- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001401
作品紹介・あらすじ
せっかちで気が短い。占いには興味がない。最近の映画の邦題はよくないと思う。ときどき無性にビーフ・ステーキが食べたくなる。双子の恋人が欲しい。フィッツジェラルドとチャンドラーとカポーティが好き。この中で三つ以上思い当たる方は、誰でも村上ワールドの仲間です。はいほー!と軽やかに生きるあなたに贈る、村上春樹のエッセンス。安西水丸画伯のイラスト入り、全31編。
感想・レビュー・書評
-
村上朝日堂シリーズ。
1983年から5年間のエッセイで、大部分は『ハイファッション』という雑誌での連載という。
年齢的には、34歳〜39歳とのこと。
青春は終わった、と感じたりする村上さんである。
エッセイには、それを執筆中の割と短い間に考えていることがつづられる。その新鮮さが売りでもあるのだが、
34歳から39歳の間の心理的変化は結構大きなものなんじゃないかと思う。
所々に村上さんというパーソナリティーを感じ取れる。
一冊だけ本を持って無人島に行くとしたら何を持って行く?
本なんか持って行かなくても、自分が小説を書いちゃえばいいんじゃないか(そりゃそうだ)
原稿でもなんでも、前倒しに進めてしまわないと気が済まない。せっかちゆえに生まれる、ちょっと余った時間が好き。
映画にも、ロックにも、クラシックにもとても詳しい。でも、うんちくという角度では語らない。
そして、当たり前すぎてあまり気づく人は居ないのではないかということに気づいている。
アンケートというのは不気味かつ無意味な物が多い。う〜ん、そうかも。
日本は標語が多い。これは私は怖くなった。自分が気づかなかったことに。
朝ドラの背景なんかでよく目にするアレを思い出す。知らないうちに思想統制されているのかもしれない。
「1973年のピンボール」という小説を書いた縁で、ピンボールマシーンをもらったことがある。
ちょっと古い物だったが、その単純な機械の仕組みが好きだった。
引越しの時に、欲しいと言ってくれた人に譲った。
その大きな機械が引き取られて行く様子に、老いた馬が去って行くような寂しさを感じる村上さん。
そして、若い頃の貧乏を懐古して終わる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1989年6月12日 第6刷 再読
-
春樹が好きな作家を3人挙げるならスコット・フィッツジェラルド、レイモンド・チャンドラー、トルーマン・カポーティ、5人挙げるならさらにウィリアム・フォークナーとチャールズ・ディケンズと書かれている。前3人についてはいかにも春樹らしい名前だが、後2人についてはなるほどと思った。ディケンズとフォークナーねぇ。
-
村上春樹さんが、1980年代に書いた初期のエッセイです。かなり尖ってますよ。変人です。標語が嫌いらしいです。で、ラブホテルに、標語の落書きをとか書いてます。その文言が怖い。「終わると空しいでしょう」。ちょっと病んでますね。やばいです。でも、若いころの村上さんのちょっと偏屈で、外国文学とオペラが好きで投資が苦手で、なんか人間ぽいところは、すごく読んでいて楽しく、これが僕の産まれる前に書かれた作品だとは思えないのです。
http://kafuka.doorblog.jp/archives/17828175.html -
本書の「わり食う山羊座」を読んで、結婚を決めました。つれあいはてんびん座、そして私が山羊座。結婚すると長続きするとか。今年(2018年)23年目になりました。なぜかこのあたりのエッセイが全然あがっていなかったので、本棚に入れました。
-
この人のエッセイは読み易い。
それぞれちゃんと練られてて安易ではない。
こういうの読むと起承転結って大事だと思う。
そこらに溢れている雑文とは違う。
それにしても時代ってかわるんだなぁ、激しく。
「うさぎ亭」とても気になる。 -
軽い文体で読みやすい。
ポップな内容だが、その背景には膨大な知識量が顔を覗かせる。
示唆に富んだ表現も多く、読み返したくなる一冊。 -
この時代の村上春樹のエッセイ、だいすき。ことばのチョイスとか生活の仕方とか好みとか、ぜんぶいいなあ。
-
再読 19951202 19960710
-
再読。実家から持って帰ってきた本の一冊。
やっぱりおもしろい!
特に「わり食う山羊座」はそうだ!そうだ!!と共感します。
そして今でも通用する話も出てくる。
楽しい時間でした。