる存在か?
昭和になって6年目の秋。
天皇である裕仁(ひろひと)青年の承認を得ることなく、
大陸で始まった陸軍--「関東軍」の暴走。
「満洲の地に新しい"国"を作る」
にわかには信じがたい計画が、真剣に実行されようとしていた。
交錯する情報。その検証も困難な時代。
国際社会での立場もますます危うくなってゆく中で、
信用に足る人物は誰なのか…!?
それでも。決断せねばならない。
なぜなら青年は、「天皇」なのだから…!!
【編集担当からのおすすめ情報】
約80年前に「歴史」となった人々。
それぞれに功罪と呼ばれるものがある中で、
その時代を生きた人間は何を選択し、何を行い、
あるいは何に失望し、何を間違ったのか--?
石原莞爾。犬養毅。「ラストエンペラー」溥儀。リットン調査団…
歴史に名を残す者たちが次々と登場。
少しずつ歯止めが利かなくなってゆく時代を、丹念に描く最新刊です。
感想・レビュー・書評
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能條純一『昭和天皇物語 (9)』小学館。
昭和という激動の時代に若くして天皇となった裕仁の苦悩が描かれる。時代と共に皇室の形は大きく変わったが、国民の模範であろうとする天皇は変わることが無いようだ。天皇、政府、陸軍とそれぞれが相容れない願望と信念で異なる道を模索する。若き天皇の下した決断は……
昭和6年。中国大陸で日本の陸軍『関東軍』が暴走し、溥儀を担ぎ上げ、満州国の建国を画策する。陸軍の暴走を食い止めようと決断を下した天皇だったが……
最近の皇族の結婚騒動を見ると、皇室というよりも宮内庁のインテリジェンスの質の低下が招いた騒動であるように見える。皇族の結婚相手の本質も見極められない宮内庁の体たらくぶりには呆れ返るばかりだ。
定価750円
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苦悩が伝わってくる一冊でした
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朝鮮派遣軍の独断越境問題から五・一五事件前夜までを描く。若槻内閣は、満州事変における朝鮮派遣軍の独断越境を事後承認し、特別軍事費の支出を容認する。天皇は、特別軍事費の支出を裁可しつつ爾後の軍の独断専行を戒めるが、犬養内閣成立後関東軍はまたしても謀略を以て上海事変を惹き起こした。天皇は上海派遣軍の白川大将に厳命して事態収拾後の停戦を実現するが、国際連盟からのリットン調査団派遣を前に関東軍は満州国を建国してしまう。内憂外患の解決をめぐっては、立憲主義を遵奉する昭和天皇と天皇親政を主張する秩父宮雍仁親王との対立が深まり、「国家革新」による解決を訴える勢力も直接行動を志向し始める。日本全体が混迷の度を深め、各人がそれぞれの信念に従いながら思わぬ悲劇へと収斂していくのである。今後も安藤輝三大尉の動向を看守りたい。
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う~んもし5.15事変でチャップリンが巻き込まれていたら事変の様相は変わっていたかもしれない( ̄▽ ̄;)
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満州事変から満州国の成立まで、
天皇裕仁の立憲君主としての
苦悩を描いている。 -
5.15事件にチャップリンが関係あったとは!ラストエンペラーも登場し、ますます目が離せなくなってきた。
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軍部独走に翻弄される裕仁天皇の悲哀が伝わります。天皇親政を頑なに拒否する心の内は?
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天皇の立場の難しさと露骨なまでの軽視。
様々な角度で登場人物たちの想いが入り交じり、早い展開だった。
当時の物騒な世相も反映され、イメージしやすい。 -
世の中が戦乱に向かうのを、制度に縛られるなかで止めたいがどうにもならない天皇の苦悩。
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<目次>
略
<内容>
満州事変後から五・一五事件前夜まで。