海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

著者 :
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本棚登録 : 26165
レビュー : 2021
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001548

感想・レビュー・書評

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    ある場合には運命っていうのは、絶えまなく進行方向を変える局地的な砂嵐に似ている。君はそれを避けようと足どりを変える。そうすると、嵐も君にあわせるように足どりを変える。君はもう一度足どりを変える。すると嵐もまた同じように足どりを変える。何度でも何度でも。まるで夜明け前に死神と踊る不吉なダンスみたいに、それが繰り返される。なぜかといえば、その嵐はどこか遠くからやってきた無関係ななにかじゃないからだ。そいつはつまり、君自身のことなんだ。君の中にあるなにかなんだ。だから君にできることといえば、あきらめてその嵐の中にまっすぐ足を踏み入れ、砂が入らないように目と耳をしっかりふさぎ、一歩一歩とおり抜けていくことだけだ。そこはおそらく太陽もなく月もなく、方向もなく、あるばあいにはまっとうな時間さえない。そこには骨をくだいたような白く細かい砂が空高く舞っているだけだ。そういう砂嵐を想像するんだ。
     君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年にならなくちゃいけないんだ。なにがあろうとさ。そうする以外に君がこの世界を生きのびていく道はないんだからね。そしてそのためには、ほんとうにタフであるというのがどういうことなのか、君は自分で理解しなくちゃならない。わかった?
     そしてその砂嵐が終わったとき、どうやって自分がそいつをくぐり抜けて生きのびることができたのか、君にはよく理解できないはずだ。でもひとつだけはっきりしていることがある。その嵐から出てきた君は、そこに足を踏み入れたときの君じゃないっていうことだ。そう、それが砂嵐というものの意味なんだ。[/private]

  • やっと村上春樹の読み方がわかった気がする。
    設定に引き込まれて、長編でも読みやすかった。
    性的な描写は必要性がまだ分からないけど。
    ホシノくんのその後を読みたい。

  • あらゆる小説を渡り歩いてきた人でない限り、本書はオススメしない。

    まず、全てにおいて読者を置き去りにしている。

    主人公は冒険の旅に出るのだが、
    ・なぜ旅に出るのか?
    ・どこにいくのか?
    ・家族はどうしている?
    など、読者が気になる疑問の答えを提示してくれない。

    例えも表現も難しすぎるし、場面で巻き起こる出来事が何なのかの説明もない。

    初めての方が読んでしまえば、何のこっちゃな状態になること間違いなし。

    ただ、心情表現や言い回しはものすごく多種多様で、もし作者の言葉が理解できるようになれば、本書のより深い世界へ入り込める。

    2005年にこれほどの小説が出たことに驚くくらい、完成度は高いのかな?

  • 子供達の集団催眠のシーンは、一体どういうことなんだろう。何かを暗示しているようで印象深い。
    性差別批判をする女を大島さんが論破するところが好き。


  • 村上春樹ワールド全開、ハマる人が多いのも頷けます。

    今回感じたのは、登場人物が魅力的であること。

    カフカ君、ナカタさん、大島さん、ホシノ君、佐伯さん、さくらさん。それぞれ魅力がありましたが、私が一番魅力を感じたのはナカタさん。

    シンプルに生活し、孤独と共に生き、清潔で、好き嫌いなく、料理が上手で、素直で、真面目で、時折頑固で、仙人のような人。

    村上春樹の作品には、同じようなタイプの登場人物が多く出てきますが、ナカタさんはその中でも群を抜いて魅力的だと感じました。


    相変わらず色々な謎が放置されたままですが、それも村上春樹ワールド。文書は研ぎ澄まされ、そしてやめられないとめられない中毒性。
    15歳の主人公に明るい未来の希望を抱かせる終わり方だったのは少しホッとしました。

    PS.
    高松に行きたくなりました。うどん食べたい。


  • 15歳の田村カフカ少年が家を出て知らない街の小さな図書館で暮らす話と、猫と交流できる老人ナカタさんの話が交互に展開される小説。「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」。村上春樹の話らしく、たくさんの比喩がある。万物はメタファーである。オイディプス王と同じ予言を受ける「父を殺し、母と姉と交わる」。父田村浩一とジョニーウォーカー、母と佐伯さん、姉とさくら。カラスと呼ばれる少年と田村カフカ。佐伯さんの昔レコード海辺のカフカと田村カフカ。よくわからないところも多いが続きが気になる感じ。

  • 並行して進む話に引き込まれた。どんどん先が読みたくなった。

  • 人生とか青春とかってこういうものだなあとメタファーを通じて感じます。
    村上春樹さんの本で最も意味を理解できている本な気がします。

  • 2018/07/03

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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