ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001425

感想・レビュー・書評

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  • 凄く面白かったーー
    2部、夢中で読んだ。何が面白いのかよく分からないけど何だかとても興味深かった。
    それぞれの人物の長い話がいい。なかなかこんなにその人にあった出来事や思ったこと考えたことを聞く機会ってないから。
    全然共感出来ないことも多いけどわかるなって部分は凄くああ、ほんとにそれなんだよ、、と思わされる。
    そんなふうに思ってしまうことが自分の欠点なのかと思ってたことも、実はみんなそうなのかも。と思える。
    引き込まれる文章が書けるだけでもすごいなぁと思うのにこんなに人の感情や欲情を知っていてそれを言葉に出来るのがほんとにすごい。
    でもそのわりにオカダトオルについてはなんかいまいちどんな男性なのか掴めない。
    色々考えてるし行動してるけど突拍子もないというか。。そうゆうとこよ、、と言いたくなっちゃう。
    最後謎の電話の女について彼が思い至った結論がびっくり。なんておめでたい思考の人なんだーと思ったけれど、でもそうなのかもなとも思う。
    愛しているし上手くいっててもなぜか(試したくなるのかな、)あえて壊したくなるというかその道をはずれたくなる、でもそんな自分も許せなくてちゃんと捕まえてて、引き留めてと心の中では訴えてる、でも身体は別の方向に進んでしまう、みたいなそんな気持ちが電話の女になって表れたのかな…

    オカダトオル全然働き始めないし閉ざされた世界にいるわりに間宮中尉や叔父さんという素晴らしい人達がいて羨ましい。
    大事なことのためにどうでもいいことに時間をかけてみるって実践してみようと思った。

  • ドストエフスキーとかを読んだ後だと文体との馴染みというかこんなにスラスラ読めていいの?と不安になるくらい、読ませる。
    村上春樹の長編にありがちな構成だが前半と比べるとキャラ設定も馴染んできた中盤にこそイデア界というかメタフォリカルな現象が頻発する。だからこそ解釈が非常に難しい。難しいのに描写があまりにもリアルでメタファーの意味とかそういうことの前に情景がすうっと、ぬるっと入ってくる。
    井戸から見上げる空や星、光の描写は何度読み返しても圧倒される。メタファーの意味とか考えずに大雑把に読み進めつつ、完結へ。

    それにしても第一部から感じていたことだけれど主人公とクミコの夫婦関係について、村上春樹自身はどう考えているか気になる。やっぱりどんだけ長い間同じ屋根の下で暮らそうとも絶対に分かり合えない部分があると村上春樹自身も考えているのだろうか、、、?夫婦とか家族はある種、幻想で暫定的なイメージを交換し合うだけという部分もあると考えているのだろうか、、。だいたい奥さんに逃げられるよなあ主人公。

  • いろんな不思議なキャラクターが登場するのが面白い。
    リンクが張り巡らされている。
    中には、ちょっと都合がよすぎる、という展開もある。
    ちょっと雑だな、と感じた部分もある。
    ひとつひとつの部分が、からみあって意味を作り出している。
    それを感じて読んでいくのが楽しい、と思った。

  • 村上春樹作品はなぜかわからないけど、するすると読める。第二部も然りであったし、特に最後の方の市民プールのシーンは日本語の美しさのようなものを感じた。けど、何が言いたいのかはちょっとよくわからない。けどそこがいいのかも。

  • 本当は舞台を見る前に読み終わりたかったのだけど、2巻の半分で時間切れ。
    感想はまとめて3巻目に。

  • やっぱり好きです。
    よく分からないけど、好き、でいいんでしょうね村上春樹さんの作品は(笑)

    本当は舞台を見に行く前に読み終わりたかったのだけど、間に合わず。
    やっと2部を読み終わりました。

    村上さんの作品には井戸がよく出てくるけど、井戸の中、っていう設定がこの作品はいいです。
    私も入ってみたくなる。

    最後の、謎の男を追いかけるあたりからの色彩鮮やかな追い込み、一気に読んでました。

    舞台で見たシーン、セリフがオーバーラップしながら、どんどん楽しみになってます。
    にしても、2部と3部の間で1年か…当時はここで終わったのか。随分待つことになったんだなぁ。

    まだ3部を購入出来てないので、早く手に入れようと思います。

  • なんでかわからないけど、自分も井戸に入って思考にふけりたくなった。

    あっちの世界へ行くことはできなくても、何にも邪魔されず自分自身の思考を深めたり、空想にふける機会がほしいなぁなんて。

  • 物語が面白くなって来たところ。
    前半はようやく空き地の井戸の中へ…第一部の後半で語られた戦争中の井戸とどんな関わりがあるのか、第三部が楽しみ。
    後半の最後では、謎の電話の女がクミコだと明かされて驚いた。クレタだと思っていた…最後にプールで意識を失っている時に水がある井戸の中で聞いた馬の声は、戦時中の中国の井戸とつながっているのかな…

    月の話が出てくるところとか、意識で交わるとか、通過するものの話とか、1Q84でも似たような話があったなあ

  • 登場人物の行動に必然性を感じない。なぜ主人公は井戸に入ったのか、なぜ加納クレタは主人公と寝たのか、クレタ島に行こうと誘ったのか。しかしそれでもこの物語は村上春樹にしか書けない、凡庸の対極の世界観に満ちている。

  • 井戸の中

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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