村上朝日堂の逆襲 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001364

作品紹介・あらすじ

交通ストと床屋と教訓的な話とハワイで食べる冷麦が好き。高いところと猫のいない生活とスーツが苦手。時には「セーラー服を着た鉛筆」について考察するかと思うと、小津安二郎の映画の細部にこだわったりもする。「自由業の問題点について」に始まって、「長距離ランナーの麦酒」に終わる、御存じ、文・村上春樹とイラスト・安西水丸のコンビが読者に贈る素敵なワンダーランド。

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹さん、36歳ぐらいのエッセイとあって、
    自由奔放で楽しい。
    fの鉛筆が、セーラー服を着た鉛筆にみえてきて困ってしまう話や高所恐怖症の話、ヤクルトスワローズの話など肩が凝らなくて面白い。
    アトムズ時代、本当に弱かった。ジャイアンツにかもにされていた時代を思い出した。
    ストの話も懐かしい。車のなかった我が家は、同じ学校に通う同級生の家にたのんで乗せてもらってた。
    村上春樹さんの違う一面が見えますよ!

  • 村上朝日堂が、『日刊アルバイトユース』から『週刊朝日』に移って続編。
    ページ数も増しまし、文庫版で1篇5ページとなった。
    以前は、ちょっと尖った若者が言いたいこと言ってる風だったのが、文章も洗練され、ちょっと寝っ転がっては読めない感じ。
    でもまだ36歳の、若い頃の村上さんなのだが。

    記憶力の悪い私でも印象に残る話多し。
    村上さんは、肉はあまり食べないんだー?厚揚げが好きなんだー!猫派か、good!
    早・遅のゲームは、みなさん身の回りのものでやってみると面白いと思う。
    新しいものに疎い私なんかは、結果として「遅」「遅遅」のゲームになってしまいそうですが。
    正月からつけ始めた日記というのはまず長くつづかない、とか。

    「ジョークとしてみれば面白い」は、「日本のTV番組についてどう思う?」という、村上さんの質問に対しての、22歳アメリカ人青年の回答。
    テレビはあまり観ないと書いているのにこういう質問をする村上さんはどうなんですか、と思うが・・・
    やがてこの「ジョークとしてみれば面白い」は、テレビでなくてもあらゆる事件に当てはまってしまうのではないかと思うに至る。
    自分も思い当たることはある。
    政治家や芸能人の不祥事などがよく報道されるが、当事者たちは絶体絶命の大ピンチでも、観ている方からすればギャグでしかない、みたいに感じてしまうこともあるものだ。

  • あいも変わらずに面白い。この文字数で読ませるものにまとめる技術は職人という感じがするね

  • 週刊朝日連載の村上春樹氏エッセイ集。村上氏の肩の力を抜いたアンニュイな文体(それでも読ませる文章なのは凄い)と安西水丸氏のこれまたアンニュイなイラストがよくマッチしている。ただ文庫本であえて読む程の内容かと言われると、、まあそこはあれだ。週刊誌のいちコラムが本来いるべき場所かもしれない。(村上春樹風)

  • 平成元年に文庫化された、村上春樹エッセイ。安西さんとの第二弾。ちょい斜に構えた感じが当時は、面白かったんだろうな。
    No.319(個人的)処分。2023/4/12

  • 今回は画伯はあまりいじ…られてたや。
    対談で結局いじられる画伯…

    まあひどい名前にされたある人よりはましじゃないかしら。

    おもしろかったのは意味深な人探し。
    そりゃあ自分の名前部分が出ていれば
    なんのこっちゃと思うことでしょう。
    (結局真相は闇の中だったようです)

    それと著者は高所恐怖症の模様。
    ピサの斜塔を3回でリタイアでは重症ですなぁ…

    今回は1話題当たりのページ数が少し多めです。

  • 村上春樹エッセイやはり面白かった。
    日常で気になっていたこと(「うゆりずく」号の話)、何とも思っていなかったこと等などほどほどに下らなくて楽しめました。皮肉や自嘲のひと言が効いてて楽しい。
    占いについての話も面白かった。

  • 30年以上前のムラカミ青年がやたらと気に入ってしまって、読み終えた今も再読している。

    この気弱で身勝手なセイネンは、今もこうしてみんなに待ち焦がれられていると思っていたでしょうか。
    なんだかんだで、素直なのでしょう。

    安西水丸氏との文章と絵の中でのひっそりとした掛け合いも実に良きであります。

  • 疲れて頭がぼーっとしてる時でも
    読めてしまうのは
    文章が明快で
    読みやすいからだろうか?
    村上春樹すごいなと思う
    大誠堂書店(一宮市)にて購入

  • 相変わらずくだらない笑

    しかしながら、うちの親族も太ってるなあ………わたしもしっかり根性を入れて運動と食事の節制に励も。

  • 1985年から1986年のエッセイ。
    随分前のことが書かれていますが、今読んでもとても面白い。
    そして気になることは調べながら読むといういつもながらの読書になります。
    ほんと面白かった。水丸さんのさし絵もほんと良かったです。

  • 2021.12.06 読了。

    絵がなんとなく気になって読んでみた1冊。

    読んでいても、すら〜っと読み進んで行く感じのエッセイ。
    昔から文章を書くことに長けている人物ではない事に衝撃を受けた。
    そう考えると何歳からでもチャンスがあるって事だなぁ。

  • やっぱ面白いなー

  • 村上春樹36才頃のエッセイ。
    最近と逆の事を言っていたり、昔から変わらない考え方だったりするところが面白い。でもやっぱり何でもないことを分析して文章に出来るっていいなぁって思う。自分なんか本は読んでる方だと思うんだけど表現力がないんだよなぁ。この年令(50才)になっても。

  • 相変わらずおもしろい!
    "セーラー服を着た鉛筆"の勢い感めちゃ好き。
    あとは山口下田丸くん関連も面白かった〜
    安西さんの挿絵も素敵。

  • 気になった言葉は以下、

    ちょっと道がずれていれば逆の主張もありうる

    家族というものは絶妙なバランスで生きている

    一に健康二に才能
    水平的選択においては軽く、垂直的選択においては重く


     総括して、1人の頭の中でもこれだけ色々考えるからやはり人間は面白い。

  • 村上春樹さんと安西水丸さんのコンビは理屈抜きにいい。入院中に病室で読むために用意したのですが、ピッタリでした。あと、難しい本に挑戦している合間の息抜きにも。

  • 当時、このエッセイを読むためだけに週刊朝日を立ち読みしてたことを思い出す。クスクス笑わないように気をつけたりしながら。

  • かなりどうでもいいようで、実はそうでもないことなような気がして、読み出したら止まらない。つれあいさんとの距離感とか、禁煙に対する緩さとか、全体的に心地がいい。水丸さんの絵も良い具合にいじっていて、思わず顔が緩みます。ラム入りコーヒー飲みたいな。

  • 「村上朝日堂」を読む前に、一応の続編?であると思われる、こちらから先に読んでしまった、、、しまった、とか思ったりもしたのですが、多分、大丈夫っぽいです。なんせ村上さんのエッセイは、いついかなる時にどんな順番で読んでも、抜群に面白いのですから、という事を、わかりやすく教えて頂ける作品かな、と。

    すげえ大したことない内容だと思うんですが、それでも、抜群にこう、面白い。1986年のエッセイなのに、2020年によんでも、普通に面白いし、全然古びていない(ように感じられる)のは、いったいどーゆーこっちゃ?って思うんですよね。世の中の流れは、すげえスピードで、変わっていっていることは、間違いないでしょうに。

    ということは、アレか。村上さんは、こんなにも何の変哲もない言葉で、人類普遍のなにかを、アッサリと書いちゃっていたのか?みたいな事を考えたりもする、のですが、ホンマにもう、大したことない内容だと思うのですが(途轍もなく失礼な言い方ですみません)、それでも抜群に面白いです。いやもうホンマですこれは。すっごいよなあ、村上さん。

  • 前作の方が面白かった。酒や食ネタがもっと欲しかった。

  • 書かれた時代が昭和の最後の方なのかな??
    内容がたまに古いけれども、それでもやっぱり面白い。
    ゴロゴロのんびりしながら読むには本当に春樹の小説以上に最適な本はない!と、個人的には思っている。

  • 何度目かの再読。
    古い文章なのに、今考えさせられていることにつながることが多々あってはっとした。
    村上さんの先見性を感じることも。
    そして、自分も歳をとったということか。

  • ■書名

    書名:村上朝日堂の逆襲
    著者:村上 春樹

    ■概要

    村上春樹さんのエッセイ集

    ■感想

    久しぶりの村上さんのエッセイです。
    この本だけ買って読み忘れていました。

    相変わらず、面白いです。
    文章が上手い人のエッセイ集は読みやすいのでいいです。

    内容としては、日常や村上さんの考え方はつづっているだけですが、
    小説とは全然違う文章がそこにはあるので、村上さんを色々と知り
    たい方にはお勧めの本です。

    本作以外にも、かなりのエッセイ集が出版されています。
    どれでも気軽に読めるものなので、少しの時間つぶしには、持って
    こいの本だと思います。

    ■気になった点

    ・ただ単にいつも違ったことがあるとうれしいのである。
     (いつもは何かあるところに、何も無いというマイナス状況の方が
     好みみたいである。)

    ・家族というのはーーーたとえそれが猫であってもーーーそれぞれ
     にバランスを取りながら生きているものであって、その一角
     がかけるとしばらくは微妙に調子が狂ってしまうものである。

    ・しかしヤクルトを応援することによって得ることの資質もない
     わけではない。それは負けることに対する寛容さである。

    ・自分の経験したことない肉体的痛み、苦しみというのは正確
     には想像することが出来ないのだ。

    ・僕なんかたまに結婚式に呼ばれたりすると、会場の左右に分か
     れて並んだ両家の親類の顔つきやら体格やらをひとつひとつ
     見比べて暇をつぶしている。そういう機会があったら是非一度
     試してみてください。絶対に面白いから。

    ・人は必ず間違いをする。

    ・「こんなところでミスするわけはない」という頭があるから
     何度チェックしても間違いは発見できない。

    ・恐怖を感じない人に恐怖の質を説明するのは至難の業である。

    ・悪い批評というのは、馬糞がいっぱい詰まった巨大な小屋に似
     ている。

    ・世の中の65%ぐらいは"ジョークとしてみれば面白い"というエリア
     に収まってしまうのである。

  • 09/03/31読了。小津映画(『東京物語』)の話を読んで、見てみたくなって、レンタルビデオ店に行ってしまった。印象的だった箇所の引用:「これはもう、『恐怖の選択と言うのは無作為なものだ』、と考えるしかなくなってくる。つまり人間にはひとつかふたつはいわば精神の安全弁としての恐怖が必要なのであって、結局のところその対象は何だっていいのだ、ということである。(略)要するに恐怖というものは人間にとって欠くべからざるファクターなのだし、それが理不尽であればあるほどその有効性は大きいはずだと僕は思う。
     だいたい宇宙の暗闇の中にぽつんと浮かんだ岩塊にへばりつくようにして不安定な生を送っている人間存在が何の恐怖も感じないという状況のほうが僕にとっては恐怖である。」

  • 2016.11 本棚整理のため再読。

    ☆3.5くらい。安定のエッセイと水丸さんのイラスト。

  • 村上さんのエッセイと水丸さんのイラストが読みたくなって買ったやつ。
    安定して好きな感じだけど、無限にあるわけではないんだから、大切に読んでいかないとな。

  • エッセイでこんなに笑ったのは初めてかも。
    言葉の言い回しのリズムとテンポの良さで、
    サクサク読めてしまう。
    想像力が豊かなんだなぁ、と感心します。
    さすが作家ですね。

  • ラム入りコーヒーが飲みたいな

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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