- 本 ・マンガ (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098612093
作品紹介・あらすじ
食う者食われる者、入り乱れての最終局面!
「オレンジパルム」に住む受給者達を支配する石橋の暴挙はさらにエスカレート。
暴行を受け、ホームレス状態である角間の「安全」を確保するため、生活保護ケースワーカー・義経えみるは住居探しに奔走するがーー
累計100万部(紙+電子)突破!
“生活保護”ケースワーカー奮闘劇、最新刊。
住まいと貧困の関係に迫る“貧困ビジネス編”最終局面へ!!
【編集担当からのおすすめ情報】
連載中の「週刊スピリッツ」でも大反響の“貧困ビジネス編”。
コロナ禍によっていっそう露わになった「住まいの貧困」を真っ正面から描き続け、最新11集では食う者・食われる者それぞれの物語は終局へと向かいます。
生活保護のリアルに触れる衝撃の社会派コミックを是非ご一読ください!
感想・レビュー・書評
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生活保護受給者を食い物にする「貧困ビジネス」編。
何故こんなに大長編(3巻以上)になったのか?
連載も2年以上続いている。取材を丁寧にしたとしてもし過ぎじゃないの?‥‥いや、おそらく、し過ぎじゃない。
たった1人の路上生活者を救うだけでも、主人公たちケースワーカーだけではやっていけないことが、説得力もって描かれてきた。今回のような暴力団組織が絡んできそうな場合は、偶然を使って警察事案を避ける展開にしながらも、ものすごくリアルに作っているのがよく分かる。ケースは、初期の頃より遥かにリアルだ。
これを読みながら、私はあるケースのある「知人」の運命のことを思い出した。最終的には彼は路上生活を抜けて、その上で入院して亡くなったと聞いた。でもあの時もっと何かできたのではないか?
お金は渡せない、と言うと、
「大丈夫、大丈夫」と言いながら
部屋にあったシュガーの袋をごっそりもって帰った彼。
あの時酒屋の手伝いをしていると言っていたけど、あれは「貧困ビジネス」だったのではないか?あの虫歯だらけの笑顔の裏側に何があったのか?たとえ「貧困ビジネス」でなくても他に手立てはなかったのか?
義経さんは、一時避難の住居を探すため角間さんの「同意」をとるのさえ困難(あまりにも無口)な状態から、角間さんに寄り添い一歩抜け出す。または、「厚生」のための一歩も「信頼」を勝ち取って引き出す。その様に「本来の」ケースワーカーは、「様々な福祉の手段」と「様々な事情のある個人」を取り持つための「専門家」なのである。私はその専門家にはなれないけど、その存在を知ること、また角間さんのような「様々な事情」があることを知ることは大切なのだろう。
最終ページにずらっと並んだ取材者の面々は圧巻。NPO法人や社会福祉法人の数の多さ。こんなにも多くの団体が穴だらけのセーフティネットを支えている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
住まいと貧困の関係に迫る貧困ビジネス編。
コロナ禍で緊急事態宣言に伴い、職を失う人や住居を失い、居場所のない人が急増している。
そして、今現在も生活に困窮する人々がいる。
ただ、どれだけ親身になって相談にのり、世話ができるか…
今回も生活保護ケースワーカーの義経えみるは、全力で困窮している者のために奔走する。
その人の性格をわかって一番最適な方向へと導くことが、とても大切だと感じるのだが、並大抵ではない。
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貧困ビジネス編の最終局面である。住まいの貧困が貧困ビジネスの温床になる。安全な住宅を提供するハウジングファーストは解決策になる。一方で杓子定規な公務員仕事が障害になる。
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貧困ビジネス編、まだ終わり切ってはいないけど、角間さんの件は活路が見えてきた。目には見えない、知的な障害は、今までの時代には作中に出てきたように、認めることで足枷になり、認めなきゃ認めないで足枷になる。難しい。
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貧困ビジネスの最終章。いつも弱い者が、食い物になる。ハウジングファーストや障害の問題など、一般的には認知の低い問題にも切り込み、次巻が楽しみである。
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今まで読んでいて一番苦しい巻だった。普段だったら避ける人種の人たちと仕事上で関わらざるを得ないストレスすごいだろうなぁ...。せめて身の安全を守るのに十分な給与を受け取っていて欲しい...
著者プロフィール
柏木ハルコの作品





