海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.65
  • (2323)
  • (3014)
  • (4595)
  • (512)
  • (117)
本棚登録 : 30039
感想 : 1915
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001555

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【感想】
    うーん・・・
    村上春樹ワールド全開というか、結局よくわからない顛末で物語が終わったような気が・・・
    ナカタさんが何者だったのか、なぜあのような特殊能力を持っていたのか、戦争中のあの出来事は一体何だったのか・・・
    謎が多すぎる物語で、自分の理解力が乏しいからか、正直ついていけなかったな。

    総じて、分からない世界観すぎる。
    駄作ではないと思うが、少なくとも面白いとは一切思わなかった。


    【引用】
    p174
    フルニエの流麗で気品のあるチェロに耳を傾けながら、星野青年は子どもの頃を思い出した。
    毎日近所の川に行って魚や泥鰌を釣っていた頃のことを。
    あの頃は何も考えなくてよかった。ただそのまんま生きていればよかったんだ。
    生きている限り、俺は何者かだった。自然にそうなっていたんだ。

    でも、いつのまにかそうではなくなってしまった。生きることによって、俺は何者でもなくなってしまった。


    p323
    「よう、おじさん」と青年はナカタさんに声をかけた。
    「こんなことを言うのはなんだけどさ、まあ悪い死に方じゃねえよな」

    ナカタさんは深い眠りの中で、おそらく何を考えることもなく、静かにそのまま死んでいった。
    死に顔も穏やかで、見たところ苦しみもなく、後悔もなく、迷いもなさそうだ。
    ナカタさんの人生がいったい何だったのか、そこにどんな意味があったのか、それは分からない。
    でもそんなことを言い出せば、誰の人生にだってそんなにはっきりとした意味があるわけじゃないだろう。
    人間にとってほんとうに大事なのは、ほんとうに重みを持つのは、きっと死に方のほうなんだな、と青年は考えた。
    死に方に比べたら、生き方なんてたいしたことじゃないのかもしれない。
    とはいえやはり、人の死に方を決めるのは人の生き方であるはずだ。

    ナカタさんの死に顔を見ながら、青年はそんなことを考えるともなく考えた。

    • toratora1025さん
      ナカタさんが何者だったのか、なぜあのような特殊能力をもっていたのか、戦争中のあの出来事は一体何だったのかは同感です。
      ぜんたいとしてはワール...
      ナカタさんが何者だったのか、なぜあのような特殊能力をもっていたのか、戦争中のあの出来事は一体何だったのかは同感です。
      ぜんたいとしてはワールドらしく複数の流れが平行して展開されていて面白かったです。
      2021/03/05
  • よく分からない

  • 下巻は一気に読めた。何となく想像していた展開だけど、どういうメッセージを読みとればいいのか…やはり難しい。

  • 15歳の少年カフカが誕生日に家を出て高松で暮らしながら、自分を見つめていく。

    ナカタさんや佐伯さんや田村さんなどなど興味深い人物が登場し、カフカとの関わりや徐々に色んな繋がりに発展してくる。

    冒険物語でもないし、これが村上春樹ワールドなんだな、と思う。

    少し現実離れしてたり、言い回しが独特なのがきっとこの人の持ち味なんだろうな、とも。

    また時間を置いて、時間をかけて読まないと私には入ってこないかも。

  • 最後まで読めば全てが結びつくと思って読み進めていったが期待はずれで残念だった。スッキリしないストーリーだった。結局、どういうことなのか全然わからず、つまらなかった。

  • 2014.03.03

    考えるところはあったし、面白かったかどうかで聞かれたら、面白かった。
    でも結局はどういうこと?
    スッキリしない。後味悪いとかじゃなくて。わけがわからない。

    あと!所々の性描写!村上春樹ってみんなそうなのかな。だとしたらあたし読まないかもな。ってか1Q84にもあったな。だからあたし途中で断念したし。



    △ ▽

  • この本はあらかじめあらすじを理解した方がいい作品だろうと思う。
    この作品が一種の不条理作品でありファンタジーでもあるということ。また、物語の流れのため、つまりは村上春樹にとって都合の良いストーリーを構築するためにはどんな展開でもどんなキャラクターでも登場していいということを許容出来る人はまだ我慢ができるのかもしれない。
    謎が多く残る話は個人的には嫌いではない。ただ、冒頭から物語の主軸となるような謎をそのままにして終えるということには正直納得がいかない。
    村上春樹にはこのような雑なストーリー展開を用いてでも語りたいと思うことはあるのかもしれないがそのことを聞いていられるほどこの物語には付き合うことはできなかった。

    他の村上春樹作品も読んでみようとは思っているが、
    私にとってこれが村上春樹の代表作とならないことを祈る。

  • 上巻の途中で興味がなくなった

  • 下巻。
    ごちゃっとした意味深な世界観に、魅了させられる人は魅了させられるのかも。

  • 「僕は失われてしまった少女に恋をし、死んでしまった少年に嫉妬する」

    伏線ブン投げにもほどがあるだろう。
    物語の何一つとして解決がなされないというのは疑問が残る。
    私の拙い想像力では補いきれない。
    上巻がものすごく面白かっただけにこの作品は全体として本当に残念。

    ミステリ:☆
    ストーリー:☆
    人物:☆☆☆☆
    読みやすさ:☆☆☆

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

村上春樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×