- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001333
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
イ・チャンドンの『バーニング劇場版』観に行く前に予習として久しぶりに再読。
-
映画『バーニング』の予習のために読んだ。
「納屋を焼く」は、ある男に納屋を焼くと予告される話で
イメージ喚起タイプのキレのある短編。これがどう翻案されていくのか楽しみ。 -
2018年11月26日読了。
2018年90冊目。 -
納屋を焼くと、めくらやなぎと眠る女が特に気に入った。
個人的には、村上春樹の切なく心が少し温かくなるような叙情的な作品が好きだなあ。
これからもっと短編にも手を出していきたい。 -
再読日 19960105
-
初期の短編集である。「蛍」は「ノルウェイの森」につながる。何年前に読んだのだろう。とてもなつかしい。いろいろと記憶が交錯している。寮で同室の地理専攻の彼は、最終的に自死を選ぶのではなかったか。著者自身が1年ほど住んでいたという寮は、僕が住んでいた学生寮とはずいぶん違って、ちょっと高級感が漂っている。その住民の資質もずいぶん違っていたのかもしれない。「めくらやなぎと眠る女」に登場する友人はどうして亡くなったのか。バイクの事故による突然の死ではなかったか。そういう件があったような気がしたのだけれど、そんな記述はここにはなかった。「納屋を焼く」という話は、本当に納屋を焼く話だった。タイトルだけが頭にこびりついていて、中身の記憶がなかった。本書ではこの作品の中に1回だけ「やれやれ」が登場する。やれやれ、村上春樹の著書を読み返していると、「やれやれ」ばかり気になってしようがない。30年以上前に購入した文庫本である。ページをめくると、上のほうが日焼けをして茶色く染まっている。それもまた、趣きがあってよいものだ。ところで、古い本を読み返していると、未成年の酒・たばこ、それから飲酒運転が気になって仕方ない。この30年でいったい何が起こったというのだ。陸続きであったはずなのに、どこかで寸断されている。後戻りはできない。
「レキシントンの幽霊」に「めくらやなぎと、眠る女」があるのを後で気付いた。けれど、友人の死については軽くしか触れられていない。勝手な妄想だったのか。 -
目の前に浮かんで来るような秀逸な情景描写の短編だらけでした。めくらやなぎと眠る女、が特に素敵でした。
-
2018/09/05
-
ノルウェイの森の原型となった「螢」が収録されている。ノルウェイの森と比較しながら読むと面白いと思う。
「めくらやなぎと眠る女」には、入院している直子の元を僕とキズキが看病に訪れた時の回想がある。話自体はとても深く、不気味なものだった。 -
ひさしぶりに、村上春樹さんの小説を読みました。文章も発想も、攻めてるな、という印象が強かった。まだデビューから数年しかたっていないころの短編集です。「螢」は『ノルウェイの森』の原型にもなっている短編で、読んでみると、なんとなく懐かしさを感じました。そしておもしろかったし、その攻めた具合についてばかりが気になって読んでしまいましたが、それも小説を書くための勉強というか、「こういう方法論もあるんだね」ということを知るというか、もうこういった作品はあるから同じものはつくらないようにするだとか、つまりは、自分の創作を、より自由にするための読書体験になったかなあ、と思います。どれもよくできているし、その、意識と無意識の狭間でしかとらえられないような、意識の上ですれすれだといった体でとらえられるような、そんな感覚的なものを描写する著者の力はさすがだなと再度、感じ入りました。
-
村上春樹は性的な描写が多いが、海外の詩のような文体、世界観の中ではそれがいやらしくなくなるように感じる。固有名詞が頻出する流れるような文体と詩のような世界観は読む人によっては難解かもしれない。私は偶に読みたいと思った。
-
躍る小人、象工場や革命の事が気になり過ぎて小人の事が頭からそっちのけになる
-
ノルウェイの森の元となっている「螢」や、長編版の「めくらやなぎと眠る女」が収録された一冊。
ときどき納屋を焼くっていったいどういうことなんだろう。何の比喩なんだろう。
あってもなくてもどちらでも構わない納屋を焼く男とどこかへ消えてしまう女の話、「納屋を焼く」もおもしろかった。 -
♡
-
「螢」はどこかで読んだ気がすると思ったら、ノルウェイの森の一部だった。
一部と思ってたら、こっちの方が先だったのね。
改めて読むと、螢と彼女がリンクしていて切なく感じた。
文京区の学生寮って、モデルがあるのか、どこにあるのか気になる…!
「納屋を焼く」は、私の好きな村上春樹ワールドって感じで楽しめた。
「踊る小人」は、象を作る工場という設定が面白い。
「めくらやなぎと眠る女」、どっかで読んだ気がするけど気のせいか…?
17の主人公たちがノルウェイの森の三人組っぽく感じたけど、どうなんだろう。 -
He burned buns
-
39/334
-
いつも村上春樹さんはミステリアスだなあ、と思うんだけど、久しぶりに再読して、やっぱりなあ、という感がありました。長編の前触れみたいな作品も載っていて、長編を思い出して比べてみると、長編の方が希望がある気がしました。
-
短編集です。村上春樹さんらしいと言えば、村上春樹さんらしいです。長編と違い、いろいろ考え、想像を巡らしているうちに読み終わってしまいました。
-
新潮文庫の100冊2021プレミアムカバーで6年ぶりの再読、この日をずっと待っていたような気がする。一度読んだきりなんだけど、なぜかずっと好きな短編集として心に鎮座し続ける不思議な一冊。星5つだとばかり思っていたけど星3つにしてるのなんで?
確か6年前は納屋を焼くを読むのがすごく楽しみだったんだよな。でも期待していたほどの示唆がなかったことを覚えてる。蜜柑を剥くパントマイムが素敵な女の子と、納屋を焼き続ける彼女のボーイフレンド。特定した五つの納屋は今も残り続けているのに、焼かれてしまったのはどの納屋なんだろう?
踊る小人もすっかり忘れていた。こんなにグロテスクな話だったか。
めくらやなぎと眠る女。村上春樹のいちばん好きな短編は、と思うとまず真っ先に心に浮かんでくる。鼻先で薫っているかのような5月の風の描写が大好き。めくらやなぎの花粉をつけた蠅が耳にもぐりこんで女は眠らされる。僕と14歳のいとこ。5月の風。二百八十円の運賃。28番のバス。
三つのドイツ幻想は、改めて読み返した今でも「セックスは冬の博物館」というワードが好き。我々はみんなそこに孤児のようにうずくまって、温もりを求めているのだ。ソースパンはキッチンに、クッキーの缶は引出しに。
(2021.10.9)
蛍はノルウェイの森の中でも特に大好きなシーン。
納屋を焼くはなんだか不思議な話で、つまりどういうことなんだろう?と考えてしまう余韻が残りました。ラストにかけての空虚な雰囲気がすごく良かった。
踊る小人は童話チックなお話。
めくらやなぎと眠る女はもうタイトルから好きですね。僕といとことの会話のやり取りが心地好い。やっぱり五月の話多い気がします。果実のふくらみをもっていたり、やすりのようなものをかけていったり、風に対する描写がいくつもあってどれも素敵でした。
僕が昔のことを回想するシーンもよかった。
三つのドイツ幻想、セックスは冬の博物館というのは言い得て妙。わからないけど、でもわかる気もする。 -
螢が好きやな。2015/10/16
めくらやなぎと眠る女
ヘルWの空中庭園
が良かった。2021/06/19 -
私にとっては真ん中くらいの本です。大好きではありませんが、大嫌いでもありません。
「螢」は「ノルウェイの森」のイントロダクションというか、著者の表現ではスケッチのような作品です。
「踊る小人」はなんだか可愛らしいので比較的おもしろがって読めます。
<収録>
・螢
・納屋を焼く
・踊る小人
・めくらやなぎと眠る女
・三つのドイツ幻想
1 冬の博物館としてのポルノグラフィー
2 ヘルマン・ゲーリング要塞 1983
3 ヘルWの空中庭園 -
村上春樹さんのだいぶ古い文庫です。本の周りが茶色くなってました。昭和62年発行と書いています。今の村上さんとはちょっと違う脈絡のなさがあって少し読みづらかったです。その他の短編の中の「冬の博物館としてのポルノグラフィー」は何度読んでみてもやっぱりわかりません。
読み終えた後味が、ん~村上春樹という印象ですね。 -
しかし彼女の話は長くつづかなかった。ふと気がついた時、彼女の話は既に終わっていた。言葉の切れ端が、もぎとられたような格好で空中に浮かんでいた。正確に言えば彼女の話は終わったわけではなかった。どこかで突然消えてしまったのたわ。彼女はなんとか話しつづけようとしたが、そこにはもう何もなかった。何か損なわれてしまったのだ。
-
納屋焼けよ
-
螢 ★4.5
納屋を焼く ★4
踊る小人 ★4
めくらやなぎと眠る女 ★4.5
三つのドイツ幻想 ★3 -
「ノルウェイの森」のプロトタイプの「蛍」などの短編集。非現実的な「踊る小人」が好き