- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001524
感想・レビュー・書評
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エッセイは普段知らない作家の素顔を知れる機会ですよね。
本作品は、雑誌ananに一年間連載されたエッセイをまとめたものです。
「きんぴらを作るときに村上さんはニール・ヤングをBGMにするのか」とか「ニューヨークに行くときは朝のセントラルパークを走るためにその近くに宿を取るのか」と話をまるっと信じちゃいます。
しかし「真っ白な嘘」にあるように、村上さんは " 害のない出鱈目な嘘 " をつくのが好きとのことで、エッセイのなかでもけっこうな数の冗談・嘘をいいます。
そしてそれがリアル。
村上春樹の日常を知りたいと前のめりに読んでいてそういう嘘に出会うと「へぇ〜そうなんだ!・・・って嘘かぃ!!」とけっこう振り回されます。
「けんかをしない」のエッセイで、「仕事がら、いろんなところでいろんな人にひどいことを言われる」と言われるそうですが、この本を読むと村上春樹のホントとウソが分からなり、それも仕方ないんじゃないの?苦笑 と思ってしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
村上春樹氏の肩の力を抜いた他愛もない話と大橋歩氏のヘタウマ的なゆるくて可愛らしい挿絵が相俟って何とも言えぬ味わい深いを生み出している。『an・an』に連載されていたエッセイなのね。納得。取り留めのない話のなかにも時おりハッとさせる本質めいた言葉が散りばめてるのはまさに村上春樹ならでは。Macintoshが立ち上がるまでの間に読んではいかが?(詳しくは本編。と書きつつも、いまのPCはSSD起動なのでそうした「間」はなくなってしまったが)
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50遍のエッセイ。隙間時間にサクサク読める。こういう随筆を書いてみたいと思うけど、簡単そうに見えて、実際はバックグラウンドとして膨大な教養と人生経験が必要なんでしょうね。
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村上春樹さんの文章と大橋歩さんの版画で構成された50編収録の好エッセイ集ですね。本当に素晴らしい内容でお世辞抜きにして全部の頁が心から楽しめましたし今後も何度でも読み返せそうな気がしています。大橋さんの素朴なイラストもそっと文章に寄り添って心を癒やしてくれますね。村上さんは食べる事、古い音楽を聴く事、動物を愛する事、風景を愛でる事、等々の全部をひっくるめて失敗さえも良い思い出と捉えながら過去・現在・未来の人生を肯定的に愛されているのだなと強く感じましたね。順番に短い文章での要約に挑戦してみますね。
人間の実態は変わらない・素晴らしい効用のある映像は手にし難い・ずるずるずる!・悲運の焼かれたブラジャー・がんばれ、全国の猫山さん・うなぎはかなり特殊な食べ物・実在した死の感触・知事さんとイージーさ・柿ピーは公平に・人生のやり直しは嫌・サビのないのは疲れる・料理は空気つき・リンゴの唄を歌おう・料理作りに最適な音楽・失恋猫と切れ猫・スキヤキでいいじゃん・さださんもヤクルトファン・昔の雑誌の回想・中古レコード万歳・側に動物がいる幸せ・演劇を観るスリル・ひげ剃りの真実・ドーナッツのルーツ・リヒテル「版画」の思い出・さだヴァッシングと似ています・五月蠅い機内アナウンス・熱々のコロッケパンにかぶりつく喜び・教師失格・幸事魔多し・ちらし寿司の魔力・悪夢の宇宙便所・広い原っぱの記憶・童話の楽しさ・音楽への愛・美味しいブラッディ・メアリを飲みたい・害のない嘘が良い・動物園の檻の中に入るのもいい・ハンサムでなくていい・円周率の宇宙への発信が心配・美しいはやぶさとの邂逅・若い内に恋をしよう・食堂車の不味い料理は最悪・長生きも困る・骨董屋での災難・悪口を喜べ・柳の木の風情・体重計と仲良し・ゴルフとの接点・走る喜び・20世紀との別れ -
ラジオから流れてくる話のように、さらさらと聞き流せる(読み流せる)文章。
どうでもよくて、なんの教養にもならないけれど、カフェに入って本を開くとなんだかリラックスできる。
そんな文章たちのエッセイです。
嫌いじゃないなと思います。
オススメは「これでいいや」。
僕も、僕の考え方や、感じ方や、好みや、話し方や、そんないろんな要素を総合して、僕ととらえ、気に入られたり気に入ったりできればいいなと思います。 -
村上春樹のエッセイは、とてもいい。どの話もほんわかした感じが微笑ましいし、ときおり紹介される音楽や本なども、ちょっと聴いてみたい、読んでみたいという気持ちにさせられる。うまいなあ。
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図書館
予約中 -
「酒のほそ道」からの派生。柿ピーの話。
(260)
[more]
(目次)
スーツの話
滋養のある音楽
リストランテの夜
焼かれる
猫山さんはどこに行くのか?
うなぎ
ロードス島の上空で
にんじんさん
柿ピー問題の根は深い
跳ぶ前に見るのも悪くない〔ほか〕 -
愛してやまないドーナッツ、コロッケの話、時に深刻な事態に発展する柿ピー問題、信用できないデジタル式体重計、尊敬すべき猫山さん、「かなり問題がある」自分自身、宇宙に発信される円周率とそれを唱えるおじさん……日本を代表する作家・村上春樹の、軽妙でラフな書き口がたまらないananに連載されたショートエッセイ。
春樹のエッセイが読みてぇ~~!!!ってなったのでブクオフで購入。私は基本エッセイにだけは手を出さないようにしているのですが──というのもやっぱり文章においては作家と作品はわけて考えたいので、エッセイ読んでえーこんな人だったんだなんんか好きじゃなーいと思うと文章まで好きじゃなくなってくるので(だからあとがきも読まない) ですが春樹はエッセイ読ませろ~~!!ってくらい文章が好きなので自主的にエッセイを買いました。人生30年以上生きてきて初です(作家はね。声優さんとかは買ったりしたけど)
2ページですぐ読めてしまうほんとに手頃なエッセイなんだけどもう読むたび爆笑してたww も~~ほんと面白い! よくこんなこと考えつくな…とか意外と庶民派だなーとか奥さん何者やねん…(マジで存在が謎)とかいろいろ思ってるうちにすーぐ読み終わってしまいました。2と3もあるので買わなければ!春樹が足りないんじゃ春樹が