世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)
- 新潮社 (2010年4月8日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001579
作品紹介・あらすじ
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らすの物語、"世界の終り"。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれたが、その回路に隠された秘密を巡って活躍する"ハードボイルド・ワンダーランド"。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
感想・レビュー・書評
-
難しい設定で、なかなか読み進めるのが難しかったです。でも、それが村上春樹の作品の特徴であり、個性なんだとあらためて感じました。「世界の終わり」「ハードボイルド・ワンダーランド」と2つのストーリーが交互に展開される作品で、まだ上巻しか読んでないので、下巻にどう展開されるのか、楽しみです。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1985年初版。著者の作品は、そんなにたくさん読んだわけではありません。ネットで評価が高いという理由で、何の先入観も持たないで読み始めました。2つの物語が交互に綴られていきます。40年近く前の作品とは思えない。不思議な世界観にハマります。当然、2つの物語が交わってゆくのかと思うのですが下巻で、どのような展開を見せてくれるのか楽しみです。
-
確か10年以上前に一度読んだはずなのに、恐ろしいことに全くと言って良いほど覚えていなかった。
その頃はほとんど読書していなかったので、もしかすると、読み始めたが、ほとんど読まずに途中で諦めたのかもしれない。
なので、なんだかややこしいイメージだったが、全くそんなことはなく、今回は、とても気持ちよく読み進めることができた。
さて下巻では、どのようなストーリーが待っているのか、楽しみだ。 -
2つの世界が次第に混ざり合っていくような書き方はこの作品から始まったみたい
海辺のカフカや1Q84を思い出させるような進め方で個人的には好き
加えて、それまで(鼠シリーズとか)とは違って、まるっきりファンタジーな世界から書き始めているところにも実験的な試みや新鮮味を感じれた -
村上春樹の長編小説を初期のものから改めて順番に読んでみようということで。
この小説は初めて読んだが、なかなかの傑作と思う。
2つの物語が交互に進行していく。いずれも現実感のない始まり方をするが、『世界の終り』がファンタジー世界のテイストで一貫する一方、『ハードボイルド・ワンダーランド』は固有名詞もたくさん出てきて現実世界を舞台にしたSFっぽい世界観であることがわかってくる。
そして幾つかの鍵となる事物を介して、2つの物語の関係性が次第に明らかになっていく。その過程の見せ方の巧さには唸らされる。
『ハードボイルド・ワンダーランド』では、計算士と記号士の設定など、1985年に書かれた小説とはとても思えないほどITをベースにした物語世界が展開され、地下世界からの脱出シークエンスの緊迫感はハードボイルドの名に相応しい(暗闇を泳ぎながらあんな長ったらしい会話はできないだろ、とは思ったが)。一方『世界の終り』では、まるでロールプレイングゲームの中にいるように完成された世界が構築されている。この辺の先見性と多彩さには素直に感心するし、村上春樹ってやっぱり頭がいいんだなあ、と。
主題はやや青臭い。「心」を持ってしまった人間という生き物の悲喜がわりとストレートに立ち現れてくる。シンプルであるが故に感動的だ。
それにしてもセックス関連の描写が中学生の妄想レベルなのは、やっぱり気になるなぁ。 -
別の長編に比べ、冒頭のSF感に驚かされた。SFとロールプレイングゲームのようなファンタジーの行き来は、私が描いていた春樹らしさとは異なる。ので最初読み進めるのに手間がかかったが、面白かった。
「私は気の短い人間を相手にすると、その気の短さを少しずつ試してみたくなるのだ。」春樹の性格を端的に表す一文だと思う。私も同じことをよく考える。 -
主人公が出会った肉付きの加減が絶妙で人当たりの良い女の子とその後に購入した一生分のクリップだけがいまだ記憶に残っている。
そのためか分からないけれど、恋愛において好意を寄せるタイプは少しふっくらした女性だし。なぜか事務用品売り場に行くと自然に小さい透明なプラスチック箱に詰められた画鋲やガチャ玉、クリップを眺めてしまう。 -
30年ぶりに再読中。
「進撃の巨人」最終巻を買う直前に急に読みたくなった。何でかなあ、と思ってたら、「世界の終り」が壁の街だったのを薄ら覚えてたのだろうか。
感想は下巻で。
著者プロフィール
村上春樹の作品






この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。





