健康で文化的な最低限度の生活 (12) (ビッグ コミックス)

  • 小学館 (2023年8月30日発売)
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感想 : 16
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  • 本 ・マンガ (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098625482

作品紹介・あらすじ

東京に新たな危機が…驚天動地の新章開幕!

生活保護CW・義経えみるの勧めで療育手帳の取得、作業所での就労など、“再出発”に向け動き出す角間。 住まいの貧困に迫る“貧困ビジネス編”堂々完結!!

そしてーー 降りしきる雨、接近する台風。
この国が見えていない困窮が露わになる、驚天動地の新章開幕!

累計120万部(紙+電子)突破!
“生活保護”ケースワーカー奮闘劇、最新刊!

【編集担当からのおすすめ情報】
連載中の「週刊スピリッツ」でも大反響だった、住まいと貧困の関係に迫る“貧困ビジネス編”が遂に完結を迎えます。
さらに、12集からは新章開幕!新たな危機が台風と共に襲来します。
生活保護の真実に迫る、緊迫の社会派コミックを是非ご一読ください!

感想・レビュー・書評

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  • 貧困ビジネス編がとりあえず最終巻を迎えた。

    ふつうは貧困ビジネスから被害者を救い出したことで、ドラマや映画ではそれで終わりになる。けど、ケースワーカーの仕事は、そこから未だあるのである。「知的障害」の手帳を取得すれば、就労支援は義務ではなくなる、とは知らなかった。ただ、59歳からの取得はハードルは高い。角間さんの場合は、青森の児童養護施設の所長さんが幸いにも彼のことをよく覚えていた。当時は「知的障害」の認定をしない方が就職しやすいということで手帳を取らなかったらしい。7-8歳の知能で、今まで1人で犯罪にも手を染めず生きてきたことが判明する。角間さんはやっと人生をやり直す鳥羽口に立つ。「路上生活者の中には、精神障害や発達障害の疑いを持つ者、更には障害者手帳取得の可能性を持ちながら未診断の者がかなりの数存在する」(25p)らしい。私も、その疑いのある者を知っている。彼は最後は病室で亡くなったけど、彼の一生は果たして幸せだったのだろうか?

    このシリーズは必ず買うようにしている。最終ページに虫眼鏡を持って来ないと読めないくらいの、取材した全国のケースワーカー、NPO法人、社会福祉法人、その他様々な団体の「個人」への「謝辞」が記されていた。その真摯さに、そこから産み出される漫画に、いつも感動する。今回から「大水害」編に移ったため、多分作者は、真備の2018年大水害の取材に来ている。岡山旭東病院、まび記念病院、真備地域生活支援センター、真備支え合いセンター、真備連絡会、玉島協同病院などの文字も見つけた。つまりちゃんと「生の声」を聴いている。

    非常に大きな台風が、東京を直撃する。低気圧が海水を上に引っ張る。満潮時と重なった時には高潮になる。そうすると、海抜0メートル地帯は忽ちかなり広範囲に「水没する」(今まで東京がこうならなかったのが不思議なくらい)。漫画では、とりあえず今のところは一階は水没していた。次巻、荒川が決壊するらしい。「日常が水没し、隠れていた『現実』が露わに。これは絶望の夜明けか、それともー」と帯にある。次巻まで、また一年待たなくてはならない。

  • 義経えみるの勧めで療育手帳を取得することができ、再出発した角間。
    諦めない粘り強さに感服する。
    貧困ビジネス編の完結。

    台風接近の為、避難する人が続出するなか家から出れない、身動きすることができない人も…。
    災害が起こって見えてくる現実。
    どうなるのか、新章へ

  • 「断らない」 ある市役所の実践 - ETV特集 - NHK(初回放送日: 2023年9月16日)
    https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/K6LXV37WX7/

    貧困ビジネスに「搾取された人」判明した衝撃事実 漫画「健康で文化的な最低限度の生活」(第12集・第104話) | 健康で文化的な最低限度の生活 | 東洋経済オンライン
    https://toyokeizai.net/articles/-/698208

    『健康で文化的な最低限度の生活』 柏木ハルコ | ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)|小学館
    https://bigcomicbros.net/work/6205/

    健康で文化的な最低限度の生活 12 | 柏木ハルコ | 【試し読みあり】 – 小学館コミック
    https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784098625482

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    猫が読んだのは図書館に通っていたコロナ前、、、4巻くらいだったかな。。。

  • 新型コロナをしっかり話に組み込んでいる作品で首都水没が始まると心がザワザワする。きちんと備えなければ…。

  • 怖かった貧困ビジネス編が終わり、療育手帳の取得、裁判での証言。
    証言て仕返しとか考えたらかなり怖くて、そこまでしなきゃいけないのかと頭が下がる。

    今までは、いつ自分がなっても、と思いつつもどこか他人事として読んでしまっていたが、台風による水害で避難生活をするというのは、かなりリアリティをもって自分事として迫り、違う意味で怖くなっている。
    日ごろの備えが大事と改めて思う。

    続刊楽しみだが、怖い。

  • 出所後の報復を思わせる手紙
    石間さんは障害の認定を受け生活就職

    台風で水没
    かつての支援者もちょいちょい出てくる
    引きこもりを心配する老人

  • 貧困ビジネス編ラスト。生活保護の仕事の裏側、大変さがわかる貴重なマンガ。

  • これで貧困ビジネス編は終わり、なのかなぁ?まだまだ不穏な場面はあるけれど...。(あの手紙もようは脅し、だよね...)台風&大規模水害。フィクションだけど起こり得ることなんだよね。ドキドキして読み進めた。

  • うっかり気付くと12巻が出ていた。1年半前のようだ。舞台はコロナ禍。知的障害者のホームレス問題、我々の調査も取り上げられていた。中高年の未把握の知的障害問題について丁寧に書かれている。後半は災害と引きこもり。次の卷に続く。

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著者プロフィール

柏木 ハルコ(かしわぎ はるこ)
1969年、千葉県生まれの漫画家。千葉県立東葛飾高等学校卒業、千葉大学園芸学部卒業。1995年『いぬ』でデビュー。
代表作に、2008年映画化された『ブラブラバンバン』、そして2018年7月からドラマ化された『健康で文化的な最低限度の生活』。

柏木ハルコの作品

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