神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.49
  • (490)
  • (995)
  • (1857)
  • (157)
  • (36)
本棚登録 : 8550
レビュー : 850
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001500

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 初めて村上春樹を読んだのが、この本。
    まずは文体にハマる。また、オリジナリティのある言い回し。そして一番は、上手く言葉で表しにくい事柄をサラりと書いてしまう。
    以後、短篇・中編・長編の同氏の小説作品は、ほとんど全て読んでしまいました。参りました。
    好き嫌いはあるでしょうが、私はこの雰囲気…好きです。

  • 神戸旅行に偶然持参してました。
    評価の高い蜂蜜パイが読みたくて。タイランドが好きだ。

  • 阪神大震災が起きた事にまつわる短編集。

    直接被災した訳ではなく、震災が起きた事で遠い場所に住む人に出た心境の変化、死を意識したりなどの変化を語った感じ。
    「地震男」という形をとって死をイメージした子供や、震災によって今の自分の生活・人生を見直したりという分かりやすいのから、東京でもみみずくんによって地震が起きるからそれを一緒に阻止する戦いに来て欲しいとかえるくんに頼まれたり、色々なパターンがありました。

    「タイランド」の二ミットの台詞が印象的でした。
    「生きることと死ぬることとは、ある意味では等価なのです」
    年齢的に死を意識するようになる、だけじゃなくて何才だろうが生きながら死に向かってはいるんだと意識させられました。
    今の自分は何割死んでるのかな、と考えたりしました。

  • 作品の根底にあるのは阪神淡路大震災。しかし暗喩よりもっとどこか遠くに横たわる出来事のように描かれる、6つの物語。ある日突然人生観が変わる出来事が起こったら、ある日日常生活に非日常が紛れ込み現実が混濁したら、我々はそうした不安定な意識のなかに生きているのかもしれない。

    全体的にはそれほど印象には残らなかったが、『蜂蜜パイ』は現代のおとぎ話のような不思議な魅力を持った作品であった。後悔と安らぎは常に繰り返し、永遠に続くようなバランスでもちょっとしたきっかけで脆く崩れるものだし、だけれどもちょっとした形で新しい形でバランスして人生は進んでいく、鮭がいなくなったあとの蜂蜜パイのように。

  • 「かえるくん、東京を救う」「蜂蜜パイ」の2編が特によい。誰かや何かを守ることについて。

  • 短編集
    アイロンのある風景と蜂蜜パイの話が良かったけど、
    ものすごいよかったかというと、うーんという感じ。
    全体的に自分には響ききらなかった。

  • タイランドとかえるくんと蜂蜜パイがたまらなく良かった
    素敵な音楽を聴きながら読みたい本

  • "20120422(日)Eテレで「課外授業ようこそ先輩で」作家の岩崎夏海「もし高校野球のマネージャーが」の著者が、この本に収録されている『かえるくん、東京を救う』で授業をしていた。
    面白そうだったので購入。

  • 6編の短編には、いずれも’95年1月17日の阪神淡路大震災が登場するも、惨状や被災地としての神戸が登場するわけでない。共通の背景として出てくる程度。ただ、大震災や同時期に起こったオーム真理教による無差別テロが平穏な日常を無惨に壊していったことを目の当たりのし、激甚被災地のど真ん中にいた者のひとりとして、’95年のあの時の重くて澱んだ空気感をいずれの小説も孕んでいるなぁと強く感じた。

    ●UFOが釧路に下りる
    阪神大震災の報道をひたすら見ていた妻が突如蒸発。「あなたは良い人だけど空気の塊のような人だ」と書かれた手紙と共に離婚届が届き、離婚へ。茫然自失の中、友人から休暇を勧められ、その友人から釧路で待っている妹にこの箱を渡してほしいと。その釧路で不思議な話を聞かされる…。

    ●アイロンのある風景
    茨城の小さな海岸の町が舞台。父親との関係が悪く家出してきた女性と同棲中に大学生、神戸に家があるが、この町に住み時折流木を集めて海辺で焚き火をする初老の画家。この3人が焚火を囲んで語る一夜の物語。

    ●神の子どもたちはみな踊る
    母親は完璧な避妊をしたにもかかわらず妊娠したことで神の子と呼ばれる青年。父親は耳のちぎれた産婦人科の医師だと聞かされ、ある日その父親らしき男を見つけ、尾行を始める。

    ●タイランド
    アルコール依存と女の影がちらつく夫を憎み、阪神大震災で死んでしまえばいいと憎むほど傷心の女医。学会の後、一週間の休暇を取りタイの田舎へ。その間、ガイド兼運転手の男との交流を通じて、生きること、死ぬことの意味を考えるの主人公。

    ●かえるくん、東京を救う
    ある日、かえるくんが主人公ところに現れ、巨大なみみずくんが新宿の地下にいて地震を起こそうとしている。みみずくんと闘い、何としても地震が起きないようにしないといけないから手伝ってほしいと告げられる。

    ●蜂蜜パイ
    早大文学部で出会った高槻と小夜子と西宮夙川出身の主人公の3名はいつも行動を共にしていた。ある日、高槻と小夜子が付き合っていることを知り深い悲しみに。やがて主人公は小説家となり、高槻と小夜子は結婚、子どももでき、3人から4人の関係になっても以前と変わらぬ関係は続く。

    どの小説もどんなエンディングが用意されているかが楽しみで、とにかく読んでいて面白かった。とりわけ「蜂蜜パイ」が秀逸。この小説と似通った設定が、2005年に上梓された「東京奇譚集」の中の「日々移動する腎臓のかたちをした石」の主人公と酷似。この「日々移動する腎臓のかたちをした石」もめっちゃ好きな短編。

    村上春樹の小説、とりわけ短編を読んでいる間は、しょっちゅう「示唆」と「暗喩」の2つの言葉が頭の中を往き来する。今回の短編の中で、その筆頭は「かえるくん、東京を救う」ですかね。村上春樹ワールド全開のファンタジーは、実に“タチ”が悪いっス!

  • 何もかもが一瞬で無くなったとしても、愛すべき人や家族を失ったとしても、生き残った人は前に進む事しか出来ない。いつまでもその場所に佇んでいても何も変わらない。村上さんの短編はそれぞれの人生をこの作品を通し、震災に遭った人達が立ち直るキッカケとしてそっと応援している感じがしました。震災から長い年月が経ちましたが、やはり今でも思い出してしまいます。。。

全850件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)のその他の作品

村上春樹の作品

ツイートする