世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9510
レビュー : 728
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001357

感想・レビュー・書評

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  • 再読です。
    うむむ、こんな結末だったっけ…。
    映画を1本がっつり見終わったときのような、充足感と疲労感がある読後です。

    あと数時間で世界が終わる。
    そんなときに、「世界を構成しているいろんな細かいことが目につく」というのが真に迫っているように感じました。
    主人公と図書館員の女性がかたつむりのことについて会話をする一場面、何気ない場面なのですが妙に印象に残っています。

    猛烈にボブ・ディランが聴きたくなります。
    そして、猛烈にお酒が飲みたくなります。
    村上作品読後に聴覚と味覚の欲求が高まるのは、私だけではないはず…

  • 幻想的でドラマチックで一種独特な世界観。作品の最後の方、主人公が残された僅かな人生の時間で街をさまよう時にボブ・ディランの曲が出てきます。
    そして終局の方では名曲『ダニーボーイ』も…
    今はYouTubeがあるので作中に出てくる曲をBGMとして聴きながら、ゆっくりとページをめくると物語の中に同化しそうな、そんな錯覚に陥ります。
    レンタカー店の知的な女性の店員さんとの会話で、同女がボブ・ディランの声を「まるで小さな子が窓に立って雨降りをじっと見つめているような声なんです」と表現するあたり、村上流の知的でお洒落な感じが出ててすごく良かったです。
    二つの異なる世界が交互に進行し、やがて混じり合い、そしてアウターワールド(外界)に脱出する。1Q84でも同じ様なテーマに沿って描かれていますよね。

    石田衣良の小説も古い洋楽やクラッシックの曲名がよく出てきますが、これらの曲をYouTubeで検索してBGMに、その世界観にどっぷりと浸かって読書を楽しむ。
    これが最近の私のお気に入りです(≧▽≦)ゞ

    • piyopiyo27さん
      わかります。

      わたしも同じ楽しみ方してます。
      いいですよね、唯一、進化に感謝した瞬間です。
      わかります。

      わたしも同じ楽しみ方してます。
      いいですよね、唯一、進化に感謝した瞬間です。
      2013/04/22
  • とても壮大なストーリーだと思う。
    設定の複雑さゆえに大冒険。
    そのため、前半(上巻)が説明的な印象を持つが、このストーリーを頭の中で構想しきってしまうのは本当にすごいと思う。

    この壮大なストーリーはそれ自体楽しめばいいのかもしれないけれど、「心とは何か?」「世界の終りとは?」といった万人が漠然と持つ普遍的なテーマに言及しているため、何かそこから読み解けそうな心をくすぐられる思いがする。

    とてもおもしろかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「心をくすぐられる思いがする。」
      村上春樹の出した物語に身を委ねつつ、何故?どうして??を繰り返す。答えは出ないけど、とっても心地良い疲れを...
      「心をくすぐられる思いがする。」
      村上春樹の出した物語に身を委ねつつ、何故?どうして??を繰り返す。答えは出ないけど、とっても心地良い疲れを感じて、ぐっすり眠れます!
      2013/02/26
  • ハードボイルドは終わり方微妙…
    でも楽しかった(・∀・)

    世界の終りは情景綺麗!最後られんが特に好き!

    両方、全体的に読みやすいし、独特な世界観も良い!
    結構好き\(^o^)/

  • 二つの世界との関わりが理解できる下巻。
    読み終えても謎が多い。

    ハードボイルドワンダーランドの私と、世界の終わりの僕と。

    ラストでこの二人の関係性もそれとなく明言していると思う。

    同時並行だけど、過去と未来の関係とも読めるし、不思議な世界だった。

    これまで読んだ村上春樹作品の中でも登場人物が好きで、ピンクのスーツの太った娘は気丈でたくましく頼り甲斐があるし、図書館のリファレンス係の女の子はリリカルな魅力がある。

    二つの世界で文体の使い分けがされているのも興味深く、とくにハードボイルドワンダーランドの私の語りはとても独特な比喩表現であふれている。

    静と動の二つの世界観を眺めるだけでとても楽しい。

    普通の小説では味わえない日常と非日常が錯綜する世界観をたっぷりと味わえた。

  •  二つの世界が交互にやってくるため、読んでいてそれぞれの続きが待ち遠しくて仕方がなかった。
     25.27のシャフリングシステムの解説は圧巻だった。脳が痺れるような感覚に陥った。中でも「人間は時間を拡大して不死に至るのではなく、時間を分解して不死に至る」という科白がお気に入りだ。
     私の意識の中に〈世界の終わり〉があると分かってからも暗闇に目が慣れてしまって、陽の光を見ることが出来ないことなど、二つの世界がリンクする瞬間はたまらなかった。最後に僕と僕の影は〈世界の終わり〉から脱出するものだと思ったけれど、僕だけが残る結末になった。であれば、図書館の彼女との話ももう少し続きが読んでみたい気がした。

     作者の遠回しな言い回しが、心地よかったような気もするし、あるいはそうではなかったのかもしれない。

  • 2018/03/14

  • やみくろの棲む世界で老科学者に逢い、真実を知り、余命幾ばくもない私。弱った影との会話と手風琴の音から自分の居る世界が何なのか分かるようになる僕。二つの物語が結末を迎える。

  • ゆったりとした物語。
    何年かぶりに読んだけれど、
    改めて思います。
    僕はこの小説が好きです。

  • 「世界の終わり」と「ハードボイルド・ワンダーランドという」二つの世界での二つのストーリーが進み、徐々に絡まっていく。
    僕らの意識の中に、世界はたくさんあって、パラレルどころじゃない、複雑な世界観を作っているのかも。
    極めてSF的で、主人公がいい男なのかそうじゃないのかもよくわからないけれど、なんとなくロマンチストで、少年向けと感じる。

    入り込んだ己の世界から、出て行こうとするのか、あるいはまたさらに奥に入ろうとするのか。「世界の終わり」の最後の問いは、極めて普遍的な迷いなのかも。

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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