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本 ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784101001319
作品紹介・あらすじ
感想・レビュー・書評
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安西水丸のイラストは好きだけれども、本書の中で好きな村上春樹の文章は少なかった。好きだったのは、「ジョン・アプダイクを読むための最良の場所」「マイ・ネーム・イズ・アーチャー」の2つくらい。
前者は、村上春樹が(とは限らないけれども)郷里から大学入学のために東京に出て来た際、郷里から東京のアパート宛に送った荷物がまだ届いておらず、何もない部屋で、煙草を吸いながらジョン・アプダイクを読み、それは悪い経験ではなかった、と回想する話。悪い経験ではなかったと感じた理由を説明することは難しいだろうけれども、確かにそれは悪くないよね、と思わせるのは作家としての力量なのかな。
後者は、ミステリー作家のロス・マクドナルドが亡くなった時の、村上春樹の私的な追悼文。リュウ・アーチャーというのが、ロス・マクドナルドのシリーズの主人公の探偵の名前で、代表作の一つに「わが名はアーチャー」という作品があるのだ。本書の初版は1986年。私は、1980年代後半から1990年代にかけて、多くのミステリー・探偵小説(あるいは、その中でも、ハード・ボイルドもの)を読み、ロス・マクドナルドのアーチャーシリーズも懐かしいシリーズの1つだ。最近では、自分自身もミステリー、ハード・ボイルド小説を読まなくなったし、書店に行っても、あまりこの手の本は置いていなくなったな、とふと思った。おそらく、今読んでも面白い本が多いと思うのだが、何故だろう?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昭和61年12月20日 発行 文庫の初版かな 再読
画集が嫌なイラストレーターと、エッセイ集が恥ずかしい小説家の相乗り本。
「蛍•納屋を焼く」の中で、象工場が出てきて気になり確認。A DAY in THE LIFE で象工場への出勤風景が描かれている。数ページだけど。
エッセイというには虚構っぽい。小説っていうには散文っぽい。大人の絵本。ちょっと、どこかの待合室とかにあったら嬉しい感じ。
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無防備で明るい時代だった´80年代前半のあの頃。
安西水丸さんのカラフルな挿し絵とともに、村上春樹の世界が広がる。
当時の懐かしさを運んでくれる、ものすごくぜいたくな一冊。 -
村上春樹と安西水丸の共著、画集ともエッセイ集ともつかない不思議なバラエティギフトのような一冊です。
ショートショートのようなものも収録されています。
今ちひろ美術館で「村上春樹とイラストレーター展」という展覧会が開催されているので、それに行く前に読んでおかねば!ということで。
安西水丸さんの絵は80年代のアメリカン風で、なんとなく懐かしい気持ちになります。まぁ80年代のアメリカンって自分で言っといてなんなのか私はよく分からないのですが(笑)
村上春樹との対談が、いかにも仲良さそうで微笑ましくなってしまいました。
この中だと「マイ・スニーカー・ストーリー」が好きかな。
オチで思わずおいおい!と笑ってしまいました。 -
大好きです!!!!!
何年振りかで手に取って、ぱらりとめっくた瞬間に、とてつもなく懐かしくなった。
わたしの読書体験黎明期(とか大げさに言ってみる)の一冊。
自分の趣味嗜好が、ここから派生している気がする。
どうしてブクログに登録していなかったんだろう。
「時には人生はカップ一杯のコーヒーがもたらす暖かさの問題」(p.39)
リチャード・ブローティガン「芝生の復讐」からの引用らしい。読んでみようかな。
この作品、昭和58年に刊行されたものの文庫ということを、今回知って、わたしの生まれる前かと思うと、ほんとうにほんとうに、すごいと思った。
エッセイも長編も好きだけど、村上さんの文章を気楽に何度も味わえる短編が、一番好きだと確信した。 -
こういうライトなテーストの本当に短い短編を書いて、今世に出すとしたら、けっこうな挑戦になるような気がします。ライトすぎて、ただの突き抜けた嘘みたいなものが並んでますからね。安西氏の絵のほうが文章のページよりも多いです。絵には80年代らしいポップさを感じて素敵でした。
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安西水丸氏とのコラボ、エッセイ仕立ての絵本のような、肩に力の入っていない、読み物。
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小気味よく読める一冊。彼とはコーヒーに対する見方が私と似ているところがある。
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ランゲルハンス島の午後がとても面白かったので、象工場のハッピーエンドも気になって速攻読み始めた。どちらかというと前者の方が頭を空っぽにして読めるから好き。
コーヒーの話、確かにそうかもしれないと思った。コーヒーが好きというより、コーヒーを取り巻く空間が好き。もっと大人になったら好みも変わってコーヒーの味が好きになるのかな。コーヒーを飲みながら読書とかしたい。
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