神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 845
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001500

作品紹介・あらすじ

1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる…。大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた-。深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。

感想・レビュー・書評

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  • 孤独なんて、みんな同じ。何も気にすることはない。
    それに、実際中身なんてからっぽだ。
    何も気にすることはない。

    自然のもたらす災害のこと思うと、人間なんてちっぽけな存在だ。
    それでも心は石ではなく、人は温かいものを求めているのだね。
    最後の「蜂蜜パイ」で、ほっこりとした気持ちになれてよかった。

  • この本は、「きっとひなちゃんは好きだよ」とおすすめされたので読んだ。かえるくんと蜂蜜パイが好きだった。特に蜂蜜パイはとても良かった。短編ばかりでさくさくと読める。

    阪神淡路大震災の色がとても濃い、ただそこにおけるメッセージ性を抜きにしても楽しめる。

    この中二腐さがいいんだなって今やっとわかった。わたしが中二病だったから、ずっと春樹を避けてたんだな。サリンジャーが大好きなのに、春を受け入れられなかったのは、サブカル女と言われるのが怖かったんだな!

  • 全てが面白い!!!かえるくんと、蜂蜜パイが自分好み。

  • 再再読。

    今日も、どこかで、誰かが、
    自分の周辺の小さな世界を
    そっとなだめているのかもしれない。
    その人の心の深いところで。

    その人にとっては、とても大きな、
    けれど人から見たら小さな何かを乗り越えて、
    自分の力で、誰かとのつながりを
    結び直そうとしているのかもしれない。

    ときどき
    あまりにも大きくてあらがえない自然の流れは、
    人間の心に
    ぽっかりと暗い暗きょをもたらす。

    けれど、内側の光は
    どんなに小さくなっても、
    じっと見つめることさえやめなければ
    だんだんと、静かに育って、
    大きな光になっていくんだ。

    そんなことを思って、胸があたたかくなった。

    自分の中にある、まだ
    うまく言葉にはできない領域。

    その、簡単にはとてもほどけそうもない、
    こんがらがった領域にこそ、
    きっと手がかりはいっぱいある。

    そこがつながりの始まりなんだと思う。

    自分の小さな手の中で、
    光をあたため、見守り続けること。
    人はもっとそういうことを大事にしていい。

  • 村上春樹を読んでわかったことだが、村上春樹の小説には一貫したテーマはない。

    あるのは、ただの物語。

    殺人事件などのミステリー小説、青春系の感動小説には、主人公が追い求めるものや悩むことがあり、それが大抵はテーマとなる。

    だが、本作を読んでわかったのは、村上春樹の小説には意味などない。

    ただ物語が存在するだけなのだ。

  • まさかこの震災のあとに
    東日本大震災が起きて、大阪も揺れて、
    北海道も揺れるなんて思わなかったよなあ。
    村上春樹は夜の描写がすき

  • 地震。
    全体的にうっすらと憂鬱なトーン。
    終わりが蜂蜜パイで良かった。

  • ふくぼん読書会の、課題本。

    1995年の地震のあとで書かれた短篇作品7つで構成されている。
    地震の前と後でなにが変わったのか。

    かえるくん東京を救うは、片桐さんの心の中で起こったことだったのか。

    「僕は純粋なかえるくんですが、それと同時に僕は非かえるくんの世界を表象するものでもあるのです
    」とは。
    目に見える世界が本当のものとは限らない。まさにこれが、キーワードなのか?

    タイランドの

  • 通勤電車の中で読破完了。

    阪神淡路大震災を絡めた6つの短編集。
    各短編とも村上春樹らしさというか、
    独特の世界観というかが出ていたと思う。
    最後の短編(蜂蜜パイ)だけは
    そこまで「らしさ」を感じられなかったのだが
    その短編が一番今の自分にはぐっとくるものがあった。

    あるきっかけで、
    人は変わり、
    人は前に進むのだと感じた。
    かつての自分のように。

  • 阪神大震災、オウム真理教の一連の事件等を通じ、
    我々日本人は心の奥底にあった、なにやら正体不明の漠然とした不安と向き合わなければならなくなりました。

    小説内の6つの短編はいずれも、阪神大震災とは直接関係のない人物や土地の物語であり、その設定が「正体不明の不安」であり、かつ「確かにそこにある不安」を顕著にさせているようです。

    その不安は小説の中で解決はされません。再生されることなく各短編の各々の主人公達は現実に晒され続けています。

    「それでも生きていく」

    そんな現実に晒されています。
    だけど、最後の「蜂蜜パイ」では、そんな現実に対抗?(上手い言葉がわかりません)するヒントというか光明が示されているようで、救われる気分がしました。

    「それでも(みんなで)生きていく」

    正体不明の不安の中にも、正体不明の安心があるんだと思います。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年5月9日、対談集『本当の翻訳の話をしよう』を刊行。5月10日、両親と過ごした幼少期と父親の戦争体験、そして自身が親の語りをどう受け止めかたを記したエッセイ「猫を棄てる」を『文藝春秋』に寄稿し、話題となる。

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