伊豆の踊子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 5398
レビュー : 420
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001029

感想・レビュー・書評

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  • 踊り子たちと何泊かして帰ることになり、帰りの船で泣いてるというそういう話かいと思ったけど、硬かった少年の心が踊り子達のおかげで打ち解けられたという話だったのか。

    文章は美しかった。とても。

  • 作中主人公が温泉に浸かっていると、離れた所にある別の温泉に浸かっていた踊り子が、いきなり全裸で走り出し手を振るシーンがある。映画では女優さんを気遣って変えてしまうが、あのシーンはこの小説にとって非常に重要な意味を持っている。

    それまで踊り子に淡い恋心を抱いていた主人公だが、彼女がまだほんの子どもなんだと知って、まだ穢れのない存在と認識して安心する。それと同時に家族に対するような親近感が育つ。

    生い立ちが孤独なだけでなく、自意識が強く周囲と上手く付き合えない、という若者には誰しも備わっているコンプレックス。素朴な旅芸人達と触れ合うことで硬くなっていた心がほぐれていく、いい話だ。これは純愛小説というよりも自分再発見の旅物語だ。

  • 『伊豆の踊子』を読んだ時、ストーリーの詳細が書かれておらず、淡々として正直あまり面白くないと感じた。文体は「〜た」の過去形で、一文も短いため、テンポよく読めるが、あらすじ読むだけで十分じゃん?と思うほどの物足りなさ。ただ作品の解説を読むにつれ、完全に自分の読みが甘かったと反省。

    まず時代背景をしっかり把握する必要があった。主人公は旧制高校に通っているエリートで、一方の踊子は芸人という点で身分が低く、社会的ステータスの差がはっきりと描かれていた。

    旅の途中の何気ない動作や情景にも深いメッセージが込められている。例えば帽子。当初主人公はエリートの象徴である制帽をかぶっていたが、最後の港での別れの際は鳥打帽(ハンチング帽)になっており、それを渡すシーンも身分の差を克服した決定的なシーン。小説技法の本を読んだので、こういうのは見落としたくなかった、、もっと訓練が必要だと痛感。

    文学的な視点や小説技法だけに限らず、このストーリーのテーマも自分にとって何か惹かれるものがある。二十歳の男子学生が孤独に悩み、伊豆へひとり旅する設定は、どこか重なるものがあるのかもしれない。

    • ゆうさん
      創作物の凄い所は全てに意味を持たせていること。
      セリフの言い回しや情景描写、全てにそうでないといけなかった理由が宿っている。(はず)

      ...
      創作物の凄い所は全てに意味を持たせていること。
      セリフの言い回しや情景描写、全てにそうでないといけなかった理由が宿っている。(はず)

      これ自分の人生にも適用したいんだよね。
      全ての所作、ワードチョイス、選択に自分なりのこだわりを宿したい。
      そうやって自己を洗練させていくことによってのみ、究極的な個性に到達できると思う。
      2021/07/19
  • 孤独に悩む二十歳の学生が伊豆へひとり旅に出る。途中旅芸人の一団と出会い、踊子の心に触れ、感傷と孤独に歪んだ青年の心根は雪のように溶けゆく。二十歳が何やってんだ?と思うが、一座の生活を観察する青年の視線はどこか薄情でむごい。

  • なんかよく分からないけど、「禽獣」の描き方がなんとも退廃的で印象に残った。

  • 薄い本なので、伊豆旅行前に読破する予定でしたが、なんとも読み進まず…。
    主人公は孤児根性で歪んでいるようです。どうも川端本人と照らしあわされているようでもあります。伊豆の旅の道中であった踊子達と旅をして、人の温かさを感じて?成長するようなんですが、やっぱり昔の文章は、難しいなぁ~って改めて思った作品。

  • 【伊豆の踊子】
    旅っていいなぁと思った。
    ドロドロでなく、悶々でもなく、刹那の出会いと爽やかな別れ。
    主人公と踊り子のお互いに思いを言葉で伝え合わない事に、人の純粋さを感じる。
    私に読む力が無いせいで栄吉や四十女が主人公達をどう見ていたかという部分が解らなかった。
    40歳に成ったら今一度読みたい。

    【温泉宿】
    駄目な女達の駄目な話
    湊かなえが書き直したらどんな話になるかと思った!

    【叙情歌】
    一人の女が一方的に死生観を語る話
    『あなたも私もが紅梅か夾竹桃の花となりまして、花粉をはこぶ胡蝶に結婚させてもらうことが、遥かに美しいと思われます』に痺れた!

    【禽獣】
    主人公は決して人嫌いな訳ではない。
    上手く人と付き合えないのではなく、会わないだけだと思う。
    若干怠惰で飽きっぽい主人公に
    『動物にかける愛情に深みを込めろ!』と言ってやりたい。

  • とても難解に感じた。作品によって文体が全然異なり面白い。

  • 川端康成 初期代表作初読み
    1926年(T15年)掲載、二十歳の一高生が伊豆にひとり旅に出かけ伊豆大島からやって来た旅芸人一団14才踊り子
    と淡い気持ちに。ほとんど実体験を元にした作品らしい。三島由紀夫は処女の主題が現れていると解説しております。田中絹代、美空ひばり、鰐淵晴子、吉永小百合、内藤洋子、山口百恵で映画化も川端康成先生は特に
    吉永小百合さんのファンだったらしい。

  • 踊子のもつ純潔さ(とでも言うのでしょうか)に、読んでいる私まで甘い快さを感じました。伊豆の踊り子に関してはとても読みやすかったのですが、続く温泉宿が少し読みにくかったです。

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著者プロフィール

1899年生まれ。1920年東京帝国大学文学部英文学科に入学(のち、国文学科に転科)。1921年第六次『新思潮』を創刊。『伊豆の踊子』や『雪国』などの作品を残す。1961年文化勲章受章。1962年『眠れる美女』で毎日出版文化賞受賞。1968年10月、日本人初となるノーベル文学賞受賞が決定する。1972年没。

「2017年 『山の音 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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