世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 11128
感想 : 493
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001579

作品紹介・あらすじ

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らすの物語、"世界の終り"。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれたが、その回路に隠された秘密を巡って活躍する"ハードボイルド・ワンダーランド"。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

感想・レビュー・書評

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  • 難しい設定で、なかなか読み進めるのが難しかったです。でも、それが村上春樹の作品の特徴であり、個性なんだとあらためて感じました。「世界の終わり」「ハードボイルド・ワンダーランド」と2つのストーリーが交互に展開される作品で、まだ上巻しか読んでないので、下巻にどう展開されるのか、楽しみです。

  • 1985年初版。著者の作品は、そんなにたくさん読んだわけではありません。ネットで評価が高いという理由で、何の先入観も持たないで読み始めました。2つの物語が交互に綴られていきます。40年近く前の作品とは思えない。不思議な世界観にハマります。当然、2つの物語が交わってゆくのかと思うのですが下巻で、どのような展開を見せてくれるのか楽しみです。

  • 確か10年以上前に一度読んだはずなのに、恐ろしいことに全くと言って良いほど覚えていなかった。
    その頃はほとんど読書していなかったので、もしかすると、読み始めたが、ほとんど読まずに途中で諦めたのかもしれない。
    なので、なんだかややこしいイメージだったが、全くそんなことはなく、今回は、とても気持ちよく読み進めることができた。
    さて下巻では、どのようなストーリーが待っているのか、楽しみだ。

  • 〜裏表紙より〜
    高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。
    老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。
    静寂な幻想世界と波瀾万丈な冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。



    〔世界の終り〕は、高い壁に囲まれているため進撃の巨人のパラディ島をイメージしたが、壁の外はリンゴ林や山や平地に囲まれているらしい。その中に来た余所者の〈僕〉は、自身の影を引き剥がされ(壁の中に入ったらそうする必要があるらしい)、徐々に心を失っていくらしい。門番や大佐ら先住民から情報を集め、図書館でとある女に手伝って貰いながら自分の役目である夢読みを始める。夢読みは、頭骨を見つめていると謎のイメージが少し見える程度で、本人もまだ意味を理解出来ていない。
    自分から切り離された影は意志を持っており、このままだと消滅してしまうが影にも何か考えがあるらしく、〈僕〉に対して壁の中の地形等を調べて欲しいと依頼する。そして〈僕〉は地図を作成し、影のもとに届くように画策する。

    〔ハードボイルド・ワンダーランド〕の舞台は東京。〈僕〉は組織(システム)から与えられた仕事をこなす計算士で、計算士とは重要なデータを暗号化したりして悪者に盗まれないように守る仕事である。そして逆にデータを分析して盗むデータ・マフィアは記号士と呼ばれている。
    そして〈僕〉は、ある天才老科学者(研究成果として既に音や声を消すことに成功している)から仕事を依頼されるが、そのデータを狙う記号士たちに一度捕まり、部屋を滅茶苦茶に荒らされてしまう。データは守ったが、身の危険が迫る老科学者と合流するために、そのぽっちゃり美人孫娘と共に地下の安全地帯を目指し、暗闇の中を歩き続ける。



    あまりに独特な世界観のため、自分の中でどう評価すれば良いのかまだ分からないが、個性的な比喩表現には感性を刺激されたし、ユニークな台詞が面白く感じる場面もあった。
    あとは、上でモヤモヤしている謎が、期待はしていないが少しは納得のできる答えに行き着いてくれるかどうか…下に期待したい。

  • 2つの世界が次第に混ざり合っていくような書き方はこの作品から始まったみたい

    海辺のカフカや1Q84を思い出させるような進め方で個人的には好き

    加えて、それまで(鼠シリーズとか)とは違って、まるっきりファンタジーな世界から書き始めているところにも実験的な試みや新鮮味を感じれた

  • 村上春樹の長編小説を初期のものから改めて順番に読んでみようということで。
    この小説は初めて読んだが、なかなかの傑作と思う。

    2つの物語が交互に進行していく。いずれも現実感のない始まり方をするが、『世界の終り』がファンタジー世界のテイストで一貫する一方、『ハードボイルド・ワンダーランド』は固有名詞もたくさん出てきて現実世界を舞台にしたSFっぽい世界観であることがわかってくる。
    そして幾つかの鍵となる事物を介して、2つの物語の関係性が次第に明らかになっていく。その過程の見せ方の巧さには唸らされる。

    『ハードボイルド・ワンダーランド』では、計算士と記号士の設定など、1985年に書かれた小説とはとても思えないほどITをベースにした物語世界が展開され、地下世界からの脱出シークエンスの緊迫感はハードボイルドの名に相応しい(暗闇を泳ぎながらあんな長ったらしい会話はできないだろ、とは思ったが)。一方『世界の終り』では、まるでロールプレイングゲームの中にいるように完成された世界が構築されている。この辺の先見性と多彩さには素直に感心するし、村上春樹ってやっぱり頭がいいんだなあ、と。

    主題はやや青臭い。「心」を持ってしまった人間という生き物の悲喜がわりとストレートに立ち現れてくる。シンプルであるが故に感動的だ。

    それにしてもセックス関連の描写が中学生の妄想レベルなのは、やっぱり気になるなぁ。

  • タイトルがめちゃかっこいい!(厨二心)
    ファンタジーな話
    どうなるかは下巻を読んでから
    どちらの世界の主人公も割と好きかもしれない
    完全な暗闇での冒険って、どんなもんなんだろう…
    この本を読んで、夜の街を歩いてみたけど、とても明るかった
    完全な暗闇を人生で体験することってあんまりないような
    あとやはりアクションシーンを活字で読んで想像する力がわたしには欠落している気がする

  • 別の長編に比べ、冒頭のSF感に驚かされた。SFとロールプレイングゲームのようなファンタジーの行き来は、私が描いていた春樹らしさとは異なる。ので最初読み進めるのに手間がかかったが、面白かった。

    「私は気の短い人間を相手にすると、その気の短さを少しずつ試してみたくなるのだ。」春樹の性格を端的に表す一文だと思う。私も同じことをよく考える。

  • 主人公が出会った肉付きの加減が絶妙で人当たりの良い女の子とその後に購入した一生分のクリップだけがいまだ記憶に残っている。
    そのためか分からないけれど、恋愛において好意を寄せるタイプは少しふっくらした女性だし。なぜか事務用品売り場に行くと自然に小さい透明なプラスチック箱に詰められた画鋲やガチャ玉、クリップを眺めてしまう。

  • 30年ぶりに再読中。
    「進撃の巨人」最終巻を買う直前に急に読みたくなった。何でかなあ、と思ってたら、「世界の終り」が壁の街だったのを薄ら覚えてたのだろうか。
    感想は下巻で。

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著者プロフィール

1949年 京都府生まれ。著述業。
『ねじまき鳥クロニクル』新潮社,1994。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社,1985。『羊をめぐる冒険』講談社,1982。『ノルウェイの森』講談社,1987。ほか海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞を受賞。

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