雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 138
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001395

感想・レビュー・書評

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  • 著者が雨天炎天の下、ギリシャ・トルコ辺境を冒険します。旅行記ではなく冒険記といったほうがいいでしょう。
    崖を歩いたり、カビの生えたパンを食べたり、軍人に包囲されたり、かなりハード。
    それぞれの国の観光ではわからない本質のようなものが見えてくるような気します。宗教や文化の違いの大きさを改めて感じさせられました。
    しかし同時に、違いと言っても、日本の宗教も文化もよく知らず、おおざっぱな生活の違いくらいしかわかっていないことにも気付かされ、追体験のありがたさを感じています。

    細かく描かれているので、よくこんなに色々なことを覚えているな、と思っていたら日記を付けているとのこと。それも結構ハードな環境のなかで。著者のタフさには終始感心させられます。
    一生に一度くらい同じような体験をしてみたら人生がかなり変わりそうですし、同じようにタフになれそうです。

  • 普通のツアーでは行くことがない、ギリシャの女人禁制のアトス島、トルコを自動車で一周。面白くないわけがない。
    小説とは違った村上春樹の文章で、読む旅行記で、面白い。
    ヨーロッパへの難民問題を匂わせるトルコの風景描写があるのは、印象深い。

  • ギリシャとトルコ、(刊行当時は治安も安定し)風光明媚で異境感もある人気観光地であるが、そこは村上春樹、ギリシャはアトス島というギリシャ正教の聖地、トルコは黒海側のクルド人地区寄りというなかなか渋いセレクト。国際化から取り残されたような、文明的にも文化的にも特殊性が残る土地柄で相当ヘビーな場所であることが伺えるが、村上氏の文章を通して見る2つの国にはなんとも愛くるしい魅力に溢れた地域に思えるから不思議だ。死ぬほど甘ったるいルクミを食べてみたくなった。

  • 2019年8月31日読了。

    【ギリシャ・アトス】

    ●ギリシャ・コーヒー、ウゾーの水割り、ルクミ(甘いゼ
    リー菓子)…“アトス3点セット”

    ●ビザンティン・タイム(P46)
    →1日は日没に始まる。

    ●ギリシャでのジャッキー・チェンの知名度の高さ。

    ●ウゾー
    →ギリシャの焼酎のようなもの。
    アルコール度数が高く、匂いはツンと強烈で
    水を注ぐと白濁する。


    【トルコ】

    ●パンとチャイ。パンは世界的に見ても美味しい。

    ●クルド人の存在(P154)

    ●マルボロ1カートン持っていくと旅が楽!?
    とにかく要求されるし、渡すと話がスムーズに。

  • ギリシャとトルコの村上春樹による紀行文。

    かなりハードな冒険で、著者としても当時は若かったからできたのだろうなと思いました。かなり昔に書かれた本なので、今とは事情も変わり色々なことが改善されているのかもしれませんが、当時は色々なことが遅れていて大変な時代だったんだなと思います。
    今はこれらの町がどのように変わったのかとても気になります。気楽に行ける場所になっているのであれば、是非著者に再訪してもらって、紀行文を書いて欲しいです。

  • 愛は消えても親切は残る

    我々のためではない場所ーーそれが異郷である。

  • ギリシャのアトス半島のギリシャ正教の修道院を巡るギリシャ編と、パジェロでトルコを時計回りに廻るトルコ編からなる紀行文。
    村上春樹の表現力は流石としか言いようがなく、あたかも自分も辺境を旅したかのように引き付けられてとても面白かった。
    自分が絶対行かないと思われる辺境への旅を疑似体験させてくれた本書に感謝したい。

  • 全く未知のエリアであることと、30年も前の旅なので今とは勝手が違うことが相まって、エキゾチックな紀行文として楽しめた。かなり文句ばっかり言ってるなーっていう印象だったけど(笑)、破天荒な旅路も冷静に捉えて対処していたので、フラットな感情なんだろうなと感じた。アトス行きたくなった

  • ちゃんと副題に、「ギリシャ・トルコ“辺境”紀行」とあった。アテネとかイスタンブールのグルメやショッピングとかは皆無。ギリシャ篇はアトス半島訪問。女人禁制だから自分でいけないので、貴重な読み物。トルコ篇は国境地帯というか外周を三菱パジェロでグルッと一周。面白かったけど、国際事情とか、ちょっと古いなあと思ったら、平成2年出版。実用性はあまりなさそう(笑)

  • 男旅。そこから得るものは多い。

  • ギリシャの修道院への旅は楽しいものだった。
    私は読むだけでルクミ・アディクト になってしまった。

    ところが、トルコ編と来たら、もう、すっかり参ってしまった。村上さんのタフさに感激しながらも。

    でも面白いんだもの、文章も文体も大好きだから。またゆっくり追加の感想書きます。とりあえず、今夜の読書会に間に合った。やれやれ

  • 「ギリシャ・トルコ辺境紀行」
    ギリシャ編
    異国の異教徒が神様の国を旅するとこうなる。食事は大切。お酒もそこそこ大切だがまず食事。良い人にめぐり会えれば良い食事にありつけるということなのだろう。食事を提供してくれる場所も勿論大切だけど、そこに行くまではやはり人。

    トルコ編
    甘党でなくても、むしろ苦手でも、甘いチャイが美味しくてたまらなくなる気候なのだろう。そしてなかなか魚にありつけない、羊中心の文化。羊肉も食べればそのうち美味しくなるかもしれないのに、パンと野菜とチーズとチャイで生きる。人は親切で、こどもたちは好奇心旺盛。

  • 友人がトルコに旅行に行きたいというので読んでみた。
    20年以上前のトルコの情報だけれどとても生き生きしていて、今はどうなっているんだろうなんて気持ちで旅行に行くのもいいかもしれないと思った。
    村上春樹のエッセイは本当に楽しく読めるし、旅を楽しくする。
    今度旅に出たら、自分も粋な文章を書いてみようかななんて気持ちにさせる。やれやれ。

  • 物味遊山の旅行と思いきや、相当ややこしい場所に行っていて驚いた。状況をよく把握しないまま、ゲリラが跋扈するクルド人居住域に突っ込んでいったり、よくお咎めが無かったものだ。著者のサバイバル能力の賜物というより、単に運が良かっただけのように見える。あとトルコのぼったくりの常套手段、トルコ絨毯を高い金で買わされていたのには笑った。

  • 紀行文ギリシャのとある半島
    修道院巡りだが、そこは男のみ、動物もオスばかり
    その特異な状況に好奇心ふつふつで楽しく読んだ
    トルコ巡りはチトばかりトルコを上から目線的評価で戴けない。トルコからの抗議は無かったのだろうか?と気にかかるほどです

  • 面白かった。あまり行きたいとは思わない場所だけど、行った気になれた。

  • 異国の人を理解するには 言葉と宗教を理解することなのかなー。言葉は テクノロジーで カバーできるだろうから、宗教を知るのは 重要

    有名作家なのに コーディネーターなしで、危険な所に ガンガン行く ダイナミックな旅エッセイ。食や風景など 面白さだけの女性作家の旅エッセイとは 違うかも

  • 2016.11 本棚整理のため再読。評価変更☆3→☆4(3.5くらい)

    ギリシャのアトス半島と、トルコの旅行記。村上春樹らしさがでていて○。写真付きのハードカバーも出ており途中からは図書館でそちらを入手してより楽しめました。

  • 前半、ギリシャ は今なお女人禁制の半島アトスの修道院を巡る旅。後半、トルコを国境沿いに時計回り。イラン~シリア国境、当時の剣呑さも今やひなびた旧き光景…なんだろうか。

  • 村上春樹さんが、ギリシャのアトス半島に行った時と、トルコ国内をぐるっと車で旅した時の、旅行記のような本です。

    いやあ、凄いですね。敢えて苦労するべく、旅に出る。苦労を楽しむ。不便を楽しむ。楽しんでやるぜ、っていう前向きさ。貪欲すぎるなあ村上さん。凄いです、うん。で、超絶貪欲なんだろうけど、超絶物好き、ってかキワモノ好き、ってか、普通の人はそんなことせんだろう、行かないでしょ、そんなとこ。ってところを、ガンガンせめつつ旅しつつ、それでも、

    村上さんの文章はあくまで易しく、優しく、ユーモアと「やれやれ、まいったね。でもいいか」的お気楽さと、とにかく素敵な言葉に満ち溢れております。小説も良いけど、エッセイの文章の村上さんのかもしだす雰囲気、ホンマ、ええなあ~って感じですね。

    それにしても、こんな旅をしてたら、そうらもうね、めちゃんこタフになるでしょうね。精神的に。凄いよなあ。尊敬の思いしかねえなあ。一度も海外、いったことないんでね、わたくし。村上さん、素晴らしい、僕もこんなことしたい!と憧れつつ、一切動かない自分がいる。はあ、切ないのう。

    女性が一切いない半島、って、どんな世界なんでしょうね?トルコの人は、ホンマに親切の度合いがタガが外れまくってるんでしょうかね?カビの生えたパンを食べる気持ちって、どんなんなんでしょうね?ウォータークーラーの水を飲んで、信じられないほど酷い下痢になっちゃう気持ちって、どんなんなんでしょうね?

    行かなきゃ分からないんだろうなあ。自分で体験しなきゃ、結局、本当の事はなんにも分からないんだろうなあ。

    いやはや、村上春樹さんの文章は、ほんとうにこう、いいものです。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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