職業としての小説家 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001692

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹の考え方は謙虚なのに、行動に狂気が混じっていて最高。そんな人の考えを知る機会なんてなかなかないから読書はいいんだよ。
    身の回りの違和感を観察し、自分の無意識に深く降りていって、内的に発生する感情を言葉にする。そうして生まれるキャラクターは勝手に物語を作り上げる。小説を書くのって孤独で自由で救いがある行為なんだろう。

  • 物書きとして、人生を賭して生きてみようという勇気を喚起された。村上春樹さんの生き様、息遣いがボクの心身に染み渡った。

  • Audibleで読了。
    村上春樹の自分語りというか、どんなスタンスで物書きをしているかを茶目っ気たっぷりに書いてある。
    特に面白かったのは海外へ自分の作品を売り込む話。
    バブル期にあって充分日本で贅沢できたところを、逆に海外へ目を向けて地道に売り込みをかける所が素晴らしいと思った。

  • とても良かった。
    小説を書く上での考え方、向き合い方など参考にできるところが沢山あった。何度でも読み返したい。

  • 「書くこと」について、ものすごく真摯に語られています。この方の小説を読むと、物語の面白さや、セリフや比喩などに目がいってしまいますが、こういう本を読むと、村上春樹さんの文章や文体のうまさがはっきりわかるなと思います。

    一方で、小説家になったいきさつ、勉強はほとんどしなかったなどのくだりは、自分を神話化させるための作り話だと感じます。英語は日本で学ぶ以上ある程度、文法や語彙やらやらないといけないですし、村上さんの書く小説は構造的で、書き方を習得していない人の書き方とは異なるからです。

    ただ、今まではそういった本人による自身の神話化については否定的だったのですが、最後の河合隼雄先生の章を読んだことで、結局、個人としてありのままに書いているのではなく、小説家として発言している。そういうことなのだなと思いました。

  • 小説家とは、持久力。

  • 村上さんに批判的な声が多かった時代の事をあまりよく覚えていないのが残念。自分も当時はノルウェイの森をまったく理解できなかったクチなので!あまり興味もなく、流行り物的にしか認識していなかったんだろうが…

  • まごうことなき、現代日本の誇る作家である著者が、わりとセキララに、自分の執筆活動について述べた本書は、割といろんな本で参照されている。そういうところから手に取ってみると、なかなか面白いと感じた。独自のスタイルを築き、それでいて文筆活動を生涯続けるには、やはりプロフェッショナルな心意気(矜持)みたいなものも軽いタッチで述べられている。章ごとの終わり方特に後半から、村上節だなぁと思いました。いいか悪いか別にして。

  • 筆者が規則性を大事にしていることがよく分かる。毎朝早くに起きてコーヒーを淹れ、机に向かう。どんなに調子の良い日も、悪い日も、原稿用紙10枚分を書き進める。長編小説を書くには体力が必要で、筆者はジョギングを欠かさない。

  • この本で初めて著者の文に触れたけれど、想像よりもよほど触れやすく共感の持てるものでした。
    こんなふうに人生というか文筆家としてのご自身を語られる方の長編に挑んでみたくなり、次の作品に手をのばすに至りました。
    楽しみです。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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