ポーの一族 青のパンドラ (1) (フラワーコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
3.98
  • (11)
  • (25)
  • (10)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 304
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098718894

作品紹介・あらすじ

アランの復活を望むエドガー!新章開幕! 消息を絶ったエドガーが姿を現した2016年、ミュンヘン。火災で消えたアランの復活を強く望むエドガーの前に現れたのは・・・!?一族の異端児・バリーは「自分ならできる」というが!?バリー、アーサー、ファルカ、そして大老ポー。次々とエドガーを巻き込み導き、これまで語られてこなかったポーの一族の過去が明らかになっていく衝撃の新章開幕!! 【編集担当からのおすすめ情報】 多くのファンが熱望してきたアラン復活へ大きく物語が動き始めました。エドガーとともに、知られざるポーの一族の歴史の渦に飛び込んでいきましょう。1話も見逃せない濃厚な新章です・・!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 帯で「新世紀ポーの一族」という言い方を始めている。
    2016年に突如始まった「ポーの一族」の物語は、ここに来て佳境を迎えている。「春の夢」において、大老ポーの再登場とファルカとブランカが登場し、「ユニコーン」においてバリーが登場、「秘密の花園」でアーサー氏とのいきさつが述べられた。そしてその人物たちが、ほぼ一堂に会したこの一巻である。アルゴスという大老ポーより長く生きている人物さえ、登場した。その他の脇役も、サルバトーレ・シルバー・クロエなど、一挙に登場して、遂に大老(キング)ポーが、その一族の始まりの物語を語り始める。

    総ては、エディス家での火事で死にかけているアラン(エドガーの相棒)を助けるために。

    私は、ポーの一族のことを「何かわけのわからない妖しい美少年たちが、美しさを保ったままに、ある悲しみを抱えたまま、時代を彷徨う」耽美な世界とは一欠片も思っていない。其処には「死なければならない人類」に対比して「永遠を薄氷を踏みながら彷徨う人類」との対比があり、人間は「誰とともに生きるのか」或いは「人間とは何か」という問いかけがあったと見ている。20世紀ポーの一族は、普通の人類から見たポーの一族の物語であり、新世紀ポーの一族は、ポーの一族から見たポーの一族の話なのかもしれない。

    今回、バージョンアップしながら、その根元に進もうとしているのではないか?
    「こんなの見たかったポーの一族じゃない」という方々は、40年間何か幻を見ていたのではないか?

    4000年以上生きていたにしては、2000年間生きていたにしては、あまりにも一族たちが愚かで人間臭いという違和感は、私も少しやりすぎだと思う。しかし、思い出して欲しい。ギリシャ神話からこの方、神はあまりにも愚かで人間ぽかった。人間の語る物語は、結局のところ、ギリシャ神話になり、シェイクスピアになり、古事記になるのである。

    まだ、「青のパンドラ」とは何か?
    なぜエドガーのみが例外だったのか?
    という最大の謎は、明らかになっていない。
    次は来年の今ごろだろうか。
    首を長くして推移を見守りたい。

  • ☆ の数を決めるのが、とても難しかった。
    購入してから、何度も読み返してる。
    次回作を首を長くして待ってます。
    アランが。。。!

  •  「ユニコーン」編からの直接の続編となる2016年、アランを復活させようとするエドガー。そして、そのすべを知るというバリー。彼はポーの一族から忌み嫌われている。そして大老ポーが現れ…
     
     大老ポーが語る己の出自と一族の由来。パンドラの壺、炎の剣なども登場し、目が離せない展開となってきたぞ。

  • 『ポーの一族 青のパンドラ』 萩尾望都 | 「月刊flowers」公式サイト|小学館
    https://flowers.shogakukan.co.jp/work/7104/

    ポーの一族 青のパンドラ 1 | 萩尾望都 – 小学館コミック
    https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784098718894

  • ・なんとアランが……! という、驚きというか嬉しさというか。
    ・「春の夢」「ユニコーン」「秘密の花園」に続いて「青のパンドラ」。
    「秘密の花園」では絵がどうかと思ったが、本作ではまあ気になるっちゃ気になるけどそこまでの気になりではなくなった。
    読む側が慣れたのか、描く側がデジタルに慣れたのか、は知らないが。
    ・大老(キング)ポーがここまで描かれるのは初めてのはず。
    かすみの向こうに朧気に描かれていたからこその神秘性が、かなり暴かれ、神秘度が下がる……。
    うーん、気になるところはいろいろあるが、でもそれでも、こういう話があってもいいじゃないとは思う。
    ・「シャイニング」に対する「ドクター・スリープ」は、賛否両論あれど、あってよいものだったし。

  • 「ユニコーン」収録の「私に触れるな」の続き、2016年より。いやぁ…すごい情報量!一読目は面食らう。スケールが大きくなる一方で、これをどう回収するのか予想がつかない。「ユニコーン」を読み返すと、あの人物この人物がこう繋がっていくのか…と驚いている。(相関図が欲しい)
    前回ほどにはデジタル作画に違和感を感じなくなってきた。むしろ、デジタルだからこその印象的なコマもあり。個人的にはこの2016年以降の、キリキリとした切迫感のある、シャープな顔立ちのエドガーに惹かれる。
    番外編「火曜日はダイエット」かわいらしいストーリーに和みます。
    それにしても、「エディス」の先が読めるなんてなぁ…と感慨深い。色々な意見はあるでしょうが、私はとても楽しみにしている。

  • おお、とうとうアランの運命が描かれるのか!四十年ぶりのまさかの再開から、待ちに待った展開が始まる。期待に胸は高鳴るばかり、だったのだが。

    うーんうーん。このモヤモヤはなんだろう。アランの再生をめぐって、物語は激しくめまぐるしく動く。その上、ポーの一族の始まりまで明かされて、キングポーや老ハンナの人間だった頃も登場する。(再び)うーん。これをわたしは読みたかっただろうか。知りたくないとまでは言えないけれど、知らなくても良かったような、いややっぱり知らないほうが良かったような。ポーの秘密はオボロにかすんだ向こうにあって、だからこそ惹きつけられてやまない不思議な力を放っていたと思うのだ。言うまでもなく、わたしにとっては、であるけれど。

    ポーを再び読めると知った時は本当に嬉しかった。十代の頃熱狂した作品の続きが読める幸せなんて、そうそうあるものではない。その気持ちは今も変わらない。次作を待ち望んでもいる。新しい物語が完結した時には全然違うことを言ってるかもしれない。それでも今は戸惑いのほうが大きいのよ。オールドファンのみなさん、いかがでしたか。

  • 21世紀の「ポーの一族」も5巻。20世紀も5巻。でも今度のお話「青のパンドラ」はまだ序盤みたいです。バンパネラの壮大な歴史が語られる、のか?

  • 不死の一族はいつどこで生まれ、現代まで生き続けているのか?
    紀元前からの歴史が語られます。
    寄生生物に宿主として選ばれた人々なのかな?
    同じ姿に擬態して近付けば、効率良く獲物を狩ることができる。
    記憶や知性も引き継げれば、より人間に似せることができる。
    血の神が宿り蘇ったアランはどうなってしまうのだろう?
    復活したのは嬉しいが不安しかない…。

  • 最初のシリーズを読んだ20世紀末には、21世紀前半にこういう展開が待っていようとは思いもよりませんでした。あの火事の後のエドガー、アラン、そして何と言っても大老ポーの過去=ポーのエピソード0とも言える物語などが読めるとは。
    なお、エドガーの手で仲間にしたアランやメリーベルがいずれも脆弱だったことにエドガーは自責していましたが、最新巻の展開を読み「それ、エドガーのせいではないよね」と確信するに至っています。
    今後どちらへ向かっていくのかさっぱり予測もつかない物語。単行本派なので、また続巻を首を長くして待つ日々が始まるのでした。

全22件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

萩尾望都の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×