海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.64
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本棚登録 : 26808
感想 : 1735
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001555

作品紹介・あらすじ

四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女-。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。"入り口の石"を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか?海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。

感想・レビュー・書評

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  • 苦手な描写がチラホラ。
    “タフになること”の意味あいも、なんとなくわたしと合わなくて。
    そして、やっぱりわたしはナカタさんの章の方がすき。
    ってことは、やっぱりハルキストではないわけで。
    あっ、でも兵隊はすごくすき。

    こちらの付箋は16ヶ所。
    やっぱり全然、前とは違うところに。

    二つの物語が一つに重なっていく感じは少し、1Q84に似ている。
    物語の収束は、とても美しい。

    • naonaonao16gさん
      sinsekaiさん

      コメントありがとうございます!
      いや~、だいぶ前のレビューですね(笑)

      初めて読んだのは「アフターダーク...
      sinsekaiさん

      コメントありがとうございます!
      いや~、だいぶ前のレビューですね(笑)

      初めて読んだのは「アフターダーク」か「ノルウェイの森」です。
      デビュー作から「ねじまき鳥」も「世界の終わりの~」も有名どころは読んでいるのですが、うーん、好きかと言われるとそうでもなく。
      ではなぜ読んでいたのか。
      まさに、「村上春樹を読んでいる自分が好きだった」という状況でした(笑)
      今は本棚にはいくつか春樹氏の作品があるものの、いつも棚卸の時に悩んでしまいます…春樹さんごめんなさい。
      2021/08/01
    • sinsekaiさん
      「村上春樹を読んでる自分が好きだった」
      わかります!
      俺も最初の動機はそんなもんだと思います。
      サブカルクソ野郎全開ですね!お互い…笑
      「村上春樹を読んでる自分が好きだった」
      わかります!
      俺も最初の動機はそんなもんだと思います。
      サブカルクソ野郎全開ですね!お互い…笑
      2021/08/01
    • naonaonao16gさん
      sinsekaiさん

      爆笑…!
      というか、かなりの割合でみんなそうではないかと思ってます。
      でもある時ふと気付いたんですよ、「ちょ...
      sinsekaiさん

      爆笑…!
      というか、かなりの割合でみんなそうではないかと思ってます。
      でもある時ふと気付いたんですよ、「ちょっと何言ってるかわからない」ということに…(笑)
      それに気づいてからの脱却は早かった…
      2021/08/01
  • 小説の理論的な書き方を解説しながら、あるいは種明かししながら物語が進んでいくので少し笑える!!
    「ロシアの作家アントン・チェーホフがうまいことを言っている。『もし物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない』ってな。」

    でも、まぁ話は面白かった。

  •  村上春樹は読んだことがなかった。別に食わず嫌いだったわけでもなく、ただ何となく。そこへ、先日友人からのこの本を薦められ、読んでみた。初春樹だ。
     先が気になってやめられず、一気読みしてしまった。時間は計ってなかったけれど、ものすごく速かった。ストーリーが面白かったのもあるけれど、話の密度が低いのも速く読めた一因ではないか。一見深いことを言っているようなシーンも多いのだが、その背景にあるのは著者の感覚に過ぎないように思える。論理的な説得力が感じられず、全体的に話が軽い。なので、どんどん読み飛ばしてゆける。
     軽いと言えば、登場人物も軽い。性格が軽いのではなくて、存在感が軽い。まず人が存在して 彼らが動いてストーリーが生まれるのではなく、まずストーリーがあって それに基づいて人物が動かされている感じがする。それぞれ葛藤があり悩みがあって、その中でもがきながら動くのが人間だろう。しかし、この本では「あ、台本にこう書いてあるから次はこう動かなきゃ」みたいな感じで登場人物は行動する。だから、存在感が軽い。俳優が舞台の上で役を演じてはいるが、それはあくまで舞台上だけの役割で、舞台を降りたら別の生活がある。その、舞台の上の部分だけを描写しているような感じ、とでも言おうか。人物に厚みがなくて、こっち側から見えている面は人間だけれど、それは皮一枚で、裏に回れば空っぽではないかとさえ思う。これはぶっ飛んだストーリーのせいではなくて、著者の問題だと思う。もっとぶっ飛んだストーリーでも、実在感にあふれた作品を書く人もいるのだから。
     軽さに拍車をかけているのが、ブランド志向な描写だ。レヴォのサングラスとか、VWのゴルフとか、トミーヒルフィガーとか、クルマやガジェット・ファッション関係で妙にブランドにこだわった描写が目につく。それが、ブランド物ばかり置かれた住宅展示場の生活感のない空間のようなイメージで、作品全体の実在感をさらに希薄にしている。
     何だかボロクソに書いてしまった。まぁ、ストーリーはよく出来ていた。

  • 星野青年とナカタさんのやり取りが凄く好き。
    カフカ少年のところは私には少々難しくて、理解が追いつかなかったな。
    でも感じるところはたくさんあったし、何しろ「ことばで説明してもそこにあるものを正しく伝えることはできないから。本当の答えというのはことばにはできないものだから」。感じたまま呑み込んでも良いかな、なんて。
    敢えて、難しく色々と考え込んでそれをことばにしなくても良いかなって。
    この本は、風の音を聞くみたいに「感じる」本として、受け取る事にしました。
    そしてカフカ少年、レディオヘッドを聴いているとは!!私もキッドA好きです。

  • 上下まとめて。
    主人公の一人「田村カフカ」は中野区野方に住む、高名な彫刻家の息子で家出少年。母と義理の姉が幼い頃に出て行ったことが、ずっと心の重りになっている。
    もう一人の主人公、ナカタさんも野方在住の60歳の老人。幼い頃のある経験で、影が濃さが半分になり、読み書きの能力を失い、猫と話せるようになった。

    呪われた予言を受け、「世界でいちばんタフな15歳になるため」、カフカ少年は家を出て四国・高松へ向かい、姉のような”サクラさん”と出会い、甲村記念図書館の一部となり、大島さん、そして佐伯さんと出会う。図書館の一室に住むことになったカフカ少年は周囲と不思議に交わっていく。
    一方ナカタさんは猫探しの依頼から事件に巻き込まれ、「入り口の石」を探しにヒッチハイクをし、途中で出会ったトラック運転手・星野の力を借りて高松へ向かう。

    ナカタさんストーリーとカフカのストーリーが並行して進んでいくも、二人とも高松へ向かい、それがだんだん一点に集約していく。
    ギリシャ神話「オイディプス」をベースにしている通り、父を殺し母と交わる描写がある。
    基本的にはカフカ少年の成長物語であり、ミステリー要素もあって、村上春樹作品としてはわかりやすかった。
    「ジョニー・ウォーカー」氏による猫の惨殺シーンはかなりグロテスクで、読み飛ばした方がよかった。ああでもしないと、なかなか”殺人”という行為をニュートラルに描けないのでしょうが。
    猫はきっと”読み書き=記録のない世界”の象徴なのでしょう。図書館とは対をなす。

    人は現世で生きている出来事にのみ関わるわけでなく、去った人たちの記憶の世界や、夢の世界とも関わり、ときにそこにも責任が生じる。
    カフカ少年は心の友人「カラス」とともに旅立ち、高松でサクラさんと大島さんと出会った。予言を終え、最後に東京へ戻るとき、「新しい世界の一部に」なる。
    傷を抱えて、旅をするとはこういうものかもしれない。少しノスタルジックになるが、「ジョニー・ウォーカー」氏を除けば登場人物がみんな優しい人で、結構すきな作品でした。またいつか読み返そう。

  • 主人公二人のエピソードが交互に綴られる構成。読み終わって、私自身の読み込む力不足なのかもしれませんが、解決できない部分もあるのですが、面白く読めました。村上春樹さんの文章が、好きなので疑問が残っても楽しく読めてしまいます。

  • 様々な古典文学を抽象化しエッセンスを複雑に混交させ具体化的物語へ昇華する、村上春樹氏の凄さが作品からは伝わってくる。が、読み終えてもこの物語が一体何であったかの総括は難しい。村上春樹氏の他作品と比べてより現代小説的であり、所々差し込まれる残酷的であり肉感的であり直接的な描写が不思議な感覚を与える。カフカ少年の新たな旅立ちを感じさせる終わり方も特徴的であろう。本作品はカフカ少年を軸とした並行世界のようでありながら、ひょっとすると全てカフカ少年の幻想もしくは可能性であった世界なのかもしれない。最終的には各自の喪失を持って大人へ脱皮したカフカ少年に収斂し現実社会へ復帰する形で幕を閉じる。

    但し本作品は現実と非現実との区切りが比較的はっきりかつ唐突なところがあり、村上作品の持つ浮遊感みたいなものは少なめであったように感じる。

  • ミステリーではないので、結局謎は謎のまま謎として残る謎の終わり方だった。

    つぎの3つの大きな問いだけでも答えをはっきりさせたくて、いろんなひとの意見を覗いてみた。
    問1 佐伯さんは、カフカの母親なのか?
    問2 さくらは、カフカのお姉さんなのか?
    問3 ジョニーウォーカーとカフカのお父さん(有名彫刻家)は同一人物なのか?

    『読者の自由な解釈でよい』が作者の公式見解のようだが、たぶん、No, No, Yes, っぽい。

    ナカタさんと星野青年の漫才風珍道中は、読んでてホッと出来た。佐伯さんの『必要以上に内省的』な姿勢とは対照的に。(『 』内の表現は、鳴らない電話機の描写として登場。妙に記憶に残ったので使ってみた。)

    『入り口の石』とかナカタさんの学級の集団催眠とか、理由がよく分からない部分は、たくさんあるけれど、物語としては非常に面白くて、すいすい読めた。

    カフカ君は、どんなふうにタフな大人になるのか。登場人物の中でいうと、大島さんのお兄さんが、一番近そう。なんといっても、脱走兵二人に入り口へ案内して貰う、という共通の経験があるし。

  • 一組の男女が若くして深く愛し合うも少年を突然の不条理な死が襲い、二人は分たれる。少年の死を境に少女もまた生気を失い、生きながらにして死んでいるような影の薄い存在になる。時を経て、なにかのきっかけで少女の命が失われた時、二人は再開を果たす。この展開はノルウェイの森にもあった展開。

    少女は結果的には少年の後を追って死ぬこととなるがその死のタイミングは一種、運命的なものに決められていてそれまでは少女は(本人としては無意味に)生き続けざるを得ない。悲しみは悲しみのまま、損なわれた心は損なわれたまま、受け入れる強さを持つ女性の不思議な魅力(同時に危険でもある)はノルウェイの森の直子なり、本作の佐伯さんなり、色褪せることがない。

    下巻のナカタさんと星野くんの旅は悪しきものの住む異世界への扉を開け、そして時がくればその扉を閉める旅に他ならない。そしてこの扉を閉めるには誰かの命が代償として必要となる。このモチーフは騎士団長殺しに繋がっていくものだろう(異世界との交通が生まれる村上作品にはありがちな展開なのかもしれないが)。

    終盤のメタフォリカルなカフカ少年の旅の意味を深く考察することはできなかったが再読の機会に譲るとしたい。

  • 後半の物語の方が好き。 ナカタさんとホシノさんのストーリーがたまらなくいい。 二人の会話もそうだが、二人の信頼関係というか、友情がとてもいい。最後にホシノさんがナカタさんの為にしてあげた事、中々出来ないよね。この物語はカフカ中心の話なんだろうけど、ナカタさん、ホシノさんが素晴らしい脇役を演じていると思う。

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著者プロフィール

1949年 京都府生まれ。著述業。
『ねじまき鳥クロニクル』新潮社,1994。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社,1985。『羊をめぐる冒険』講談社,1982。『ノルウェイの森』講談社,1987。ほか海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞を受賞。

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