重版出来! (20) (ビッグ コミックス)

  • 小学館 (2023年8月9日発売)
4.29
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本棚登録 : 326
感想 : 31
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  • 本 ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098625413

作品紹介・あらすじ

出版業界チーム戦記、堂々完結!

描いて、刷って、売って、読んで、
もがいて、あがいて、諦めず、信じて、信じて、
――そこに見えた希望。

作者から読者まで。
漫画を取り巻く現在地を見つめ続けた大人気作、
堂々の完結!!!!

【編集担当からのおすすめ情報】
出版業界の現在地を見つめ、
そして未来を探しながら取材を続けて、
11年に及ぶ連載となりました。

誰のために描くのか。
何のために漫画はあるのか。

この作品『重版出来!』としての答えを
ぜひ一緒に感じてください!

感想・レビュー・書評

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  • 遂に最終巻。まだまだ読み続けたいなと寂しさは残るものの、初登場時は頑なだった伯君もアユちゃんも、随分成長したなぁと胸が熱い。今回はほんのりキュンとするようなエピソードもいくつかあり。各方面、一歩関係深められたかなと読んでいて口元ほころぶ一方で、色気より食い気の壬生・心コンビが相変わらず食べ物でキャッキャしていてかわいい。
    今回興味深く読んだのは「ディスクレシア」。活字を追うのが困難な人にも作品を楽しめるよう知恵を巡らす…こういった取り組みを知ると、まだまだ出版界は沢山の可能性を秘めていると感じさせられる。
    全20巻、常に本を取りまく様々なテーマを取りあげ続けてきた本作。その都度考えさせられ、目から鱗を落としながら、心を震わせながら読んできた。以前からの松田奈緒子作品読者であった私は、どストレートに熱い作風への変化に驚いたところもあったけど、クールでシビアな描写がたまに顔を覗かせるたびに松田さんらしさを感じて嬉しかった。
    とにかく、どのキャラも愛おしく、沢山登場するのにモブ感のない、生き生きとした人物像。これからもそれぞれに悩み迷いながらも歩いていくのだろう。スピンオフを楽しみにしつつも、まずはお疲れ様でしたと言いたいかな。心に響く物語を、ありがとうございました!

  • 11年の連載作品が遂に完結。

    ストーカー問題が解決して、黒沢さんの投げ技も炸裂したし
    殴る価値もない、という言葉が違うところで伯に響いたのが良い。

    合間合間の壬生さんと黒沢さんのグルメトークが可愛いしほっとする。

    ファンはいつでも味方だから、なりたい自分になって戻ってくればいい
    とわかちゃんに言ってくれる高畑先生。
    実際はそういうファンだけでもないだろうが
    とても励まされる言葉だろう。
    "偉い男の人たちは私に触る。スーパーでりんごを手にするようにわたしに触る。でも、高畑さんは、一回も私に触れなかった。
    美しい言葉だけをいつもくれて、わたしの心を支えてくれた。"
    というわかちゃんの言葉に共感する。
    高畑先生はだだっこみたいな時もあるけれど
    要所要所で本当に恰好良い。
    わかちゃんの「月が綺麗ですね」という伏線回収の告白がとても美しい。

    ディスレクシアだというまほちゃんが、自分で読みたい理由に
    「物語は一対一であるべきだと思う」と言うのがとても恰好良かった。
    確かに、漫画はオーディオドラマや映像化が現時点では尤も手っ取り早いだろう。
    しかしアニメだと血が怖くて見られないと言われたら、自分も小さい時そうだったし分かる。
    今すぐ一足飛びに行こうと無理矢理するのではなくて、必ずやってくる未来のために
    できる範囲でみんなで努力していこうという描き方が好きだ。
    読み上げ対応ができなくても、一部だけでも動画をあげてくれることで少しでも世界だ広がる。
    漫画は少ない人数で大きい世界を作り出していくという表現も好きだ。

    幸せになったら自分のためにを描けなくなるのかと問う伯。
    彼には幸せになって欲しいから不安だったけれど
    三蔵山先生なら変な答え方はしないだろうという安心感がある。
    幸せになったら他人のために描く。
    読者のために、ただ読者の幸せを願って描く。

    なんで他人のために書くんだ
    俺の苦しみを努力を知らない人たちのために。
    これまでの伯ならきっとこの思考まででストップし
    理解できないと切り捨てていたかもしれない。
    親のことを割り切れて、アユちゃんとの距離も縮まりやっと普通に世界に関わることを始めた伯。
    俺の苦しみも努力も、誰にもわからない
    それでいい。苦労や努力は自分だけのもので、
    成功はみんなのものなんだ。

    個人的には幸せであろうがなかろうが良い作品は生み出せると思いたいが
    兎に角伯がここまで来られたことが嬉しい。

    ここで物語が終わるのは正直寂しいし、ここまで作り上げられた世界観
    まだまだいろんなエピソードが読みたい気持ちもある。
    いくらでもエピソードが出てきそうにも思え、
    そう思わせるだけのリアルな舞台とキャラ設定が素晴らしい。

  • 完結おめでとうーー!!
    そうか、こんなラストか。

    時代も人も成長して変わっていくっていう
    未来を見せてもらえた気分。

    仕事嫌になったら、また読もう。
    こんな熱い気持ちで働けるように。

  • 1巻からイッキ読みしました。
    業界ネタ満載のエッセイチックな作品かと思っていたのですが、
    登場人物たちの物語がきちんとあって面白かったです。
    そして、主人公の心の成長物語でもあり、
    お仕事漫画としても非常に満足の作品でした。

  • ずっと待ってた最終巻。おめでとうありがとう。
    想像していたラストからもう1歩進んだところに着地した感じ。やっぱりすごい。
    ビーヴも中田さんも、取り巻く環境も恋愛もみんな最初のころとはだいぶ変わって、しみじみと良かった。
    そしてやっと解決したストーカーの件、ここにきて久しぶりに黒沢さんが柔道やってたことを思い出した笑
    このため?!笑

    編集者さんの大変な世界を見ることができたのも良かった。
    こんなに幅広く、作家さんのケアまで心配りをして本を作っているのは知らなかった。
    こういう仕事をこなせる人って人柄がいいだけじゃなく、愛や信念がある人なんだろうな。

    あとがきにあった、連載を終える気持ちは「象をかえす気持ち」という言葉がすごく素敵だった。
    大きくなって一人歩きする自分の作品との距離感。
    少し寂しいけどばいばい、ってほんとそうだよね。
    この作品を読むことができて本当に幸せでした。
    ありがとうございました。

  • 堂々完結!
    出版社や出版にまつわるエピソードの全てが興味深く、本好きにはたまらない。
    登場人物もみな魅力的で、たくさんの元気をもらいました。

  • 大団円の最終巻。仲田画伯の成長を見守り時に号泣したり、心配したりしてきたけど、きれいな終わりでした。ありがとう!!

  • 最高に面白かった。
    ここ数年のベスト。
    主人公が素直で賢くて強くてステキすぎる。
    ラストまで無駄なエピソードも一切なく、清々しい!
    オススメ!!

  • C726/マ/20

  • 終わってしまった…
    残念でもあり、満足でもあり…
    「じゅうはんしゅったい」の読み方を教えてもらいました。
    心ちゃんがヒロインから狂言回しに変わってしまっていたので、連載が終わることもやむなし…
    でも、紙本好き、本屋さん好きには大切な作品に。
    あゆちゃん、伯くんの青春が気になります♪
    五百旗頭さんのオトナの恋も応援しますよ(笑)

    さて、厳しい出版社事情も知らされ…
    わかっていながら、自分のフトコロ事情も大変化し、もっぱら図書館族なワタクシ…年間新刊購入額も一時期の1/10以下…
    でも、紙本をいつまでも応援していきます!
    心ちゃんと壬生さんが、いつまでも楽しくごはんが食べられますように(笑)

    良い作品、ありがとうございました!

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著者プロフィール

漫画家。1996年デビュー。『えへん、龍之介。』『花吐き乙女』など独特の感性が光る作品を多数発表。2016年春にドラマ化された『重版出来!』で一躍人気作家に。2016年、デビュー20周年を迎えた。

「2017年 『【特典付き】レタスバーガープリーズ.OK,OK! 完全版 【全3巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松田奈緒子の作品

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