螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001333

感想・レビュー・書評

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  • 「バーニング」
    公開日:2019年2月1日
    小説家志望の青年ジョンスは、幼なじみの女性ヘミと偶然出会い、彼女が旅行へ行く間、猫の世話を頼まれた。旅行から戻ったヘミは、アフリカで知り合ったという男、ベンをジョンスに紹介する。そしてある日ベンは「僕は時々ビニールハウスを燃やしています」という秘密を打ち明けた―。
    キャスト: ユ・アイン、スティーブン・ユァン、チョン・ジョンソ
    監督:イ・チャンドン

  • 2018年11月26日読了。
    2018年90冊目。

  • 「納屋を焼く」
    は、どうしても好きですねえ。とても怖い。とても怖いです。そして意味わからん。でも、好き。意味わからんのに好き、というのは、とても不思議ですね。そんな不思議なものを提示してくれる村上さんが、やっぱ好きですね。

    主人公が、ビール飲んでマリファナ吸って、ふわあ~っとええ気分になってて、昔自分が学芸会で演技した「手袋を買いに」?の時の色んな演技やらなんやらをフワーっと思い出してた時に、すっごい唐突に相手から挟まれる
    「時々納屋を焼くんです」
    の一言の挿入のタイミング。あの改行の感じ。めっちゃんこ映像的、ですねえ。とんでもねえな、って思いますね。小説で、そう来るか、って感じ。あのタイミングでああくるか、あの一言が、みたいなかんじ。パネえな、って思いますね。あの時のページ構成とか、雰囲気とか、すっげえ好きですね。

    「蛍」
    は、村上さんの超絶代表作の「ノルウェイの森」の、原型となった短編?なのかしら?なんだか好きですね。短編のテーマを基に、長編作品を作る、というのが、村上さんの手法なのかしら?面白いですねえ。

    「踊る小人」
    むう。よお分からん。という感じですね。象工場、という発想はどこから来るのか?何故に象を量産するのか?なんじゃそら。象の耳を作るのは、他の部位を作るのに比べると、圧倒的にチョロい。とか、そんな発想どっから生まれるの?とか思うと、驚異ですね。凄いですね。でもこの話は、よお意味わからんな。という感じですね。

    「めくらやなぎと眠る女」
    この話も、何が言いたいの?ってのは、全然わかりません。で、短編集「レキシントンの幽霊」に収録されている、短くなってるバージョンの「めくらやなぎと、眠る女」より、個人的にはですが、こっちの長いバージョンの方が好きかなあ?とか思いましたね。いや、どっちも、あんまよお分からんし、どっちでもいいや、って気もするのですが、なんだか文章長い方が、ある意味無駄が多い、ってことなんでしょうが、その無駄な部分も好きよ、みたいな感じでした。

  • 納屋を焼くと、めくらやなぎと眠る女が特に気に入った。
    個人的には、村上春樹の切なく心が少し温かくなるような叙情的な作品が好きだなあ。
    これからもっと短編にも手を出していきたい。

  • 再読日 19960105

  • 初期の短編集である。「蛍」は「ノルウェイの森」につながる。何年前に読んだのだろう。とてもなつかしい。いろいろと記憶が交錯している。寮で同室の地理専攻の彼は、最終的に自死を選ぶのではなかったか。著者自身が1年ほど住んでいたという寮は、僕が住んでいた学生寮とはずいぶん違って、ちょっと高級感が漂っている。その住民の資質もずいぶん違っていたのかもしれない。「めくらやなぎと眠る女」に登場する友人はどうして亡くなったのか。バイクの事故による突然の死ではなかったか。そういう件があったような気がしたのだけれど、そんな記述はここにはなかった。「納屋を焼く」という話は、本当に納屋を焼く話だった。タイトルだけが頭にこびりついていて、中身の記憶がなかった。本書ではこの作品の中に1回だけ「やれやれ」が登場する。やれやれ、村上春樹の著書を読み返していると、「やれやれ」ばかり気になってしようがない。30年以上前に購入した文庫本である。ページをめくると、上のほうが日焼けをして茶色く染まっている。それもまた、趣きがあってよいものだ。ところで、古い本を読み返していると、未成年の酒・たばこ、それから飲酒運転が気になって仕方ない。この30年でいったい何が起こったというのだ。陸続きであったはずなのに、どこかで寸断されている。後戻りはできない。

    「レキシントンの幽霊」に「めくらやなぎと、眠る女」があるのを後で気付いた。けれど、友人の死については軽くしか触れられていない。勝手な妄想だったのか。

  • 目の前に浮かんで来るような秀逸な情景描写の短編だらけでした。めくらやなぎと眠る女、が特に素敵でした。

  • 2018/09/05

  • ノルウェイの森の原型となった「螢」が収録されている。ノルウェイの森と比較しながら読むと面白いと思う。

    「めくらやなぎと眠る女」には、入院している直子の元を僕とキズキが看病に訪れた時の回想がある。話自体はとても深く、不気味なものだった。

  • ひさしぶりに、村上春樹さんの小説を読みました。文章も発想も、攻めてるな、という印象が強かった。まだデビューから数年しかたっていないころの短編集です。「螢」は『ノルウェイの森』の原型にもなっている短編で、読んでみると、なんとなく懐かしさを感じました。そしておもしろかったし、その攻めた具合についてばかりが気になって読んでしまいましたが、それも小説を書くための勉強というか、「こういう方法論もあるんだね」ということを知るというか、もうこういった作品はあるから同じものはつくらないようにするだとか、つまりは、自分の創作を、より自由にするための読書体験になったかなあ、と思います。どれもよくできているし、その、意識と無意識の狭間でしかとらえられないような、意識の上ですれすれだといった体でとらえられるような、そんな感覚的なものを描写する著者の力はさすがだなと再度、感じ入りました。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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