海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 26165
レビュー : 2021
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001548

感想・レビュー・書評

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  • タフな15歳になる。とカフカ。
    家出、父の死。
    自分への疑惑。

    事故のせいで町から出られない、ナカタさん。

    二人はどう交差していくのだろう。

  • おもしろかった。
    わくわくした。
    下巻が楽しみ

  • 大島さんが好きだった。
    幅広い知識を備え、考えを言葉にできることやスタンスが良かった。
    ただ流れることではなく、きちんと捉え、そして向き合うことだ。
    自分の行く道を信じて力強く進む。

  • 2009私的夏の文庫フェアの第2弾。 上下巻。

    『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』以来、約10年ぶりに村上春樹作品を読んだ。
    作品の面白さを比べたら、『世界の終わり~』の方が優れていると思う。

    この作品は謎に満ちている。難解である。
    大戦末期のお椀山における児童集団昏睡事件、カラスと呼ばれる少年、「猫殺し」のジョニー・ウォーカー、入口の石、カーネル・サンダーズ、入口の先にある世界…
    おそらくすべてがメタファー、寓意の表れであると思うが、「読者個々人の解釈に任せる」という作者のスタンスの下、作中でも作外でも何の説明もされていない。

    こういう、言ってみれば「エヴァ的」な手口はハマる人はハマるのだろうけど、僕はあまりしっくり来なかった。
    意味がありそうに思える一方、マクガフィンに過ぎないような気がしないでもない。
    ただ作中にチェーホフの
    「物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない」
    という言葉を引用し、
    「チェーホフはドラマツルギーを理解していた」
    というようなことを登場人物に言わせている以上、これらのモノ・コトは、それぞれ物語を構成する重要な役割を担っているのだろう。

    物語は2つのパートで進行する。
    父親を憎み、自分を捨てた母親を思慕する15歳の少年(ありがちなモチーフだが、このへんもエヴァ的と言えば言える)田村カフカ。
    お椀山の事件で知的能力を失った、猫と会話できる不思議な老人ナカタさん。
    一見無関係の彼らの物語が、徐々に収斂されていく。

    カフカ少年の物語は、一貫して「自分の物語」である。
    一人称による語りからして象徴的だが、カフカ少年(おそらく村上春樹自身)の物語は「内に閉じた物語」と言える。

    一方のナカタ老人の物語は、「他者の物語」である。
    三人称で語られる「外へ開かれた物語」と言っていい。ナカタ老人のモノローグというのは一切ない。彼がどんな人生を生き、どんな人間であったのか、結局はわからない。

    ところで僕が思うに、ナカタパートの主人公は実際にはナカタさんではなく、彼をトラックに乗せたことから物語に巻き込まれるホシノ青年だ。
    ホシノ青年は元札付きの不良で自衛隊上がりのトラック運転手、アロハシャツに中日ドラゴンズのキャップとレイバンのサングラスという如何にもなガラの悪さだが、今は亡き祖父を慕う親切な青年でもある。
    「幼い頃は何者かであった自分が、年をとるにつれどんどん空っぽになっていった」
    と独白するホシノ青年は、しかしナカタさんとの旅において「一段階上」の人間に成長する。別れ際、彼は
    「これからはナカタさんならどんなふうに見てどんなふうに思うのか、そう考えるようにするよ」
    という言葉を投げる。
    それはきっとホシノ青年が「ナカタさんの物語」という「他者の物語」を受け入れたところに起因すると思う。
    「自分の物語」を生き、現実世界に存在しない「カラスと呼ばれる少年」と対話し、やはり現実世界ではない「入口の向こう側」で思案するカフカ少年とはひどく対照的である。
    読者の視点から言えば、カフカ少年の物語は「あちら側の物語」であり、ホシノ青年の物語が「こちら側の物語」なのだろう。
    全ての物語にケリを付けるのがホシノ青年という点もおもしろい。

    正直わけわからん小説ではあるけど、試しに一読してみるのもアリ。
    ただ村上春樹的なオサレ会話、文学や音楽などの鼻につく小物が合わない人はやめた方がいいかも。辟易すること請け合い。

  • 村上春樹作品で一番好きな小説。今まで出会った物語の中で、一番繰り返し読んだ作品。登場人物それぞれが魅力的で、日常の中に突然現れる不思議な出来事に自分も一緒に引き込まれる。読後も自分なりに話を組み立てたりして本当にいつまでも楽しめる。読んだ年によって感じることが違うというのも素敵。

  • 「書くことは、ちょうど、目覚めながら夢見るようなもの」
    インタビューでこの様に答えていたが、村上春樹がみる白昼夢は奇想天外のパラレルワールドだ。
    ものすごい集中力を要する夢だろう。


    小説はあまり好きなほうではないが、この小説はどんどん読み進めてしまう。謎も多いし、登場人物のキャラがとても個性的で孤独だから。1人ぼっちの夜を知っている。
    とくにナカタさんはイイネ。
    ジョニーウォーカーの描写にはいささか閉口した。やれやれ。

    これから点と線が、どのように結ばれていくか楽しみだ。

  • 家出をした15歳の田村カフカ少年の話と、漢字が読めずに都から補助金を受けながら生活するナカタさんの話が1章ずつ交互に同時進行する。二人は一見無関係のように見えるが、徐々にお互いの世界にその影を現していく。

    現実ではありえない世界に文章だけでぐいぐい引き込ませる村上春樹はさすがだと思った。早く下巻が読みたい。

  • 明るくなったら起きる。暗くなったらお風呂に入り眠る。
    暖かい太陽の光に当たる。チョコバーの甘味を感じる。
    朝ご飯をお腹いっぱい食べると、幸せな気持ちになる。
    身体に適度な負荷を掛けてたくさん汗を流す。

    その表現の仕方がとても素晴らしくて
    まるで実際に体験しているかのような感覚になります。

    これらの自然な生き方は、とっても気持ちが良いです。
    読んでいて「あぁ…気持ちが良い、幸せ…」という幸福感に包まれました。

  • 友達に薦められて、私が初めて読んだ村上春樹さんの作品でした。今までに読んだことのない、村上さんの世界観に惚れました。

  • この少年はこれからどうしていくのだろう…と心配になりつつもやはり印象的なのはナカタさんとジョニーウォーカーのくだり。猫さんは利口。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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