ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001418

感想・レビュー・書評

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  • 誰かも言ってましたが、村上さんの食べ物を描く表現力は素晴らしいと思います。冒頭に出てくるスパゲティ、食べたい!

  • どう展開されてくのか楽しみ

  • 前半ののんびりした雰囲気何一転して
    後半の間宮中尉の体験談があまりに壮絶すぎてこの本の感想はそれだけしか残らなかった。
    特に山本が生きたまま皮を剥がれて殺される描写はあまりにもえぐすぎて夕飯までに食欲が戻る自信がない。
    とりあえず気になるんで第二部へ。

  • 2013年第一弾本。
    細かく言うと、年末から読み進めてたから年越し本ともいえる。

    実は2回目。

    だけど、他の春樹本がすべからくそうであるように
    一回目より二回目、二回目より三回目の方が面白く感じた。
    あるいは理解が深まった、というべきかも。

    第一部で強く印象が残るのはやはり、
    間宮中尉の話だ。
    それほどの細かな描写があるわけではないのに、
    太陽を背に絶望を持ってこちらを見下ろすロシア人将校が見える。
    モンゴル軍人の卑猥な薄ら笑い、
    顔にまとわりつく砂利、
    将校の清潔で瀟洒な靴の硬さ。

    気が遠くなるほど広い砂漠、
    井戸の壁の冷たさ、
    『光の洪水』と例えられた陽光の強いエネルギー。

    それらを、そこにあるものとして感じられる。

    読書の醍醐味が全てここにある。

    人生の真の意義とはこの何十秒かだけ続く光の中に存在するのだ。

    この言葉が、一番残ったかなー。


    小説を読んでの考察とかはあまり好きではないのですが、
    カフカしかり、他の作品しかり、
    『何らかによって一度(物質的にではなく)死んでしまった人たち』
    がやはり出てくるんだなーと。
    死と生の間の存在というか。

    こういった人たちが出てくる度に、
    村上さん自身の身の置きようというか、
    一体いつもどういった精神状態で作家活動をしているんだろう?
    と、思わずにはおれません。

    カフカにおけるさくらのような、礎のようなものがあるとしたら何なんだろう?

    どうやってこの世界との折り合いをつけているんだろう?
    そのくらい、読者も世界に引きずり込まれてしまうので。

    そんなようなことを思いつつ、第二部にいってきます。

  • やっぱり不思議なところがありながらも面白い。
    引き続き読むのを楽しむ。

  • 20年を経ての再読。
    読み返すと、彼が執筆してきた経歴がただモノではなく、年輪のように積み重なってきているのが認識できる。
    文章構成、比喩暗喩、言葉のレトリック、人物構図とその人物に与えたキャラクターの意図に唸る。

    顔のない男も出てきた・・無声に繋がり、やはり・・というか性夢。それは謎の女の電話にも連なっていく。

    クミコと両親、1巻で詳しく語られるワタヤノボルの人物像。春樹さんがこういった類をいかに評するかの基が垣間見えて面白い。

    僅か312㌻で展開する最後の構図、ノモンハン、間宮。なぜここに焦点が当たったのか。
    皮を剝ぐ残虐シーンも然る事ながら、1,6㍍の深い穴に投げ落とされた時、一日の間一瞬だけ射す光、それに感涙する間宮の情景・・何らかの啓示に繋がっていく感じ。
    他作品で登場するインカの井戸・・古代文明では一日、一年と光がある決まった線、ポイントを射すことが既に分かっていたことが判明している。

  • 三部まで読んだが、ギリギリ4という評価だった。
    村上春樹独特の雰囲気と、文体はいつも通り健在だったが、た作品に比べるとユーモアが少なく、作中一貫して暗い雰囲気が漂っていた。まさに「枯れた井戸」の中で読んでいるような感じだった。作中の登場人物は相変わらず個性的で、笹原メイの現実に生きる人間としての象徴、マルタとクレタの非現実的象徴。シナモンとナツメグのキーポイント感、そして何より綿谷昇と久美子の圧倒的存在感。
    村上春樹の作品について語るにはまだまだ読みが浅く、憶測の域を出ないが、何となく描きたい世界観をわずかに垣間見ることができたような気がした今作だった。
    作中にとって大事な場面なのでしょうがないとは思うが、間宮注意の過去回想は正直言って、題名の通り長く、少し退屈だった。相変わらずのリアリティを貫いてはいたが、もう少し短くても個人的にはよかった
    自然に囲まれた歴史がある見知らぬ土地にでも出向いて、天気が晴れて静かだったなら、この本をまた読んでみたいと思う。井戸の中でとは言わずに、笹原メイの自宅の庭のような場所がどこかにあったのなら、知覚には鳥の彫刻が空に向かって意思表示をし鎮座していてもいい。

  • 全体的に淡々と話が進む。後半の間宮中尉の話が印象的。性的な描写も少なく、今まで(自分が読んだ中で)の主人公とは少し違う感じ。話の山場はまだ来ていない。

  • 正直めちゃめちゃ難しい
    精神世界の話の繋がりをこうやって言語化してかつ物語として示せるのは凄いとは思うけど、読解力不足でした…

    それでもユニークな登場人物の語りがとっても引き込まれる
    色々と知識不足な所もあるので、何年か後また読み直したい

  • 第一部ページをめくる手が止まらなかった。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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