- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001555
作品紹介・あらすじ
四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女-。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。"入り口の石"を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか?海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。
感想・レビュー・書評
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苦手な描写がチラホラ。
“タフになること”の意味あいも、なんとなくわたしと合わなくて。
そして、やっぱりわたしはナカタさんの章の方がすき。
ってことは、やっぱりハルキストではないわけで。
あっ、でも兵隊はすごくすき。
こちらの付箋は16ヶ所。
やっぱり全然、前とは違うところに。
二つの物語が一つに重なっていく感じは少し、1Q84に似ている。
物語の収束は、とても美しい。 -
小説の理論的な書き方を解説しながら、あるいは種明かししながら物語が進んでいくので少し笑える!!
「ロシアの作家アントン・チェーホフがうまいことを言っている。『もし物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない』ってな。」
でも、まぁ話は面白かった。 -
村上春樹は読んだことがなかった。別に食わず嫌いだったわけでもなく、ただ何となく。そこへ、先日友人からのこの本を薦められ、読んでみた。初春樹だ。
先が気になってやめられず、一気読みしてしまった。時間は計ってなかったけれど、ものすごく速かった。ストーリーが面白かったのもあるけれど、話の密度が低いのも速く読めた一因ではないか。一見深いことを言っているようなシーンも多いのだが、その背景にあるのは著者の感覚に過ぎないように思える。論理的な説得力が感じられず、全体的に話が軽い。なので、どんどん読み飛ばしてゆける。
軽いと言えば、登場人物も軽い。性格が軽いのではなくて、存在感が軽い。まず人が存在して 彼らが動いてストーリーが生まれるのではなく、まずストーリーがあって それに基づいて人物が動かされている感じがする。それぞれ葛藤があり悩みがあって、その中でもがきながら動くのが人間だろう。しかし、この本では「あ、台本にこう書いてあるから次はこう動かなきゃ」みたいな感じで登場人物は行動する。だから、存在感が軽い。俳優が舞台の上で役を演じてはいるが、それはあくまで舞台上だけの役割で、舞台を降りたら別の生活がある。その、舞台の上の部分だけを描写しているような感じ、とでも言おうか。人物に厚みがなくて、こっち側から見えている面は人間だけれど、それは皮一枚で、裏に回れば空っぽではないかとさえ思う。これはぶっ飛んだストーリーのせいではなくて、著者の問題だと思う。もっとぶっ飛んだストーリーでも、実在感にあふれた作品を書く人もいるのだから。
軽さに拍車をかけているのが、ブランド志向な描写だ。レヴォのサングラスとか、VWのゴルフとか、トミーヒルフィガーとか、クルマやガジェット・ファッション関係で妙にブランドにこだわった描写が目につく。それが、ブランド物ばかり置かれた住宅展示場の生活感のない空間のようなイメージで、作品全体の実在感をさらに希薄にしている。
何だかボロクソに書いてしまった。まぁ、ストーリーはよく出来ていた。 -
主人公二人のエピソードが交互に綴られる構成。読み終わって、私自身の読み込む力不足なのかもしれませんが、解決できない部分もあるのですが、面白く読めました。村上春樹さんの文章が、好きなので疑問が残っても楽しく読めてしまいます。
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様々な古典文学を抽象化しエッセンスを複雑に混交させ具体化的物語へ昇華する、村上春樹氏の凄さが作品からは伝わってくる。が、読み終えてもこの物語が一体何であったかの総括は難しい。村上春樹氏の他作品と比べてより現代小説的であり、所々差し込まれる残酷的であり肉感的であり直接的な描写が不思議な感覚を与える。カフカ少年の新たな旅立ちを感じさせる終わり方も特徴的であろう。本作品はカフカ少年を軸とした並行世界のようでありながら、ひょっとすると全てカフカ少年の幻想もしくは可能性であった世界なのかもしれない。最終的には各自の喪失を持って大人へ脱皮したカフカ少年に収斂し現実社会へ復帰する形で幕を閉じる。
但し本作品は現実と非現実との区切りが比較的はっきりかつ唐突なところがあり、村上作品の持つ浮遊感みたいなものは少なめであったように感じる。 -
ミステリーではないので、結局謎は謎のまま謎として残る謎の終わり方だった。
つぎの3つの大きな問いだけでも答えをはっきりさせたくて、いろんなひとの意見を覗いてみた。
問1 佐伯さんは、カフカの母親なのか?
問2 さくらは、カフカのお姉さんなのか?
問3 ジョニーウォーカーとカフカのお父さん(有名彫刻家)は同一人物なのか?
『読者の自由な解釈でよい』が作者の公式見解のようだが、たぶん、No, No, Yes, っぽい。
ナカタさんと星野青年の漫才風珍道中は、読んでてホッと出来た。佐伯さんの『必要以上に内省的』な姿勢とは対照的に。(『 』内の表現は、鳴らない電話機の描写として登場。妙に記憶に残ったので使ってみた。)
『入り口の石』とかナカタさんの学級の集団催眠とか、理由がよく分からない部分は、たくさんあるけれど、物語としては非常に面白くて、すいすい読めた。
カフカ君は、どんなふうにタフな大人になるのか。登場人物の中でいうと、大島さんのお兄さんが、一番近そう。なんといっても、脱走兵二人に入り口へ案内して貰う、という共通の経験があるし。
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後半の物語の方が好き。 ナカタさんとホシノさんのストーリーがたまらなくいい。 二人の会話もそうだが、二人の信頼関係というか、友情がとてもいい。最後にホシノさんがナカタさんの為にしてあげた事、中々出来ないよね。この物語はカフカ中心の話なんだろうけど、ナカタさん、ホシノさんが素晴らしい脇役を演じていると思う。
著者プロフィール
村上春樹の作品






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コメントありがとうございます!
いや~、だいぶ前のレビューですね(笑)
初めて読んだのは「アフターダーク...
コメントありがとうございます!
いや~、だいぶ前のレビューですね(笑)
初めて読んだのは「アフターダーク」か「ノルウェイの森」です。
デビュー作から「ねじまき鳥」も「世界の終わりの~」も有名どころは読んでいるのですが、うーん、好きかと言われるとそうでもなく。
ではなぜ読んでいたのか。
まさに、「村上春樹を読んでいる自分が好きだった」という状況でした(笑)
今は本棚にはいくつか春樹氏の作品があるものの、いつも棚卸の時に悩んでしまいます…春樹さんごめんなさい。
わかります!
俺も最初の動機はそんなもんだと思います。
サブカルクソ野郎全開ですね!お互い…笑
わかります!
俺も最初の動機はそんなもんだと思います。
サブカルクソ野郎全開ですね!お互い…笑
爆笑…!
というか、かなりの割合でみんなそうではないかと思ってます。
でもある時ふと気付いたんですよ、「ちょ...
爆笑…!
というか、かなりの割合でみんなそうではないかと思ってます。
でもある時ふと気付いたんですよ、「ちょっと何言ってるかわからない」ということに…(笑)
それに気づいてからの脱却は早かった…