螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 5165
レビュー : 417
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001333

感想・レビュー・書評

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  • ひさしぶりに、村上春樹さんの小説を読みました。文章も発想も、攻めてるな、という印象が強かった。まだデビューから数年しかたっていないころの短編集です。「螢」は『ノルウェイの森』の原型にもなっている短編で、読んでみると、なんとなく懐かしさを感じました。そしておもしろかったし、その攻めた具合についてばかりが気になって読んでしまいましたが、それも小説を書くための勉強というか、「こういう方法論もあるんだね」ということを知るというか、もうこういった作品はあるから同じものはつくらないようにするだとか、つまりは、自分の創作を、より自由にするための読書体験になったかなあ、と思います。どれもよくできているし、その、意識と無意識の狭間でしかとらえられないような、意識の上ですれすれだといった体でとらえられるような、そんな感覚的なものを描写する著者の力はさすがだなと再度、感じ入りました。

  • 村上春樹は性的な描写が多いが、海外の詩のような文体、世界観の中ではそれがいやらしくなくなるように感じる。固有名詞が頻出する流れるような文体と詩のような世界観は読む人によっては難解かもしれない。私は偶に読みたいと思った。

  • いい加減に積むのをやめて読んでみようと読んでみた。いつも「蛍」を読んで満足しちゃって、その先に進めないのだけど今回はがんばってみた。「納屋を焼く」の雰囲気がとても好きで、…納屋が待っているような気がする…というところで、わっっと涙がふき出してきた。もしかしたら私も待ってる納屋なのかもしれない。

    最後の「三つのドイツ幻想」は…さっぱりわからなかった。また再読したいので本棚に置いておきます。自分が中学生当たりの頃にこの作品を出したんだな…と思うと、とても不思議。作品の中と自分の時間の流れに差を感じて、作品自体おだやかに生きているようで懐かしさを感じた。村上春樹作品って作品そのものが吟遊詩人みたい。

    2017年積本消化25冊目。保存。

  • 躍る小人、象工場や革命の事が気になり過ぎて小人の事が頭からそっちのけになる

  • 確かに名文。蛍の世界観、天才な友人のS君の話に感じた。
    村上春樹を面白いと感じる自分に驚いた。

  • ノルウェイの森の元となっている「螢」や、長編版の「めくらやなぎと眠る女」が収録された一冊。
    ときどき納屋を焼くっていったいどういうことなんだろう。何の比喩なんだろう。
    あってもなくてもどちらでも構わない納屋を焼く男とどこかへ消えてしまう女の話、「納屋を焼く」もおもしろかった。

  • 「螢」はどこかで読んだ気がすると思ったら、ノルウェイの森の一部だった。
    一部と思ってたら、こっちの方が先だったのね。
    改めて読むと、螢と彼女がリンクしていて切なく感じた。
    文京区の学生寮って、モデルがあるのか、どこにあるのか気になる…!

    「納屋を焼く」は、私の好きな村上春樹ワールドって感じで楽しめた。
    「踊る小人」は、象を作る工場という設定が面白い。

    「めくらやなぎと眠る女」、どっかで読んだ気がするけど気のせいか…?
    17の主人公たちがノルウェイの森の三人組っぽく感じたけど、どうなんだろう。

  • He burned buns

  • 39/334

  • いつも村上春樹さんはミステリアスだなあ、と思うんだけど、久しぶりに再読して、やっぱりなあ、という感がありました。長編の前触れみたいな作品も載っていて、長編を思い出して比べてみると、長編の方が希望がある気がしました。

  • 短編集です。村上春樹さんらしいと言えば、村上春樹さんらしいです。長編と違い、いろいろ考え、想像を巡らしているうちに読み終わってしまいました。

  • 蛍はノルウェイの森の中でも特に大好きなシーン。
    納屋を焼くはなんだか不思議な話で、つまりどういうことなんだろう?と考えてしまう余韻が残りました。ラストにかけての空虚な雰囲気がすごく良かった。
    踊る小人は童話チックなお話。
    めくらやなぎと眠る女はもうタイトルから好きですね。僕といとことの会話のやり取りが心地好い。やっぱり五月の話多い気がします。果実のふくらみをもっていたり、やすりのようなものをかけていったり、風に対する描写がいくつもあってどれも素敵でした。
    僕が昔のことを回想するシーンもよかった。
    三つのドイツ幻想、セックスは冬の博物館というのは言い得て妙。わからないけど、でもわかる気もする。

  • 螢が好きやな。

  • 一回目が大学2年か3年の時。
    そして今回2回目。
    村上春樹好きの方に「村上春樹の中で一番好きな作品はなんですか」と聞いたら少したって「納屋を焼く」と。
    これは再読するしかないと思いました。
    今度聞く機会があったらなんで一番好きなのか聞きたい。

    読んだ感想。
    さらっとすごいことが普通のことのように書いてある。麻薬、飲酒運転、不倫、放火…
    なんだろう。この世界は。納屋を焼く彼を真っ向から否定しないで受け入れる?受け流す?っていう主人公の姿とこの世界の描き方が重なった。

    不思議な後味。納屋を焼いたと彼は言うが、主人公は焼かれた納屋を発見できない。そして彼女はどうなったのか。「消えた」という言葉の真意は?
    そもそもなんで納屋なのか?
    疑問は尽きない。

    「同時存在」という言葉が興味深い。ちゃんと意味を知りたい。

    焼くという行為について。三島の「金閣寺」と少し重なる面があるかも・・・?

  • 私にとっては真ん中くらいの本です。大好きではありませんが、大嫌いでもありません。
    「螢」は「ノルウェイの森」のイントロダクションというか、著者の表現ではスケッチのような作品です。
    「踊る小人」はなんだか可愛らしいので比較的おもしろがって読めます。

    <収録>
    ・螢
    ・納屋を焼く
    ・踊る小人
    ・めくらやなぎと眠る女
    ・三つのドイツ幻想
     1 冬の博物館としてのポルノグラフィー
     2 ヘルマン・ゲーリング要塞 1983
     3 ヘルWの空中庭園

  •  村上春樹さんのだいぶ古い文庫です。本の周りが茶色くなってました。昭和62年発行と書いています。今の村上さんとはちょっと違う脈絡のなさがあって少し読みづらかったです。その他の短編の中の「冬の博物館としてのポルノグラフィー」は何度読んでみてもやっぱりわかりません。
     読み終えた後味が、ん~村上春樹という印象ですね。

  • しかし彼女の話は長くつづかなかった。ふと気がついた時、彼女の話は既に終わっていた。言葉の切れ端が、もぎとられたような格好で空中に浮かんでいた。正確に言えば彼女の話は終わったわけではなかった。どこかで突然消えてしまったのたわ。彼女はなんとか話しつづけようとしたが、そこにはもう何もなかった。何か損なわれてしまったのだ。

  • 納屋焼けよ

  • 螢 ★4.5
    納屋を焼く ★4
    踊る小人 ★4
    めくらやなぎと眠る女 ★4.5
    三つのドイツ幻想 ★3

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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