海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.63
  • (1987)
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  • (4288)
  • (449)
  • (99)
本棚登録 : 22492
レビュー : 1534
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001555

作品紹介・あらすじ

四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女-。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。"入り口の石"を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか?海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。

感想・レビュー・書評

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  • カフカは父の呪いをメタフォリカルに実現したことにより、呪いから解放されたと解釈した。
    あちら側の世界を通して繋がっていた、現実では全く関わりのないカフカ、佐伯さん、ナカタさんが悲劇的な結末(カフカが呪いを現実で叶え、父から悪を引き継ぐ)を回避するための役割をそれぞれが完遂したのだろう。

  • さくらさんみたいな喋り方のキャラクターは好みであるかもしれない。
    村上先生の不思議な世界観というか、異世界と現実との交わりというか、そういったものを見るのは割と好き。
    あと、毎度、主人公の持ってる習慣も良い◎

  • 村上春樹独特の世界観の中で展開。SFのようでファンタジーのようであるが、不思議な小説。他の小説のようにいろんなことが謎のままエンディングとなる。

  • 正直よくわからない部分が多かったけど、心にくる部分もあって。
    よくわからないけど作中の雰囲気と文のリズムに引き込まれてしまう。

  • 下巻で気になっていた事件の真相が明かされると期待していたが、結局真相は闇の中といったところで、個人的には煮え切らないなと感じた。
    ただ、主人公の田村少年やナカタさんと行動を共にしたホシノさんが、生きる上での価値観が変わり行く姿を見て、想像するのは楽しかった。

  • いちばん読みやすかった。世界の終わり〜を思い出したけど15歳の少年が主人公のせいか世界の終わりほど複雑ではなく冒険要素もあり一気に読めた。
    中田さんと星野さんの友情にホロリ。ええひとや。。
    しばらく遠ざかってたけど他の村上春樹作品も読みたい。

  • 再読です。
    読みながら、必死に謎解きをしようと脳が活性化されていきます。
    この物語の中には、頭のいい人が多い。
    カフカ少年もそうだけれど、大島さんも佐伯さんも。星野青年だって、アロハやカープの帽子をかぶってやんちゃに見せても、基本的な頭の良さは持ち合わせている。
    流れは緩やかに見せてスピード感があり、先に先にとページをめくらずにはいられない。
    謎は謎のまま、はっきりとした答えを出さないのが村上春樹の物語で、そこから自身がどう感じ取るかが彼の物語の面白さだ。
    多分、この先もまた何度でも読み返すことになるだろう。

  • 2回目、あっという間に読了。
    生と死の狭間の世界に入り込んでしまった人たちと、その周りで関わってしまった人たちの話。

    親の愛情を感じられなかったカフカ、本当に愛する人を失って、現世にいながら、幸せだった頃のまま留まっていたかった佐伯さん、事故で読み書きもできなくなったナカタさん、最後にナカタさんを助けて一緒に旅したホシノさん、それぞれの生き方、あり方にも共感しつつも、最後は、人生ってなんだろうと、ちょっと淋しさも残った。

  • 四国といえば遍路である
    むかし、弘法大師さまが様々な奇跡をおこし
    人々を助けたという伝説が、四国の各地に残っていて
    そこへ向かう道すがら、ナカタさんも様々な奇跡を引き起こす
    だいたい弘法大師のそれとは似つかぬ不吉な奇跡ばかりだったが
    しかしトラック運転手のホシノ青年や
    女衒のカーネル・サンダーズ
    そういった、次々登場する狂言廻しに導かれ
    物語のなかを突き進んでゆく
    そんなナカタさんは、影を半分失った男だった
    あるいは、ナカタさん自身が実体を失った影なのだろうか

    ある意味では自己犠牲的な父との向きあいを避け
    家出したカフカ少年は
    四国に来て象徴的、またひょっとすると現実的に母と姉を犯した
    それはしかし、カフカ少年にとって明らかなる堕落だった
    父の予言をいいとこだけつまみ食いしたという意味でもそうだが
    それ以上に、自分を甘やかしてくれる人を求め
    時にそれを、夢の中とはいえ、力でねじ伏せた
    その事実に打ちのめされた彼は
    みずからの抱える恐れの源泉
    すなわち、なぜ母親は自分を捨てたのかという疑問に向きあうべく
    森の奥深くに入り
    「世界の終わり」を思わせる場所へとたどりつく
    観念として息子にとりつこうとする父のエゴを払いのける強さは
    そのように獲得されねばならなかった
    頼れる大人たちに導かれ
    カフカ少年が、自分の影を捨てずに済んだことには
    やや不満を持つ読者もいるだろうが
    15歳の少年なんだから、保護される権利だって当然あるはずだ

  • 因果は巡る.調和は保たれようとする.
    4回目ぐらいの読破.読むたびにいろんなイメージを持たせてくれる名作.
    人間の深層心理の言葉にならない部分を文章表現とストーリーで現していこうとしている,というのが自分の村上春樹作品への感触なのだが,それ以上のことを言うのが本当に難しい.ああ,これが文学なんだなぁと思わせてくれる.だからこそ自分の中では唯一無二の作家である.
    村上春樹の作品はほとんど読んでいるが,正直どの作品も根底のテーマは同じなのではないだろうかと個人的には感じている.
    なので本作についての説明も非常に難しい....
    無理に考えてみると,父からだったり他人からだったりと宿命みたいなものが罪のない人に被せられてしまうというのがポイントなのかもしれない.この作品は特に夢に見た内容をつなげてできたような展開に思える.ふわふわと場面展開しながら最後には心の中心部に入り込む.

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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