雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1667
レビュー : 138
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001395

感想・レビュー・書評

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  • 全く未知のエリアであることと、30年も前の旅なので今とは勝手が違うことが相まって、エキゾチックな紀行文として楽しめた。かなり文句ばっかり言ってるなーっていう印象だったけど(笑)、破天荒な旅路も冷静に捉えて対処していたので、フラットな感情なんだろうなと感じた。アトス行きたくなった

  • 男旅。そこから得るものは多い。

  • ギリシャの修道院への旅は楽しいものだった。
    私は読むだけでルクミ・アディクト になってしまった。

    ところが、トルコ編と来たら、もう、すっかり参ってしまった。村上さんのタフさに感激しながらも。

    でも面白いんだもの、文章も文体も大好きだから。またゆっくり追加の感想書きます。とりあえず、今夜の読書会に間に合った。やれやれ

  • 「ギリシャ・トルコ辺境紀行」
    ギリシャ編
    異国の異教徒が神様の国を旅するとこうなる。食事は大切。お酒もそこそこ大切だがまず食事。良い人にめぐり会えれば良い食事にありつけるということなのだろう。食事を提供してくれる場所も勿論大切だけど、そこに行くまではやはり人。

    トルコ編
    甘党でなくても、むしろ苦手でも、甘いチャイが美味しくてたまらなくなる気候なのだろう。そしてなかなか魚にありつけない、羊中心の文化。羊肉も食べればそのうち美味しくなるかもしれないのに、パンと野菜とチーズとチャイで生きる。人は親切で、こどもたちは好奇心旺盛。

  • 物味遊山の旅行と思いきや、相当ややこしい場所に行っていて驚いた。状況をよく把握しないまま、ゲリラが跋扈するクルド人居住域に突っ込んでいったり、よくお咎めが無かったものだ。著者のサバイバル能力の賜物というより、単に運が良かっただけのように見える。あとトルコのぼったくりの常套手段、トルコ絨毯を高い金で買わされていたのには笑った。

  • 2016.11 本棚整理のため再読。評価変更☆3→☆4(3.5くらい)

    ギリシャのアトス半島と、トルコの旅行記。村上春樹らしさがでていて○。写真付きのハードカバーも出ており途中からは図書館でそちらを入手してより楽しめました。

  • 村上春樹さんが、ギリシャのアトス半島に行った時と、トルコ国内をぐるっと車で旅した時の、旅行記のような本です。

    いやあ、凄いですね。敢えて苦労するべく、旅に出る。苦労を楽しむ。不便を楽しむ。楽しんでやるぜ、っていう前向きさ。貪欲すぎるなあ村上さん。凄いです、うん。で、超絶貪欲なんだろうけど、超絶物好き、ってかキワモノ好き、ってか、普通の人はそんなことせんだろう、行かないでしょ、そんなとこ。ってところを、ガンガンせめつつ旅しつつ、それでも、

    村上さんの文章はあくまで易しく、優しく、ユーモアと「やれやれ、まいったね。でもいいか」的お気楽さと、とにかく素敵な言葉に満ち溢れております。小説も良いけど、エッセイの文章の村上さんのかもしだす雰囲気、ホンマ、ええなあ~って感じですね。

    それにしても、こんな旅をしてたら、そうらもうね、めちゃんこタフになるでしょうね。精神的に。凄いよなあ。尊敬の思いしかねえなあ。一度も海外、いったことないんでね、わたくし。村上さん、素晴らしい、僕もこんなことしたい!と憧れつつ、一切動かない自分がいる。はあ、切ないのう。

    女性が一切いない半島、って、どんな世界なんでしょうね?トルコの人は、ホンマに親切の度合いがタガが外れまくってるんでしょうかね?カビの生えたパンを食べる気持ちって、どんなんなんでしょうね?ウォータークーラーの水を飲んで、信じられないほど酷い下痢になっちゃう気持ちって、どんなんなんでしょうね?

    行かなきゃ分からないんだろうなあ。自分で体験しなきゃ、結局、本当の事はなんにも分からないんだろうなあ。

    いやはや、村上春樹さんの文章は、ほんとうにこう、いいものです。

  • かなりの数のひとを敵に回してしまうかもしれないが、村上氏の著書はあまり読みたくない。
    何冊か読み、面白さも知っている。だが、村上ファンの勢いに押されて、どうも読む気がなくなってしまう。
    「そんな人におすすめなのが村上氏のエッセイである。」、というのを某ブログで知った。
    「小説の内容が気に入らない人は、彼のエッセイを読むと、普通のおじさんだということが分かる」ということらしい。
    たしかに村上氏が期間限定でオープンしていた「村上さんの~(タイトル失念)」はよく読んでいたし、彼のエッセイは読んだことはない。
    トルコは大好きな国だし、読んでみようということで、手に取った。
    読んでみると、さすが世界の村上、秀逸な文章が目に付く。下記に秀逸だと思ったものを挙げる。

    ・信仰宗教について
    仏教徒と答えるよりは「ハイテク教徒」とか「高度資本主義教徒」と答えておけばよかったのかな、と思ったりする。そういうことについてなら、仏教に関してよりは少しは詳しく説明できる。いかにしてソニー・ウォークマンは誕生し、発展したか、とかね。

    ・下痢について
    その水は僕を無慈悲に打ちのめし、締めあげ、揺さぶった。まったく勝ち目はなかった。この下痢は―詳しい説明は省くけれど―凄かった。

    ・豆スープと黴パンで生きている猫について
    山をいくつか越えると、そこにはキャット・フードなるものが存在し、それはカツオ味とビーフ味とチキン味に分かれ、グルメ・スペシアル缶なんてものまであるのだということを。

    このエッセイを読もうと持ち出した朝、トルコで軍事クーデターが発生した。
    大好きな国でこんなことが起こってしまったという悲しさと、本書でトルコの軍事についての記述や本書が書かれた時も政情が不安定だという記述を読み、今後もトルコの政情(治安)は安定しないだろうと心が重くなった。
    私が旅行した時期は2010年で、なんでも中東が最も安定していた時期らしい。
    すべての問題が解決するとは思わないが、2010年後との治安状態に戻って欲しいものである。

    本書の内容とはずれてしまったが、村上氏の小説が苦手な人も十分楽しんで読めると思う。
    村上氏が本書に書いてあるようなサバイバル旅行をする方だとは知らなかった。
    ひとつ難をいうならば、本の結びが唐突すぎて、続刊があるのかと思ったくらいだ。これも村上式小説美なのかもしれない。

  • 地球上には、まだまだ辺境と呼ばれるところがたくさんあるのだということを感じさせられた。
    前半のギリシャ・アトスでは、カビの生えたパンを食べるところが、後半のトルコでは、子どもたちの群がり来る村を車で通り抜けるところとか、国道24号線を車で走る様子などは、まるで映画を見ているような迫真性であった。

  • ギリシャ正教の聖地であるアトス島と、トルコを1周した時の旅行記。
    たぶん読むのは2回目。

    何度読んでも、アトス島の教会に飾られている聖人の拷問の絵の描写に笑ってしまう。「この人はちょっと弱ったなという顔をしている」とかw
    アトス島は女性立ち入り禁止なんだけど、男装して入る人もいるらしい。そこまでの情熱はないけど、行ってみたいなあ。
    ウゾーとルクミとギリシャコーヒーの描写を読んでいるだけで、疲れた胃に色々染み込んでくるような気がしました。

    トルコはアトス島に比べるとなんとなく印象が弱いんだけど、そんなにいいこと書いてあった気がしないなあ。
    どうしても親日国のイメージがあるので、彼の描く少し暗い雰囲気の立ちこめるトルコは新鮮でした。

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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