海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.63
  • (1990)
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  • (449)
  • (100)
本棚登録 : 22564
レビュー : 1537
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001555

感想・レビュー・書評

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  • 盲腸で入院中に読んだんだよな。ナカタさん、星野くんのコンビがよかった。

  • [private]
    <blockquote>「そうだな君がやらなくちゃならないのは、たぶん君の中にある恐怖と怒りを乗り越えていくことだ。」とカラスと呼ばれる少年は言う。
    「そこに明るい光を入れ、君の心の冷えた部分を溶かしていくことだ。それがほんとうにタフになるということなんだ。」</blockquote>

    <blockquote>君がやらなくちゃならないのはそんな彼女の心を理解し、受け入れることなんだ。彼女がそのときに感じていた圧倒的な恐怖と怒りを理解し、自分んのこととして受け入れるんだ。それを継承し反復するんじゃなくてね。言い換えれば、君は彼女をゆるさなくちゃいけない。それはもちろん簡単なことじゃない。でもそうしなくちゃいけない。それが君にとっての唯一の救いになる。そしてそれ以外に救いはないんだ。</blockquote>

    [/private]

  • 象徴的なセリフや出来事がたくさん起こる。
    一読して意味はよくわからないが、不思議と引き込まれてしまうのはさすがです。

    上下と読んできて、記憶というのがひとつのキーワードになっているのかなと思った。
    ナカタさんは過去の記憶が無くなっているし、佐伯さんは思い出の中に生きる人として登場する。
    少年カフカの物語と、ナカタさんの物語は重なり合うことはないけれど、共通点と相違点が多く、比べて読むことでテーマ性というのが浮き上がってきそうに思う。
    結論がつかずに終わるところに、まだカフカの物語が続くのだと思わせる余韻があった。
    世界で売れたらしいが、説明しにくい魅力を持った話。
    近親での肉体関係を思わせるところもあるし、他の春樹小説にはないグロテスクなシーンもある。
    カラス少年はカフカの別人格的なものでいいのか?謎は深まるばかり。

    この作品では何人かの人物が死を求めて、然るべきときに死ぬ。
    そのことに対して、生きている人は思い出すこと、記憶を持つことで、死んだ人を自分の一部として抱えておく。
    生きていく意味のひとつに、死者の記憶を紡いでいくことが役割としてあるのではないかと思う。

    難しい話はともかくも、カフカの物語よりも、ナカタさんサイドの物語の方が童話的で面白かった。
    村上春樹は音楽のように規律正しい会話の文体に魅力を感じるのだけど、ホシノさんとカーネルサンダースの会話は下ネタ炸裂で、その妙にユーモアのある言い回しがものすごくツボに入った。こんな文章も書けるのか。
    ナカタさんの話し方や人物性も好きなのだが、後半はホシノさんに役割を託してしまったことが残念。急な展開に心臓がドキッとした。
    不思議なことが次々起こるのに、最終的に馴染んでしまうホシノさんの柔軟さもシュール。

    普通の物語に飽き飽きしている人にはとても刺激的で挑戦的、それでいて癒される。
    喪失と再生、そして人との繋がりに温かみを感じることのできる物語です。

  • 上巻に引き続き、村上ワールド全開のカオス小説の下巻。

    少年の平凡で何気ない旅から始まり、なぜか異世界やら悪魔やらと、徐々に2次元バリバリの小説へと変貌していったのが後で知った驚きである。

    最後まで読んだが、結局、作者が言いたいことが何なのかが理解できなかった。

    現実よりも、主人公の心情描写が圧倒的に多く、どの表現も難解で意味ありげなものばかりだった。

    どうして世界を救う的な展開へ導いたのは理解不能だが、主人公が大きく成長したのは事実。

    人は納得のいかないものに対して意味を模索するが、本書における意味はとても簡単に拾いきれるものではない。

    表面上は何気ない存在であるはずが、実はとんでもない存在であったことなど知る由もなく、物語は終焉へと進んでいった..この中途半端は読者に不足感をもたらすだろう。

    答えのない小説としては、異常で強烈で深すぎる小説である。

  • 中学生の頃読んで、意味わからないなと思ったけど、また読みたくなった。
    やっぱり意味はよくわからない。だけど引き込まれた。
    ホシノと中田さんの焼き魚定食を食べるシーンはずっと覚えていた。二人のやりとりはこの作品の好きなところだ。


  • 村上春樹ワールド全開、ハマる人が多いのも頷けます。

    今回感じたのは、登場人物が魅力的であること。

    カフカ君、ナカタさん、大島さん、ホシノ君、佐伯さん、さくらさん。それぞれ魅力がありましたが、私が一番魅力を感じたのはナカタさん。

    シンプルに生活し、孤独と共に生き、清潔で、好き嫌いなく、料理が上手で、素直で、真面目で、時折頑固で、仙人のような人。

    村上春樹の作品には、同じようなタイプの登場人物が多く出てきますが、ナカタさんはその中でも群を抜いて魅力的だと感じました。


    相変わらず色々な謎が放置されたままですが、それも村上春樹ワールド。文書は研ぎ澄まされ、そしてやめられないとめられない中毒性。
    15歳の主人公に明るい未来の希望を抱かせる終わり方だったのは少しホッとしました。

    PS.
    高松に行きたくなりました。うどん食べたい。

  • 3 ナカタさんがホシノ青年と入口の石の捜索のため四国に向かう。カーネルサンダースと概念。現実世界と虚構世界もしくは死後の世界、またその狭間で揺れ動く登場人物達。カフカやさくら、ホシノ青年は戻り、佐伯さんやナカタさん、浩一は後者の世界に。自分の深層心理に降りていくことの危険さを理解しつつ、自分でコントロールできる自分を手に入れておかなければ、時間は関係ない向こう側に引きずり込まれてしまい、現実においてはそれ以上の発展がなくなる。誰かの心の中に残り続けること、人の生きる意味や証。それを求めて人は生きる。

  • 両親とうまくいってなくっても、それで人生は終わらない。
    生きることがどんなことかなんてのは簡単に分からないけど、失うことを恐れて生きるのを止めることはあってはいけない。
    世界はメタファーで出来ている。と思いながら生きたらあらゆる出来事は必然性で起きてるって思えるよね。

  • とんでもなく好きだ。今までの本の中で1番好きかもしれない。静かで、切なくて、心の1番敏感で壊れそうなところを優しく書いてる本だと思う。奇妙だけど難解ではない、疑問は残っても腑に落ちなくはない、全編通して私にとって心地よすぎる本だった。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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