村上ラヂオ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 309
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001524

感想・レビュー・書評

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  • エッセイは普段知らない作家の素顔を知れる機会ですよね。

    本作品は、雑誌ananに一年間連載されたエッセイをまとめたものです。
    「きんぴらを作るときに村上さんはニール・ヤングをBGMにするのか」とか「ニューヨークに行くときは朝のセントラルパークを走るためにその近くに宿を取るのか」と話をまるっと信じちゃいます。

    しかし「真っ白な嘘」にあるように、村上さんは " 害のない出鱈目な嘘 " をつくのが好きとのことで、エッセイのなかでもけっこうな数の冗談・嘘をいいます。

    そしてそれがリアル。

    村上春樹の日常を知りたいと前のめりに読んでいてそういう嘘に出会うと「へぇ〜そうなんだ!・・・って嘘かぃ!!」とけっこう振り回されます。

    「けんかをしない」のエッセイで、「仕事がら、いろんなところでいろんな人にひどいことを言われる」と言われるそうですが、この本を読むと村上春樹のホントとウソが分からなり、それも仕方ないんじゃないの?苦笑 と思ってしまいました。

  • 村上春樹氏の肩の力を抜いた他愛もない話と大橋歩氏のヘタウマ的なゆるくて可愛らしい挿絵が相俟って何とも言えぬ味わい深いを生み出している。『an・an』に連載されていたエッセイなのね。納得。取り留めのない話のなかにも時おりハッとさせる本質めいた言葉が散りばめてるのはまさに村上春樹ならでは。Macintoshが立ち上がるまでの間に読んではいかが?(詳しくは本編。と書きつつも、いまのPCはSSD起動なのでそうした「間」はなくなってしまったが)

  • 50遍のエッセイ。隙間時間にサクサク読める。こういう随筆を書いてみたいと思うけど、簡単そうに見えて、実際はバックグラウンドとして膨大な教養と人生経験が必要なんでしょうね。

  • 村上春樹さんの文章と大橋歩さんの版画で構成された50編収録の好エッセイ集ですね。本当に素晴らしい内容でお世辞抜きにして全部の頁が心から楽しめましたし今後も何度でも読み返せそうな気がしています。大橋さんの素朴なイラストもそっと文章に寄り添って心を癒やしてくれますね。村上さんは食べる事、古い音楽を聴く事、動物を愛する事、風景を愛でる事、等々の全部をひっくるめて失敗さえも良い思い出と捉えながら過去・現在・未来の人生を肯定的に愛されているのだなと強く感じましたね。順番に短い文章での要約に挑戦してみますね。

    人間の実態は変わらない・素晴らしい効用のある映像は手にし難い・ずるずるずる!・悲運の焼かれたブラジャー・がんばれ、全国の猫山さん・うなぎはかなり特殊な食べ物・実在した死の感触・知事さんとイージーさ・柿ピーは公平に・人生のやり直しは嫌・サビのないのは疲れる・料理は空気つき・リンゴの唄を歌おう・料理作りに最適な音楽・失恋猫と切れ猫・スキヤキでいいじゃん・さださんもヤクルトファン・昔の雑誌の回想・中古レコード万歳・側に動物がいる幸せ・演劇を観るスリル・ひげ剃りの真実・ドーナッツのルーツ・リヒテル「版画」の思い出・さだヴァッシングと似ています・五月蠅い機内アナウンス・熱々のコロッケパンにかぶりつく喜び・教師失格・幸事魔多し・ちらし寿司の魔力・悪夢の宇宙便所・広い原っぱの記憶・童話の楽しさ・音楽への愛・美味しいブラッディ・メアリを飲みたい・害のない嘘が良い・動物園の檻の中に入るのもいい・ハンサムでなくていい・円周率の宇宙への発信が心配・美しいはやぶさとの邂逅・若い内に恋をしよう・食堂車の不味い料理は最悪・長生きも困る・骨董屋での災難・悪口を喜べ・柳の木の風情・体重計と仲良し・ゴルフとの接点・走る喜び・20世紀との別れ

  •  ラジオから流れてくる話のように、さらさらと聞き流せる(読み流せる)文章。
    どうでもよくて、なんの教養にもならないけれど、カフェに入って本を開くとなんだかリラックスできる。
    そんな文章たちのエッセイです。

    嫌いじゃないなと思います。

    オススメは「これでいいや」。
    僕も、僕の考え方や、感じ方や、好みや、話し方や、そんないろんな要素を総合して、僕ととらえ、気に入られたり気に入ったりできればいいなと思います。

  • 村上春樹のエッセイは、とてもいい。どの話もほんわかした感じが微笑ましいし、ときおり紹介される音楽や本なども、ちょっと聴いてみたい、読んでみたいという気持ちにさせられる。うまいなあ。

  • 良いですね。非常に良いですね。もう、サクッと読めます。サクサクです。超絶お気楽極楽に読んじゃえます。難しい事は何もない。ただただ読めばよい。そんな作品。それでいて、こう、愛すべきエッセイ、って感じでして。まあ、村上春樹、凄いよなあ。

    村上さんは、小説だと、こう、あんな感じの「しんどい」感じの作品が多いのに、なんでエッセイだと、こんなに「サクサク親しみやす過ぎ」な感じになるのでしょうかね?個人的感想ですが。小説の村上さんは、間違いなくこう、とっつきづらい人だなあ、この人は、、、感は満載なのですが、エッセイの村上さんは、物凄く、こう、「よう!元気!?いいじゃん、あんたのエッセイ」って、気軽に話しかけたくなる感じなのです。めちゃんこ偉そうな事言って、すみません、、、なのですが、この小説とエッセイの距離感。凄いよ。凄いから好きです。

    なんとなく、なんとなくですが、村上春樹と、原田宗典は、似ている気がしました。村上さんも原田さんも、小説はこう、ごっつキリキリと切迫しているのに、エッセイは、のほほんお気楽系。そんな分類な気がする。どうなんだろう?なんとなく、お二人、似ているんではないのか?そうでもないのか?どうなんだろうなあ、、、まあ、個人的に、気になるだけですが、なんとなく、なんとなくね、そんな事を思ったのですよね。

    「リストランテの夜」
    というエッセイが、めちゃんこ好きですね。何故に、日本だと、ソバとウドンとラーメンは、ズルズルッ!!っと音を立てて食べるのはオッケーというか、逆に、美徳?という位に思われているような気がするのに、パスタは、音立てて食べちゃダメなんだ?という、食文化の根源的な謎に思いを馳せられる好エッセイだと思います。そうでもないのか?

    それにしても、食文化って本当に不思議。面白い。この素敵な男性は、多分20代後半、という年齢まで、身の回りの誰からも「パスタ、ズルズル音立てて食べない方が、いいよ」って言われなかったのか?不思議だ。親も。友人も。おそらく、いたであろう、嘗ての恋人たちも。誰も忠告しなかったのか?不思議だ。でもこれは、きっと、村上さんが語ったように、当に事実の出来事だったのだろう。世の中は驚異に満ちていますね。素敵です。

    「パスタでも茹でてな!」
    これも最高。「おとといきやがれ!」的な感じ?違うか。でも、この罵り表現よ。言葉とは凄いなあ。できれば、罵り言葉なんてものは無い方が、人間の心は平穏になる筈だろうに、そんな罵り言葉ですら、愛嬌がある、という事実。おっそろしいことですよコレは。そして、面白い事ですよ。言葉とは、ホンマに凄い。

    「かなり問題がある」
    ある意味、とても勇気づけられるエッセイです。村上さんほど、圧倒的に世の中に認められている(ように思われる)人でさえ、自分自身の存在を、このように考えているのか、、、そうなのか。勇気づけられますね。大好きですね、このエッセイ。

  • 図書館
    予約中

  • 「酒のほそ道」からの派生。柿ピーの話。
    (260)
    [more]
    (目次)
    スーツの話
    滋養のある音楽
    リストランテの夜
    焼かれる
    猫山さんはどこに行くのか?
    うなぎ
    ロードス島の上空で
    にんじんさん
    柿ピー問題の根は深い
    跳ぶ前に見るのも悪くない〔ほか〕

  • 愛してやまないドーナッツ、コロッケの話、時に深刻な事態に発展する柿ピー問題、信用できないデジタル式体重計、尊敬すべき猫山さん、「かなり問題がある」自分自身、宇宙に発信される円周率とそれを唱えるおじさん……日本を代表する作家・村上春樹の、軽妙でラフな書き口がたまらないananに連載されたショートエッセイ。

    春樹のエッセイが読みてぇ~~!!!ってなったのでブクオフで購入。私は基本エッセイにだけは手を出さないようにしているのですが──というのもやっぱり文章においては作家と作品はわけて考えたいので、エッセイ読んでえーこんな人だったんだなんんか好きじゃなーいと思うと文章まで好きじゃなくなってくるので(だからあとがきも読まない) ですが春樹はエッセイ読ませろ~~!!ってくらい文章が好きなので自主的にエッセイを買いました。人生30年以上生きてきて初です(作家はね。声優さんとかは買ったりしたけど)
    2ページですぐ読めてしまうほんとに手頃なエッセイなんだけどもう読むたび爆笑してたww も~~ほんと面白い! よくこんなこと考えつくな…とか意外と庶民派だなーとか奥さん何者やねん…(マジで存在が謎)とかいろいろ思ってるうちにすーぐ読み終わってしまいました。2と3もあるので買わなければ!春樹が足りないんじゃ春樹が

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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