海辺のカフカ 上 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2005年3月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784101001548

感想・レビュー・書評

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  • 国内での文学賞の受賞はなかったけれど
    2006年世界幻想文学大賞 長編部門
    日本人初受賞作品

    2002年新潮社にての書き下ろし
    持っている本は2002年の第4刷
    村上春樹氏50代の代表作となるらしい

    発売当時を含めて3回目の「カフカ」
    そして もちろんすっかりいろいろ忘れていたのですが、どうもラストが馳星周さんの「雨降る森の犬」あたりと混じってしまっていたかもしれない

    15歳の少年カフカ(自称)誕生日に家を出る
    父親からの「父を殺し、母と交わる」という予言からの逃避も兼ねて
    (オディプス王からなのですが、淳水堂さんが偶然にも最近レビューをされていました。苦手分野で
    大変参考にさせていただきました。)

    彼は四国の高松に向かう
    このカフカの物語と
    猫と話せるナカタの物語が交互に進む
    ナカタは小学生の頃森で意識を失ってから
    記憶と知性を失っていた

    この二つのストーリーが四国で交わる

    • 1Q84O1さん
      ユッキーさん

      扱い方をよくご存知で♡
      ユッキーさん

      扱い方をよくご存知で♡
      2025/08/04
    • bmakiさん
      先ずは、タイトルから間違えていました。すみません。国境の南、太陽の西のようです。

      奥さんとジャズバーを成功させるけど、そんな時幼馴染がやっ...
      先ずは、タイトルから間違えていました。すみません。国境の南、太陽の西のようです。

      奥さんとジャズバーを成功させるけど、そんな時幼馴染がやってくるみたいな感じなんでしょうかね。
      ぜーんぜん覚えていません(⌒-⌒; )
      2025/08/04
    • おびのりさん
      ビマキさん 丁寧にありがとう
      私の適当なタイトルよ!
      短縮系の極地だわ
      ビマキさん 丁寧にありがとう
      私の適当なタイトルよ!
      短縮系の極地だわ
      2025/08/04
  • 著者、村上春樹さん(1949~)の作品、ブクログ登録は6冊目。


    本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。

    ---引用開始

    「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」-15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真…。

    ---引用終了


  • 四国が舞台の海辺のカフカ。
    今年の夏休みで四国旅行したので、読みながら思い出を振り返えろうと思いまして。

    カフカが家出の行き先に選んだ四国は香川から高知へ。
    3つの物語が並行に語られてどう繋がっていくのか全く分からないまま春樹ワールドの個性豊かな登場人物に振り回されていく。
    カフカの子供と大人の境界線の心情って初々しくて眩しいし、ナカタさんの不思議な能力と障害と生い立ちに惹きつけられる。

    カラスはなんなのか、ジョニーウォーカーとカフカの父の死の謎は、カフカとナカタさんはどう出会うのか、上巻での解き明かされていない謎に翻弄されながら下巻へ。

  • 田村カフカとナカタさんが物理的に近づいてきた。
    四国。
    上巻の後半、ずんずん面白くなってきた。
    キーワードは、オイディプス王の伝説か。

    ナカタさんが教わったような関係性がどう絡んでいくのか。複数の人生を交互に語り、少しずつ繋げる手法は、村上春樹さんも原田マハさんも凪良ゆうさんも心憎いほど上手だ。
    上巻でお気に入りは主人公の二人と大島さんだ。
    大島さんが、想像力を欠いた人間を「うつろな人間」と呼び、論破するところが面白い!「想像力を欠いた狭量さや非寛容さは寄生虫と同じだ」ときっぱり言い切る。
    この本でも図書館やシューベルトのピアノ・ソナタ、プッチーニのオペラが登場する。ブレンデルのピアノでシューベルトを聴こうかな。

  • 春樹要素がコンパクトに凝縮されて詰まってる。
    この本はひとつの分岐点な気がする。

  • 15歳の少年(主人公)と、カラスと呼ばれる少年の会話から始まる冒頭。この小説はファンタジーかと思いました。いや、そんな単純ではない。血なまぐさい場面、どきっとさせられる場面もあるに関わらず、作品全体は静謐な空気に包まれているようでした。本のタイトルの意味や、登場人物が何者であるかが、読み進める中で鮮明になっていきます。

    主人公の少年は家出をし、四国の小さな図書館で暮らすようになります。緊迫感漂う内容に、この人は突然誰なんでしょう?という感じで登場する老人ナカタさん。猫と話しができる心優しい人です。ナカタさん、東京を離れ西へ(四国へ)移動します。

    下巻で、少年とナカタさんきっと遭遇するだろうと思うと、早く先を知りたくなります。

  • 惹きこまれる一冊。

    15歳の誕生日を迎えた僕、田村カフカ。
    彼が家を出て、遠くの街へ行き、図書館の片隅で暮らす…というスタート。

    このままカフカ少年の冒険成長譚かと思いきや、また別の人物、ナカタさんを主体にした話も盛り込まれ、先は全く見えないながらもどんどん惹きこまれる。

    カフカ少年、ナカタさん、二人はこれから交差するのか。
    二人はそれぞれ大島さん、星野青年との縁に導かれて、それぞれが新しい扉を開いていくのか。

    気になる、やめられない不思議な世界観を味わいつつ下巻へ。

  • 村上文学のなかでは、自分探しをしながら、他人と関わって、自分を成長させていく、ノルウェイの森やねじまき鳥クロニクル系の小説。いつもながら、主人公の孤立が中央にでんと座って、さまざまなモチーフが絡み合って物語が複雑化していますね。

    オィディプス王に似た父親殺しから、母親との姦通も匂わせるエディプスコンプレックスらしきものを大きな筋として、主人公カフカが自分と向き合っています。幻想世界の中には、源氏物語や雨月物語の生霊が加わり、対役のナカタさんが親近感高く描かれています。突飛だが、妙にリアリティーのあるナカタさん、好きだなー♪

    物語があっちの世界に行ったり、こっちの世界に帰ってきたり、村上ワールド全開に楽しめます。

  • はじめて読んだのは、8年前。初版。19歳だったわたし。
    あの時、よく読んだなあ、と改めて思った。

    田村カフカ少年、こんな複雑だったっけ?
    大島さん、こんなにかっこよかったっけ?

    読みながらつけた付箋は12ヶ所。
    前と全く違うところにしるしがついた。
    だから再読っておもしろい。

  • 海辺のカフカは高校生の友人とも意見が合ったが、村上春樹のなかで全作読んだ中でも1番をだった。

  • 今更ながら、この作品を読んでいます。
    著者の一番メタ的な、感性が凝縮された作品だと
    私は感じています。下巻が楽しみです。

  • きゃ! せっかく書いた感想を、間違って全部消してしまった!…好きな作品でした…。うう、。

  • 世界観が好き。重く辛いところもあるけれど、ずっとふわふわと宙に浮いている夢の中のような感覚で、でもすごく現実的で、不思議な感覚でした。
    カフカくんとナカタさんのストーリーがそれぞれどのように展開するのかワクワクしながら読む進めました。全く異なって見える2つの世界が少しずつリンクしていくのにドキドキしました!
    少し過激な表現が多く顔を顰めてしまう場面もありましたが、ストーリー展開がとにかく面白くあっという間に読み終わりました!
    本の世界に浸れる作品です。

    カフカくんは世界でいちばんタフな15歳の少年になれるかな?下巻が楽しみです。

  • 狭量さ、非寛容さ、全ては想像力の問題… 僕らの責任は想像力の中から始まる…
    との視点、その想像力を育むために少しでも多くの小説に触れたいなと。先日読んだ奈倉有里さんの夕暮れに夜明けの歌をにもあったけど納得。

    父の呪に対峙すべく15歳の僕は家を出る…

  • 田村カフカくんとナカタさん、2つの物語だけど
    あれこれってと共通する部分が少しずつ出てくるのがわくわくする。海辺のカフカの歌詞と田村カフカの共通点も探りながら下巻へ。
    村上春樹、初めてでこれが俗に言う村上春樹ワールド?描写を想像すると「猫の心臓を食べる」とか特に一旦本から離れたくなる瞬間もある。

  • ナカタさんがかわいい。

  • 「村上さんのところ」で村上春樹はいろんなルートから登れる山みたいな小説がかけたらいいなと言っていたけれどこの「海辺のカフカ」は無数の登り方がある小説だと思った。

    世界の終わりとハードボイルドワンダーランドのような章ごとに主人公が代わり、視点が移動する仕掛け。殺風景な描写(その描写の軽妙さが村上春樹の真髄でもあるのだが)が続いて、退屈になってきた時には気分転換として、シリアスあるいはグロテスクな描写が続いたときには精神的緊張の糸を解す役割として効果的に働いていると思う。片方の視点だけを別々に再読して、印象の違いを楽しんでみたい。

    田村カフカの「坑夫」についての感想を述べるシーンと大島さんがカフカにギリシャ悲劇におけるアイロニーの意味について教えるシーンがたまらなく好きだ。
    自分の人生は誰かが決めていることをなぞっているに過ぎなくて、いくら努力しようと徒労に過ぎないと告白する様はまさに坑夫の主人公に自分を重ねている証拠。
    「人が運命を選ぶのではなく、運命が人を選ぶ。」この不条理とも言える現実に絶望するのではなく、そこにあるアイロニーを直視して、より深く、より優しい人になってほしいというメッセージを僕は受け取った。

    ナカタ編は猫と喋るシーン、ジョニーウォーカーとのシーンなど見どころはたくさんあるが四国への道中でナカタさんを助ける人々がいちいち魅力的。OL二人は親切だし、営業の男の子は陰がある。トラック運転手は言葉遣いこそ粗雑かもしれないが建前のない本質的な人間。逆よりずっといい。

  • 図書館で借りてから何日かかけて読んじゃった。途中何度か挫折しそうになったけど、別々のストーリーが繋がっていく楽しさに助けられた。
    ベースとなっているのはギリシャ悲劇や源氏物語なんだということは素人の私でも分かる。

  • どこにも居場所がないと思う少年少女これを読んだらいい。図書館と猫が好きで、いつも立場の弱いマイノリティー側にたってしまう心が優しいあなたは、きっとこの本の虜になる。

  • ◯ ほんとは自分の影の残り半分を真剣に探した方がいいんじゃないかと思うけどね(106p)

    ◯ いや、そうじゃない。僕がなにを想像するかは、この世界にあっておそらくとても大事なことなんだ。(280p)

    ◯ 一本ありゃそれで間に合うはずなんだが、政治家がでしゃばってきて三本もできちまった。(441p)

    ★文章が巧妙で、流れるように読める。何か、これしかないという文章。

    ★不思議で奇妙で残酷で恥ずかしくて、心に引っかかる話。ナカタさん、いい人だなあ。大島さんもとても魅力的な人。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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