妖怪村の三つ子たち (フラワーコミックス α)

  • 小学館 (2018年3月9日発売)
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本 ・マンガ (192ページ) / ISBN・EAN: 9784098700387

作品紹介・あらすじ

異才・梅サトの最新リリカルファンタジー!

妖怪村で生まれ育った ジル、ルイス、スコットの三つ子。

ほかの2人とは違い、妖怪としての特殊な能力を持たないジルは
会ったことのない自分たちの父親がどんな人物なのかを確かめるため
人間の町に向かおうと決心して・・・!?

妖怪三兄弟が繰り広げる、哀しい心をそっと包んでくれる愉快な
ファンタジック冒険譚!


作者は、デビューコミック「緑の罪代」が話題となった
月刊フラワーズ出身の異才・梅サト。

完成度の高い精緻な絵柄と、ペーソス溢れるストーリーで
珠玉作を贈り続ける 稀代の漫画家・梅サトの
最新コミックスがついに登場!!

表題作「妖怪村の三つ子たち」をはじめ、
すでに傑作だったデビュー作「竜巻の日」、
月刊フラワーズ掲載時圧倒的支持を受けた読み切り「亀の恩返し」、ほか
特別かきおろし短編「未来から来た同級生」など・・・
心に沁みる作品を集めた最新コミックスです。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙やあらすじではなく、むしろ、帯に購入意欲をそそられた
    月刊フラワーズが激推するのだから、相当に実力のある新人なのだろう、と期待しての事だ
    まぁ、読んで感じたのは、「・・・・・・そうか?」だった
    買って読んだ事を後悔するほどじゃないにしろ、他のグッと来た作品のような「大当たり」を引いた感もなかった
    つまらなくはないけど、凄ぇ面白い、と感じるほどじゃない
    ただ、月刊フラワーズが推すだけの、伸びしろは確かにあった
    あえて、同じ妖怪ものを描いている、佐藤さつき先生を例に挙げるが、潜在能力は同じくらいだろう
    その可能性が花開くか、は梅サト先生の努力も大事だろうけど、担当さんが如何に本気で応援できるか、一番のファンでいられるか、にかかっていそう。佐藤先生の方は、既に自分の殻を破りつつあるからな、梅サト先生も負けちゃいられない
    何故、私はこの『妖怪村の三つ子たち』にグッと来ないのか、ちょい考えた
    絵は下手じゃない。グラつきそうになっている読み手の心に、そっと寄り添おうとするストーリーの良さを、さりげなく引き出せる、優しさを感じる絵柄だ
    ストーリーもテンポが良く、読みやすい。連作も読み切りも、起承転結がしっかりしていて、梅サト先生が「これがいい」と信じるハッピーエンドに、ちゃんと着地させられている
    キャラも、とびっきり個性的と言えるほどではないにしろ、芯が通っていて、立っているな、と思えた
    ただ、総合的に考えると、物足りないな、って感覚が拭えない
    小説のコンクールに落選した私が言えた義理じゃないんだが、もうちょい、梅サト先生らしさっつーか、熱を感じたかった
    読み手に媚びろ、とは言わないけど、ちょっとナメすぎ? もっと、本気でぶん殴ってきてくれてもいいのに、痛がられて嫌われたらどうしよう、と怖がっているのか、本気を出せてないな、と思った、読み返して
    既刊の『緑の罪代』を読んでいないから、何とも言えないが、次回作では、もっと体重の乗ったパンチを繰り出してくれる事を期待している。もし、グッと来るものなら、こっちも全力で殴り返そう
    表題作の『妖怪村の三つ子たち』も、主役のジルが辛さを乗り越えて、大切な事に気付き、成長した、そんな心温まるストーリーで好感が持てたが、個人的に「いいな」と感じたのは、頑固で不器用な父と、彼のそっくりな娘との間に絆を、やけにフランクな亀のお節介が繋ぎ直す、ってシュールなストーリーの『亀の恩返し』だった
    人は手遅れだった、と後悔する。でも、自己嫌悪で曇った目を開ければ、自分の手の中には、まだ大切な物が残っていた、と気付けるのだろう。やれる事がある、と思うのなら、グダグダと悩んでないで、動いた方が良いってコトか。きっと、梅サト先生も、それに気付いたのかもしれないな、これを描く中で
    この台詞を引用に選んだのは、梅サト先生が見えた気がしたので。私は、そうでもなかったが、この言葉に救われ、一線を越えずに済んだ読み手が、一人くらいはいそうな気がする。人生、いつでも、トラブルや不幸ってのは、予期せぬタイミングでやってくる、しかも、立て続けに。あまりにもボロボロになると、自分はずっと不幸なんだ、と思ってしまうけど、そんな事ぁない。自分だって幸せになっていいはずだ、と思って行動しなきゃ、不幸のケツは蹴っ飛ばせない。幸せになっちゃいけない人なんて、この世にはいないんだから。とは言え、人の不幸の上に自分の幸福は築いちゃいけないんだけども

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