辺境・近境 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2086
レビュー : 157
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001487

感想・レビュー・書評

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  • 香川県人を短時間で理解している。

  • 友達が「春樹のは小説より旅行記の方が俄然おもしろい」ですと。だよねー。
    この夏は旅の計画なんか立てなかったけど、色んな意味で旅みたいになってしまった。ほんとに。
    最近本読まない。去年は100冊も読んだのにね。だからって、「今年も100冊や!」とか言って本を読むってことはしたくないけど。
    でも読まないことでいろいろ気づくこともある。ひとつは、それまでの本の読み方(向き合い方)が、〈本を読む〉というところに至っていなかったかということである。何か読んでるというよりかは、ただどうやって字を追うかとか、どうやって理解していこうかとか、そういう読書法のようなことばかりに意識が行って、肝心の読書がおろそかになっている感じ。それはそれで、おもしろいことを思いついたりするわけだけど、よけいなことに気をとられて頭でっかちになりがちである。本を久しぶりに読むことで、そのような違和感を感じ得た。
    ギターを一年やって、ようやく体を動かすだけじゃギターは弾けないということがわかりだした。体を動かすことは演奏にとって重要なことだけど、そこが先に立ったら行けない。感性だとか言うものを中心にして、音の響きだらなんだらを創造すべく、然るべき体の動きを編み出すのだ。本を読むこともそれと同じで、感性を中心に、然るべき読みを行うのだ。
    でもそれは成長の段階として当たり前の事だ。改めて痛感した。まずは体を型にはめてみなければ感性も行き場を失う。こういう事を考えるにいたったのだって、体を必死に型にはめてきた故だ。型について考えたら、型のないものについても考えたくなる。「物理的なことであると同時に心的なことなのだ。というか、心的であると言うことはそのまま物理的なことなのだ。(P289)」みたいなね。

  • 面白いことには面白いんだが、この作家のものにしては珍しく読みずらい、どことなく。
    メキシコやノモンハンの重さからくるものなのか何だか分からないが、ともかく若干難渋。むしろうどんの話にほっとしたりして。
    しかしこうやって作家は旅をして、その経験が作品に戻ってくるのかねぇ。誰かがまた何か言い出しそうな気がするな。

  • ノモンハン旅行記が白眉。歴史観がストレートに綴られている。ノモンハンで無為に死んでいった者への眼差しが印象的だった。著者がかつて言っていたこと(「壁と卵」など)を振り返っても、システムの暴力性vs個の無力という世界観が著者の重要なテーゼなのだろう。

  • 150923読了

  • ノモンハンが結構インパクトがあったなあ。政治性からは距離を置いている作家さんのイメージがあるけど、意外と踏み込んだコメントもあって新鮮だった。

  • 神戸編を読む。都合で芦屋に住むことになった友人と芦屋•神戸を歩く。「jamjam」というジャズ喫茶に2日続けて行きコーヒーを飲み、「ピノッキオ」にて1,283,946枚目のピッツァを食べ、ビールを飲んだ2014年の夏。

  • 村上春樹に珍しい紀行文で新鮮。『ノモンハンの鉄の墓場』は小説を読んでるかのような圧倒的臨場感。『神戸まで歩く』の阪神大震災と高度成長期の列島改造計画で様変わりした故郷への複雑な感情は間違いなく1973年のピンボールの下地となったものだろう。

  • 日本を離れているときに旅行記を読むということは、移動せずに旅行記を読むよりもなにかしら良い意味を持っているのではないか。村上春樹の観察眼は小説家というよりも人間として非常に優れているように思われるし、ユーモアのセンスは尋常ではなくて読むのに楽しい、なんだけれども、村上春樹の物の見方、旅行中の物の見方にはすごく勉強させられるものがある。細かく捉えるんだけれども分析的なわけではなくて、漠然としたイメージを把握しながらそれを人生の波のなかに吸収していくかんじ。勉強になります。

  • 村上春樹さんの旅行記。残念ながら奥多摩は出てこなかったけど、誰もが行くような大都市や観光名所への旅行でなく、マイナーな、誰も知らないような場所に行ってみた旅の記録はなかなか知ることができないだけに興味深かったです。人のいないとこって、やっぱ魅力的だなぁ。。そしてそういったローカルな場所の人の優しさが、よく伝わってくる一冊でした。

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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