海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.65
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本棚登録 : 28903
レビュー : 2107
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001548

作品紹介・あらすじ

「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」-15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真…。

感想・レビュー・書評

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  • はじめて読んだのは、8年前。初版。19歳だったわたし。
    あの時、よく読んだなあ、と改めて思った。

    田村カフカ少年、こんな複雑だったっけ?
    大島さん、こんなにかっこよかったっけ?

    読みながらつけた付箋は12ヶ所。
    前と全く違うところにしるしがついた。
    だから再読っておもしろい。

  • 図書館で借りてから何日かかけて読んじゃった。途中何度か挫折しそうになったけど、別々のストーリーが繋がっていく楽しさに助けられた。
    ベースとなっているのはギリシャ悲劇や源氏物語なんだということは素人の私でも分かる。

  • きゃ! せっかく書いた感想を、間違って全部消してしまった!…好きな作品でした…。うう、。

  • 主人公の旅の仕方に痺れた。
    荷物を最低限に抑えることは私も欠かさない。
    私も次の旅に出る時は別名を名乗ろっと。


    旅は道連れ世は情け
    袖振り合うも多生の縁

    この2つの言葉が好きになった。



    大島さんのいう「うつろな人間」については
    考えさせられた。
    男女平等を容易に説いてられないな。



    この前ネットでこの本に出てくる「ナカタさん」が
    村上春樹の本の中で好きな登場人物1位となっていた。
    上巻しか読んでいないけれど、
    すでにわかる彼の温厚さ。


    私の中ではノルウェイの森の緑が暫定一位かな。

  • 【感想】
    章によって、偶数と奇数で全く別の主人公の物語が進んでいくスタイル。
    はじめは全く関連性のない状態で、「パラレルみたいなものかな?」と思っていたが、段々と2つのストーリーが織り重なっていくのが読み取れた。

    また、タイトルからすると、三島由紀夫の「潮騒」のようなほんわかとした内容かと思っていただけに、16章と18章のナカタさん編が衝撃だったなぁ。
    ある反抗期少年の青春ものの作品かと思っていたのに、まさかサスペンスとは。

    全く先の読めないストーリーに、ついついページを繰ってしまう手が止まらないですね。
    下巻も非常に楽しみ!



    【あらすじ】
    「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」
    ―15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。
    家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。
    古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。
    小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真…。


    【引用】
    15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。


    p274
    「曲のタイトルはなんていうんですか?」
    「海辺のカフカ」と大島さんは行った。


    p313
    「僕はごらんのとおりの人間だから、これまでいろんなところでいろんな意味で差別を受けてきた。」
    「ぼくがそれよりも更にうんざりさせられるのは、想像力を欠いた人々だ。
    TSエリオットの言う『うつろな人間たち』だ。
    その想像力の欠如した部分を、うつろな部分を、無感覚な藁クズで埋めて塞いでいるくせに、自分ではそのことに気づかないで表を歩き回っている人間だ。
    そしてその無感覚さを、空疎な言葉を並べて、他人に無理に押しつけようとする人間だ。」

    「結局のところ、佐伯さんの幼なじみの恋人を殺してしまったのも、そういった連中なんだ。
    想像力を欠いた狭量さ、非寛容さ。
    ひとり歩きするテーゼ、空疎な用語、簒奪された理想、硬直したシステム。
    僕にとって本当に怖いのはそういうものだ。」

    「何が正しいか正しくないか。もちろんそれはとても重要な問題だ。
    しかしそのような個別的な判断の過ちは、多くの場合、あとになって訂正できなくはない。大体の場合、取り返しはつく。
    しかし想像力を欠いた狭量さや非寛容さは、宿主や形を変えてどこまでも続く。」

  • 二人の主役のストーリーが流れます。微妙に交わりつつある二人。どんな繋がりが出てくるのか興味津々です。後編が楽しみです。

  • 近頃ハルキストと呼ばれる人たちの気持ちがわかってきました。
    内容は結構エゲツないのに、不思議と癒されてしまう。
    シュールさ、文体、台詞回し、食事とお酒、音楽、文学が入り混じる生活と芸術の融合、先の読めない展開と、出来事の交錯。

    今回はカフカ少年と、老人ナカタの物語が交互に展開されています。
    村上春樹といえば、これとノルウェイの森が有名だと思いますが、ノルウェイの森の気取ったイメージを感じなくなったのは、私自身の精神の成長なのでしょうか。
    まだ話の筋が少し見えてきたところなので、後半を楽しんで読みたいです。

  • 誰が何と言おうと、ぼくは春樹さんの小説が好きです。
    小説好きな人は、あれこれ言ったりする人も多いけど、

    いいじゃないですか。

    ぼくはすきなんだから。

    大体全部春樹さんの本は読んだけど、長編なら『カフカ』がすき。

    • piyopiyo..さん
      あ、間違えて2回押していました。消し方がわからないのでこのままにしておきます。
      あ、間違えて2回押していました。消し方がわからないのでこのままにしておきます。
      2014/07/13
  • 二度目の読書。
    強烈な辛さから逃れられる読書に選んだのは村上春樹、そして映画はクリント・イーストウッド。

    読んでいる最中は、15才の少年になりきれる。
    『世界でもっともタフなオヤジになるための決意』を確認したかった。
     夢の世界のようなふんわりとした情景のなかで、確実に培われているタフさを少年のなかに感じたかつての読後の記憶があったのであらためて手にとってみた。
     
     「君がやらなくてはいけないのは、君の中にある恐怖と怒りを乗り越えていくことだ。そこに明るい光を入れ、君の心の冷えた部分を溶かしていくことだ。それがほんとうにタフになるということなんだ。」

    「思い出はあなたの身体を内側から温めてくれます。でもそれと同時にあなたの身体を内側から激しく切り裂いていきます」

     深い悲しみに沈むことがあっても、静かなこのことばたちは、ハット我に帰らせてくれた。

     

  • 再読。ナカタさんすてき、おもしろい。少年もすてき。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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