本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・マンガ (192ページ) / ISBN・EAN: 9784098625420
作品紹介・あらすじ
まだ誰の眼中にもない真ヒーロー、フジイ!
職場では空気みたいな存在感の独身男性。
なのに、その生き方は破格の格好良さ!
コスパとかマウントとか承認欲求とか、そういうものの為に戦ってる人生が
なんだかどうでもよくなってくる…我々の価値観の外側で生きる男がここにいる!
前作『リボーンの棋士』で才能を炸裂させた鍋倉夫氏が新たに生み出した
令和のニューヒーロー「フジイ」が、
みんなが囚われている「幸せ」の概念ごと、爽快にぶち壊してゆく!
【編集担当からのおすすめ情報】
「喧嘩した友達と仲直りした。好きな人と両想いになれた。気がかりだった面接がうまくいった。そんな時--世界が輝いて見える」
「でも……そんな瞬間、長いこと経験してない」
第1話の冒頭、主人公の職場の後輩が心の中でつぶやくナレーションに
担当編集はいきなり横殴りにされました。
充実している人間と、そうでない人間とが一緒に暮らすこの世の中で
誰もが一度ふと考えてしまう、あるいは考えないようにしている
「いい大人が声に出して言いづらい感情」をバーストさせてくる
けっこうとんでもない漫画が誕生してしまいました。ぜひご一読を!
感想・レビュー・書評
-
とにかくフジイのキャラクターに、
目が離せなくなり4巻まで一気に読破。
これといってフジイが何か成し遂げるわけでもなく、多趣味だけど出来は微妙だし、
いつも貧乏くじばかり引いている気もする。
なぜこんな三白眼で無表情の中年男性に
ここまで惹きつけられるのか。。。
人の目も態度も気にせず自分を貫く高潔さ。
人に期待されないけど、
人に期待しない軽やかさ。
馴れ合うことを友達の定義とせず
無理してまで人に好かれようとしない頑固さ。
自分らしく生きることが難しいこの世の中で
他人に左右されないフジイが清々しく
その不器用さにほっこりさせられる。
他人をジャッジしないフジイに周りの人間も
知らずと心を開いていく。
読んでいるこちら側も心がほどかれた読後感だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物たちの感情が、日頃、ふっと感じる自分の感情とリンクして、同じ気持ち!と思ったときに、近くにフジイさんみたいな人がいたら癒される。
でも、フジイさんみたいな人、いるのかな? -
かなりいい
人生の豊かさを教えてくれる
つまらない人生だ、という人は視野が狭い
この作者とは感性があいそうと思った
パーフェクトデイズが大好きなので
こういう孤独を愛し、幸福度が高い人間を
客観視したストーリー大好きなので鬼刺さり -
主人公の藤井さんは、昔だったら何の魅力も感じなかったタイプの主人公かも知れない。だけど40歳をすぎた自分には本当に魅力的に感じた。
今の自分のテーマは、いかに自意識を小さく、人からどう見られたいかではなく、自分が今何をしたいのかを重視して生きることだ。
そういう目標を持っていたところに、ちょうど現れたのが藤井さん。彼は本当に素直に生きている。人にどう思われるかではなく、自分がしたいことは何なのかに正直だ。
藤井さんという人間を表現する上で、作者には藤井さんを通な人にしなかったことはとても重要なことだと思う。全く社交的でないにも関わらず、とてもミーハーなところがあるのだ。
立ち寄ったレストランで流れてきた若者向けの流行りの曲が素敵だと思えばそのCDを買い求め1人でコンサートに行ってしまう。街を歩いていて皆が自由に踊っているのを見れば、なんとなくそれに混じって自分も踊ってしまう。
このミーハーさも、少し前の自分であれば共感できずむしろ嫌悪していたかもしれないが、今の自分はこの藤井さんの姿にかっこよさを感じてしまう。
通ぶりたい人には、多かれ少なかれ自分が本当の価値の分かる人間であるという思いたいという自意識が働いているが、藤井さんにはその未熟な自意識がないのがかっこいいのだ。
社会で生きていると、どうしても周りの様々な価値観に毒されて影響されて、自分の自意識、アイデンティティを意識し過ぎてしまうけれど、そのような時には本書を再読して、ニュートラルな自分に戻りたいと感じた。
P.S.
そうは言っても、藤井さんの大学時代の淡い恋の話は切なかったな。なんかすごくよく分かるんだよな。自分だけでなく他の人も、藤井さんの中に何か自分と共通したものを感じてしまうのだろうな。
-
凄く良かった。
無理して他人と繋がろうとせず、世間体や他者との比較、見栄、優劣、マウント、過剰な承認欲求とは無縁、自分は自分、他人は他人の境界をキチッと分ける事が出来る。なんて格好いいんだ!
物語を見ていると、多くの人が自分軸ではなく他者軸に振り回されている事を知ることが出来る。そこに不幸の原因があるように思える。
印象的な場面は、藤井をつまらない人間だと見下していた田中が、そういう風に感じるのは自分(田中)がつまらない人間だからだ、と気づくシーン。その通りだ。田中の目から涙。泣く気持ちが分かる。自分を必要以上に飾らない、馬鹿にされてもありのままで堂々としている姿勢に心が打たれたに違いない。
私も以前、ある習い事をしていて、制作過程を楽しみ、あまり上手とは言えないが自分の作品を恥ずかしがらずに堂々と皆に披露し、淡々と自分に任せられた係に取り組んでいる方に遭遇した時に、このお方はなんて素敵な方なんだろう、という感慨に陥った事がある。先んじて藤井をやっていたのでしょうか。
私もそういう人物になりたい。
当初、藤井の黒目がうわ瞼に常時くっついている事に不気味さを感じていたが、もうそんなことは全く気にならない。藤井を追い続けます。目が離せない。
-
幸せとな何なのかを考えるのに、面白い漫画と出会えました。他人目線ではなく、自分目線でものごとを楽しむことができる日々。自分がどんな人間なのかをそれなりに自覚していて、それを受け入れながら、手の届く範囲を楽しむ日々。傍から見たら、変わってるように見えるんでしょうね。でも、同時に「自分をしっかりともっている」うらやましさ。「周りを自分なりの幸せで埋めることができている」うらやましさ。”かわっている”というのは、その他大勢の”幸せを感じることができない人々”から見たら、実は憧れなのかもね。
-
ジグゾーパズルは楽しく右脳左脳両方使う偉大な趣味です。
-
フジイさんみたいに誰の目も気にすることなく
自分の好きなことを好きなようにできる人生にしたい -
藤井さんの一言一言が突き刺さる。
社会人になり周りの評価や人の目ばかり気にしている自分へ喝を与えてくれた素晴らしい作品。
鍋倉夫の作品





