1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉後編 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 617
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001647

感想・レビュー・書評

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  • いやあ、本作品、長かったなあ。途中、世界観が分からず頭が混乱したり、話の展開が遅くて遅くて読むのが苦痛になったりしたが、6冊何とか読み終えた。

    最終巻では、いい味出し始めた牛河がタマルの手であっさり殺されてしまった。タマルはクールでカッコいいのだけれど、ここで牛河が消えちゃったのはちょっと残念。

    「さきがけ」はリーダー殺しの犯人として青豆を追いかけるのをやめ、青豆と手を握ろうとする。組織は、声を聞くためのパシヴァだがレシヴァだかとして青豆のお腹の子供を必要としている。どうやら、青豆の子宮が空気さなぎということになるらしい。

    結局、牛河という障害が消えて、二人は20年振りに無事再会することができ、公園の滑り台の上から2つの月を見つめた後、首都高3号線の三軒茶屋付近で非常階段を逆に辿って首都高の路上に出て、2つの月が浮かぶ世界から脱出することができた。めでたしめでたし。

    最終巻でちょっと気になったのは、゛牛河゛の章が周回遅れの展開にになっていること。何でこうしたのかな?

    ここで改めて、全体を通しての本作品の感想を書いておく。本書は以前から知人に薦められており、村上春樹は苦手ではあるものの夏休みを使って一気に読み切ろうと手に取ったもの。

    タイトルから、ジョージ・オーウェルの「1984年」のオマージュ作品を想像していたが、そうじゃなかった。勿論何カ所かで言及はされていたが、「1984年」との関係は、「ビッグ・ブラザー」の対義語として「リトル・ピープル」を登場させたくらいしかない。なお、「さきがけ」はオーム真理教事件を、「証人会」はある宗教団体の輸血拒否事件を素材にしている。

    随所にセックス描写があったが、生理現象として淡々と描かれているので違和感はなかった。やたら服飾品のブランド名が出てきて、これは鼻についた。

    内容的には、一言でいうと、世界観がぶっ飛んでいて、しかも最後まで曖昧なまま説明されていないことも多く、かなり消化不良感の残る、摩訶不思議なファンタジー作品だった。

    小説の世界が現実に入り込み、現実世界が小説のストーリーに影響を与える、という倒錯した世界観自体は面白いと思ったが、この点はあまりしっかり描かれなかった。リトル・ピープルなる存在が一体何なのかも説明されずに終わってしまった。

    青豆、天吾、ふかえり、牛河、タマルなどの登場人物のキャラはそれぞれいい感じだった(青豆の、必殺仕事人のような暗殺の手際も楽しめた)。ただ、青豆と天吾が、小学生の時の一瞬の邂逅以来、お互いをこの人しかいないと思い定め、その後20年間その思いを胸にずっと抱きながら全く別の人生を歩んで来た、という設定は(たとえお互いの特殊な家庭環境が影響していたとしても)ちょっと無理筋だと思った。

    なお、本作は、話の展開がとにかく遅く、読んでいて焦れったかった。本筋にあまり影響しないエピソードが多くてのらりくらり、という感じ。著者は「職業としての小説家」で、ストーリーを決めずに書き始め、筆が走るにまかせる(登場人物が勝手に動き出す)と語っていたが、そのせいで冗長で雑多なストーリー展開になってるのかも、と思ったりした。青豆が拳銃自殺しようとして結局思いとどまるエピソードや、天吾氏が療養所に2週間ほど通い詰めるエピソード(ある看護婦さんとカラオケの後、一夜を共にするやつ)なんかない方がスッキリするのではないかあ。特に前者は、ある章でピストルの引き金に力を入れるところまで描いて、数章後でやっぱり思いとどまったってなっていたのでちょっと鼻白んでしまった(まるで、クライマックスを迎えてそれでは次週、と焦らすTVドラマのよう)。

    という訳で、残念ながら、村上作品の良さを十分に味わえないままに読み終わってしまった。

  • 読みやすい。登場人物は皆、孤独。いろいろと謎を残したまま終わってしまった感じ。

  • 最後は小さくまとまった感じ。

  • なんだかんだ言って 文庫6冊読ませちゃう作品

  • 続きが気になって最後まで読んだけど、結局なんだったの!?

  • ◯最後はやっぱりなんだかんだ覚えてるなぁ
    最後に青豆と天吾が結ばれるのは覚えてたけど青豆の妊娠は忘れてたなぁ
    天吾のお父さんが亡くなった時の手続きとか処理にとても共感できるようになったなぁと私の変化も感じたり(あんなに千倉が出てくるのに反応するのも私の中の変化だ)
    食べ物の描写が具体的で坂元裕二と違った感じの少し高級感のある日常だよなぁと思ったりやっぱり10年近く空いてまた読むと自分側の変化も感じるかもなぁ

  • うわーーーー
    伏線回収なしかーーー
    すべての謎が放置されたまま、あっけなく終わった…
    ファンタジー好きだけども、刑事モノと時代劇も好きな私にとっては、すっきり解決しないで終わるのほんと嫌。
    話を膨らませるのはうまくても、収拾させられない人なのか。
    長々と読んできたのになぁ…

  • 村上春樹さんの作品はやはり素晴らしい。風の歌を聴けから、初期の作品はほぼリアルタイムで、単行本読んでいましたの。いつの頃からか少し遠ざかって。何年振りかで拝読しました。芥川賞もノーベル賞も関係ありませんね。エンターテナーとして最高に面白い。文字だけでここまで興奮させられて、ここまでリアルな仮想世界?ファンダジーを見せてくれることに驚きます。文庫6冊の一冊に2つは心臓が一瞬リズムを失うようなコドバ、セリフ、名言や、描写があります。ムカつくくらい都会的で、スタイリッシュで、お洒落な空気と会話が全く衰えていない。初期作品を若くして読んでいた時の興奮がそのまま蘇り、なんだか瞬きしている間に自分だけが歳をとってしまったような錯覚にも陥ります。

    一人ひとりのフルネームが明らかになる度に、本当にドギドキしました。

    天吾、青豆、フカエリ、老婦人、リーダー、マルタ、小松、牛河、坊主とポニーテール、リトルピープル、マザとドウタ、パシーバとレシーバ。空気さなぎ。二つの月。ヤナーチェックのシンフォニエッタ。

    小説の中に小説を書く過程が描写される、また物語の中に、架空の小説が出てくる。それらを対象とした登場人物のセリフが、村上さんは「そんな風に」捉えているのかなと想像されて、時にドキッとしたりしました。

  • 読み応えバッチリ!うわー!なんか気になる終わり方だけども、もうこれ以上続けるのは限界そうだもんなぁ。っていうのもかなりあるかな、、、

    宮部みゆきほど伏線回収はうまくいけてないにしても、長編でそれぞれがそれぞれの物語を進めていくような話の流れも読みやすかったし、ジワリジワリといろんな意味で追い詰められていくのもよんでて面白かった!

    恋愛的には微妙にすれ違ったりしてね。うん。

    ただ、恋愛としては冷静と情熱の間にには遠く及ばないし、ファンタジーとしても伏線回収が、イマイチ、、、で、ミステリ?としてももう少しで、読んでて楽しくはあるにはあるけど、すっごいおもしろかったーーー!ってはならないな。うん。

    でも、村上春樹の新しい一面を発見したって感じでした。

  • 長かった
    ハッピーエンドでよかった
    やっぱり村上春樹は良い

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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