海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 26240
レビュー : 2023
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001548

作品紹介・あらすじ

「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」-15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真…。

感想・レビュー・書評

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  • 近頃ハルキストと呼ばれる人たちの気持ちがわかってきました。
    内容は結構エゲツないのに、不思議と癒されてしまう。
    シュールさ、文体、台詞回し、食事とお酒、音楽、文学が入り混じる生活と芸術の融合、先の読めない展開と、出来事の交錯。

    今回はカフカ少年と、老人ナカタの物語が交互に展開されています。
    村上春樹といえば、これとノルウェイの森が有名だと思いますが、ノルウェイの森の気取ったイメージを感じなくなったのは、私自身の精神の成長なのでしょうか。
    まだ話の筋が少し見えてきたところなので、後半を楽しんで読みたいです。

  • はじめて読んだのは、8年前。初版。19歳だったわたし。
    あの時、よく読んだなあ、と改めて思った。

    田村カフカ少年、こんな複雑だったっけ?
    大島さん、こんなにかっこよかったっけ?

    読みながらつけた付箋は12ヶ所。
    前と全く違うところにしるしがついた。
    だから再読っておもしろい。

  • 3度目の読了。初めて読んだのはいつだったか、強烈な感動が忘れられず、息子が主人公と同じ15歳になったのを機に手に取った。
    と、今までと違い、精神的にこんなに早熟な子はありえないと、つい現実の15歳と比べて余計なことが気になってしまい…。息子に勧めようと思っていたが、この良さが理解できるのはもう少し先だろうな。

  • 誰が何と言おうと、ぼくは春樹さんの小説が好きです。
    小説好きな人は、あれこれ言ったりする人も多いけど、

    いいじゃないですか。

    ぼくはすきなんだから。

    大体全部春樹さんの本は読んだけど、長編なら『カフカ』がすき。

    • piyopiyo..さん
      あ、間違えて2回押していました。消し方がわからないのでこのままにしておきます。
      あ、間違えて2回押していました。消し方がわからないのでこのままにしておきます。
      2014/07/13
  • 今まで読んだ本の中で最も感慨深いものがあった
    村上ワールドにどっぷりと漬かれる作品
    抽象的描写、哲学的会話、すべてにおいて
    想像力を掻き立てざるにはいられない
    村上春樹という人間の思想を示唆している
    読後の謎、余韻も含めて醍醐味を感じられる

    "あちらの世界"に影の半分と
    記憶、性欲を含むあらゆる欲望を置いてきてしまった
    ナカタさんの生きざまはあまりに潔く、頼もしくもあって
    私は彼のおかげで大きな人間的成長を果たしたように
    感じられる

  • 昔に一度読んだきりだったので内容をほとんど忘れてしまっていたのでほぼ初見の感覚で読めた。そして今読み終わってから少し時間が経ったのでまた再び内容を忘れ始めているのだが、印象としては騎士団長殺しと同じかそれ以上に面白かった。途中残酷なシーンがあったところ以外はスッスッスーと一気に読み進めることが出来、著者独特のいつもの文章が心地よい。それは例えばこんな一文。→家を出る前に石鹸を使って洗面所で手を洗い、顔を洗う。爪を切り、耳の掃除をし、歯を磨く。時間をかけて、できるだけ身体を清潔にする。ある場合には清潔であるというのは何よりも大切なことなのだ。とか。何気ない一文ではあるがこれを読んだあとそれを実践してしまう自分がいる。また別の文章→「シューベルトは訓練によって理解できる音楽なんだ。僕だって最初に聴いたたきは退屈だった。君の歳ならそれは当然のことだ。でも今にきっとわかるようになる。この世界において、退屈でないものには人はすぐに飽きるし、飽きないものはだいたいにおいて退屈なものだ。そういうものなんだ。僕の人生には退屈する余裕はあっても、飽きているような余裕はない。たいていの人はそのふたつを区別することができない」ほんとに共感する。→我々は帰り仕度をする。てきぱきと要領よく、小屋の中を片づける。食器を洗って戸棚にしまい、ストーブのよごれを掃除する。水桶の中の水を捨て、プロパン・ガスのボンベのバルブを閉める。日もちのする食品を食品棚にしまい、日もちのしない食品は処分する。ほうきで床を掃き、テーブルや椅子の上を雑巾で拭く。表に穴を掘ってごみをそこに埋める。ビニールなんかは小さくまとめて持ち帰る。これ読むと掃除したなるから不思議。共通しているのはとても丁寧に行っているということか。下巻はどういう展開になるのか?楽しみにしとこ。

  • そう繋がっていくのか〜と思った。
    少年が主人公の村上先生の作品ははじめて。

  • 主人公は15歳で家出少年の田村カフカと、文字が読めない代わりに猫と会話ができるナカタさん。2人の話が同時に進んでいく構成。
    上巻は主人公と関わる人たちや巻き込まれる事件についてが主だったので、起承転結の起承といえる。

    村上春樹の小説を初めて読んだが、情景や心理描写を並べる部分が多いため、読み手に想像力があれば容易だがなければ難しいという印象を抱いた。慣れるまでに時間がかかったとも言える。

  • ナカタさんとホシノさんの関係が好き。

  • 下巻の途中まで読んで挫折した、私にとってはある種いわくつき。
    しかし今回は大いに楽しんで読み終えることができました。しかも、もしかしたらベストオブ村上春樹は本作に更新されたかもしれません。

    物語は15歳の田村少年の家出、戦時中に起こったお椀山での集団失神事件、猫と話ができる初老の男ナカタさんの日常という一見関連性のない三つの話が交錯するかたちで始まります。

    ストーリー展開として、下巻の中盤から田村少年とナカタさんの話がいよいよクロスし始める、収束するポイントに向かって物語が加速し始める箇所に出会うときが村上作品において毎回ワクワクする瞬間。
    そして結末に至るまでの緩急は大島さんが運転するマツダロードスターよろしくスムーズで、終話の余韻も素敵でした。
    考えさせられるたくさんの対話とストーリー展開、出てくる人物が個性的で全員好きになれたというのがベストオブ村上春樹の更新につながったのかもしれません

    心に残ったのは、いろいろな対話。
    なかでも大島さんと田村少年の対話。特に、施設の調査員に対する反論から始まる16ページにわたる大島さんの主張がいちばん印象的でした。
    想像力の欠如と、それによる自分が掲げた主義主張を他人に無理強いする心の狭さ、不寛容さに関する意見はかなり考えさせらるものでした。

    一つだけ残念だったのは、三度目に出てくるジョニーウォーカーにそれまでのようなおぞましさや満ち満ちた狂気を全く感じなかったこと。どう表現すればいいのか、村上春樹も分からなかったんじゃないかと変な憶測をしてしまうほどです。

    本作を読み終えてやりたいと思ったことが二つあります。
    早いうちから村上作品に触れてもらいたい、また主人公と同い年のときに読んでもらいたいと思ったので、我が子の15歳の誕生日に贈ること。
    そして、話に出てくる山小屋のような「ちょっとキャビンに行ってくる」と言えるセカンドプレイスが欲しくなりました。

    次回読む際は田村少年のパートだけを通して読もうと思います。そうすれば世界でいちばんタフな15歳の定点観測になり、この物語の違った捉え方ができる気がします。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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