村上T 僕の愛したTシャツたち (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2023年5月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784101001777

作品紹介・あらすじ

本や雑誌、LPレコードやちびた鉛筆など、亀を助けてしまう浦島太郎みたいに、つい色んなものを集めてしまう村上さん。なかでも偏愛してきたのは、そうTシャツ。安くてイージーで、ちょっと反抗的なワルの気分も味わえる村上的コレクションをお披露目。カレッジものから定番のバンドT、謎だらけのメッセージものまで。いつまでもTシャツの似合う大人でありたい人のためのファン・ブック。

みんなの感想まとめ

多様なTシャツへの愛情が詰まったエッセイで、著者の個性的なコレクションやそれにまつわるエピソードが楽しめます。Tシャツを通じて、著者の日常や思い出が語られ、思わず共感を呼ぶ内容が魅力的です。古着やノヴ...

感想・レビュー・書評

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  • 春樹さんのエッセイって、どれだけ騒がしい場所でも落ち着かない状況でも、どれだけ自分が疲弊していようとも、ひとたび文章を目で追えばするすると読めていってしまうのがあらためて本当にすごい。高級素麺て感じ。ありがたいですねぇ。
    本作では、春樹さんのもとに集まってしまった数多のTシャツコレクションが、それらにまつわるさまざまなエピソードとともに紹介されている。
    ちなみに短編『トニー滝谷』は、そうした一枚のTシャツ(コレクションの中でいちばん大事とのこと)との出会いから着想を得て生まれたんだとか。

    〈僕はね、おしゃれなTシャツをお店に行って買うっていうのがあんまり好きじゃないんですよ。それよりノヴェルティーだったり、中古屋でそれらしいのを買うとか、そういうのが好きなんですよ。だからブランド物のちゃんとしたTシャツなんてほとんど持ってない。グッドウィルの店に行っていろんなものを見て半日潰すとか、そういうのが好きなんです。まぁ、結局、ヒマなんだね(笑)。〉

    こんなふうに述べているとおり、バラエティ豊かでおもしろキュートなデザインのものばかりがずらり、読んでいて楽しかった。"やれ具合"って初めて聞いたな。
    出どころが謎に満ちたTシャツもわりに多くて好奇心がそそられる。求む有識者!
    ハワイでこれまで1〜1ドル99セント程度で買えたものが、(おそらくこの連載のせいで)3ドル99セントに値上がりしてしまったんですよ、とぷりぷり憤っている様子がとっても可愛かった。春樹さんのこういうところ大好き。

    Tシャツって中学生ぐらいからもう全然着てこなかったんだけど、それこそ村上春樹作品のUTが発売されると知って購入したのが、自分で買った初めてのTシャツと言っても過言ではないかもしれない。
    それからはマラソンの参加賞でもらったり、村上JAMの限定Tを買ったり、好きなバンドのライブTまで買うようになったり(そして『風の歌を聴け』のモノクロTシャツを所持していることはひそかな自慢だったり)。
    かっこよくて自分にぴったりな最高の無地の白Tをみつけることが、この夏の目標だったりもします。Tシャツ・サマー2025するぞー

  • 村上さんが個人的に気に入っている古いTシャツの写真を撮ってそれについて村上さんが説明している。Tシャツの写真もステキだし文章も面白い。私もTシャツは好きなので興味深く楽しく読ませて頂いた。

    「なるほど」「へぇー」「そうなんだ」と思ったこと
    ・別に集めようと思っていたわけじゃないけどすてきだなと思って買っているうちに数が増えてしまった。
    ・夏はほとんどTシャツにショートパンツ。
    ・素敵なんだけど人目を引きたくないので着られないTシャツがある。
    ・「〝TONY” TAKITANI」のTシャツから『トニー滝谷』という小説が生まれた。
    ・動物柄Tシャツは、「わあ、かわいい」と女の人達に言われたくて着ているような居心地の悪さがあり、実際に着ることはあまりない。
    ・ロックのコンサートに行くと、けっこうTシャツを買ってしまう。
    ・無地のTシャツに次いでよく着るのは、何を意味しているのかよくわからないレタリングだけのTシャツ。
    ・企業の販促Tシャツを着て、けっこう「街のサンドイッチマン」をやっている。

  • 村上春樹さんらしいTシャツ愛に満ちたエッセイ。
    小説とは違ってほのぼのしていて好きです。
    Tシャツにまつわる各エピソードが面白い。
    小説や映画になったトニー滝谷は、マウイ島で約1ドルで買ったトニータキタニTシャツから発想して生まれたとか。
    いくつになっても短パン、Tシャツが似合うシャープな大人になりたいそうです。そこはマネしたいですね。ウィスキーはラフロイグをトゥワイスアップで飲む。
    ジムビームのハイボールが最近のお気に入りとか。
    色々参考になりました。

  • 村上春樹が愛してやまないTシャツ。倉庫いっぱいに『つい集まってしまった…』と語るTシャツにまつわるエッセイ。

    そもそもコレクションって、ひとつふたつの段階で『さぁ、これから集めるぞ!』とはならない。いつの間にか…、知ら知らずのうちに…、集まったものを虫干しを兼ねて開帳したり、棚に並べたりしてみて『こんなに集まってたのか…じゃあ、集めちゃえ!』となるのが常では。兎にも角にも『集積』のなせる技。

    僕の手ぬぐい集めもしかり。手ぬぐい飾り用の額を購入。額装してみれば中々ええやん!となり、ほぼ毎月取っ替えをしだして6年余り。またそれをSNS
    に投稿。それが今やネット購入だけには飽き足らず遠出した際には手ぬぐいを物色するまでに発展。

    話を本線に戻し、村上春樹のTシャツコレクションの基準はあくまでも価格。古着屋で1ドル99セント(約160円)までというマイルールを設けて買ったTシャツに加え、数多のノベルティTシャツ(恥ずかくて未着用の自身の作品の販促Tシャツも含め)など、1枚のTシャツの向こうに広がる思い出・エピソードを交え語られた、実に肩の凝らないエッセイ。

    写真も多く、あっという間に読めちゃいそうなのでハードカバーの1,800円は見送り、文庫本化を待って950円(それでも税込で1,045円⁈)で購入。

    長年、村上作品を読みながら知らなかったエピソードを本書で知る。マウイ島で買った『TONY TAKITANI』と印字されたTシャツ。はたして、どんな人物なのか?を想像して書いたのが小説『トニー滝谷』。この短編は映画化までされ、村上春樹自身『たった1ドルで、これまで行なったあらゆる投資の中で最良のものだった』と語る。

    ちなみにこの『トニー滝谷』は短編集〈レキシントンの幽霊〉に収録。現実的で物悲しく短編とは思えない、驚嘆すべき想像力で書かれた読み応えのありありの小説。

    余談だけど… 村上春樹短編マイベスト5は
    ◉午後の最後の芝生
    ◉土の中の彼女の小さな犬
    ◉日々移動する腎臓のかたちをした石
    ◉沈黙
    ◉トニー滝谷

    そうだそうだ、村上春樹ってエッセイでは比喩を多用しませんなぁ。『25メートル・プール一杯分のビールを飲み干した』に代表される、時にユーモラスに、時にキザ、時に状況を簡潔に言い表し、時に煙に巻く…専売特許的比喩は、あくまでも小説の商材用なのか…。オープン戦では伝家の宝刀のフォークボールを投げないクローザーみたいに…村上春樹の代わりに書いてみました。

    久々に読んだ村上春樹のエッセイは、Tシャツより文体が気になり、マイベスト短編5編を選んだり、蛇行に継ぐ蛇行を経た小一時間の読書タイムでありました。

  • わはは。日曜の午前中に、こういうエッセイをペラペラ読めるのは幸せだなと感じた。笑

    村上春樹が自分の持ってるTシャツについてひたすら語るだけの本なんだけど、謎に満足度が高い。まえがきからにやにやしてしまう。
    「ものを集めるということにそれほど興味があるわけではないのだけれど、いろんなものがついつい「集まってしまう」というのが、僕の人生のひとつのモチーフであるみたいだ。」
    もう1ページ目の1行目から村上春樹すぎる、かっこええわ。Tシャツが可愛いのはもちろんなんだけど、村上春樹の人生経験というか、いろんな国に行ってそこでの暮らしを楽しんで、すごい人たちにたくさん会ってて、外国の本屋さんで声をかけられてサインを求められるような人なんだなと、改めてすげえなと思う。来世は村上春樹になりたい。Tシャツで過ごせるから作家はラクですね、ハハ、みたいなこと言いたい。笑  3日くらいずっとレコード屋いました、まあ暇なんですよね、ハハ、みたいなことも言いたい。笑

    ブックオフでフラッと買った1冊だけど(700円もした)、面白かった。村上春樹すきだ。

  • トボケた味はひがたのしい
     ぼくは村上春樹の小説はあまり読まないのだけど、エッセーは『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』から好きで、これも書店でたまたま見つけて、おっと思って買ってきた。
     やっぱりおもしろい。真面目に素でフザケてるといふか、さういふのがとてもうまい方だなといつも感心する。村上さんは『シドニー!』の時に文章の書きかたがわかったといつかどこかで書いてたけど、さうかもなと思ふぐらゐには、上達したエッセーだったな。
     またかういふのは書いてほしい。小説はわからないけど。

  • 村上Tのこだわりの基準やTシャツ愛が伝わってきます。
    かわいいTシャツが写真でたくさん載ってて楽しいし、エッセイなので気楽に読めました

    改めてジャンル分けするとTシャツっておもしろい。たくさん集めたくなりました!

  • 気楽なエッセイ。
    朝日堂とかのシリーズほど面白おかしくはなく、いい感じにゆるく、のんびりした夏の日陰の雑談というような雰囲気。
    世の中にはいろんなTシャツがあるんですねー。
    ダンスダンスダンスとカフカのTシャツ欲しいなぁ。
    そういえばUNIQLOにも春樹さんのTシャツあるよね。

  • 新聞広告が出る前にたまたま書店によって見つけて購入。即読了。もったいないけどまあいいや。しかしまあよくもこれだけTシャツが・・・やっぱり一番笑ったのは「村上トライアスロン」のTシャツ。僕も一瞬趣味が高じて主催までしているのか、この人は、とほんの一瞬思いました。新潟県村上市でしたね。村上出身のかわいい子がいたような。でも2ドルとかって安すぎないかなあ。僕もどっかのお店でそこにしかないTシャツだとつい買ってしまうことがある。2000円そこそこはするけどな。ハンバーガーはバーガーキングのワッパーが一番だと思っていたけど、5年ほど前に初めて食べた三瓶バーガーがもう断然おいしくて、Tシャツも買ってしまった。アディダスのバッタもんみたいなんだけど。犬山モンキーセンターでもマハレのチンパンジーが図柄になったTシャツを買った。割りとオシャレ。今でも着ている。アメリカの高校にいたとき、着ていたTシャツに何かメッセージが書いてあって、廊下で(たぶん日本で言う生徒指導部の)先生に捕まえられて、じろじろ見られた。怖かったなあ。すぐ釈放されたけど。それから、日本の友だちの土産にとフリーマーケットでTシャツをどっさり買って帰った。なんかでも、シャツにベタっと図柄がはりつけてあって、何回か洗濯するとはがれてくるんだよな。残念なTシャツでした。社員旅行でハワイに連れて行ってもらったときに動物園に入ってそこでもTシャツを土産に買って来た。自分用にも買って来て、それはまだ着ているなあ。20年以上前だと思うけど。つれあいはとっくに捨てている。それから、ミュンヘンのドイツミュージアムでも科学者のイラストと名前の載ったTシャツを買った。結局着る機会もなくタンスの中で眠っていたらすっかり黄ばんでしまった。残念。まあなんかTシャツだけで結構楽しめました。

  • 村上春樹さん 新潮社2023年6月発行

    あっ、このTシャツ欲しい
    と思うコレクションTシャツ写真とコメントが満載
    歴史がありますTシャツにも

  •  すらすら読めるという点では高得点だけど、ためになるかどうか問われるとその点、不明である。
     
     村上信者であれば、そして若ければ、ふむふむ。ふんふん。へ~。とワクワク感を持って読めるような気もする。そして、ここに紹介されている飲み物や音楽、イベントごとなど体験してみたくもなり、特に音楽は聴いてみようかな?という気分にも今現在の私でもさせられましたので、その点ではやはり村上さんの力量と言うか経験値の高さであろう。
     わたしにとってはワーゲンもコムデギャルソンも高級だし、ハイブランド。そして、行ったことのない場所。国。世界感があり旅番組に近い感じもある。まあ、興味深い。そして、Tシャツが似合う男でもある作家である。そんな感じで村上さん自身の生活と生活感が垣間見える作品だと思った。私なんかがヨレた白T着てたらだらしないオバサンだもんなー。デパートもない街に住んで、今日は近くの衣料品店で買ったポリエステル交じりのキャラTを気て思うものです。

     余談だけど、私もニューヨークマラソンを完走した経験があるんですが、記念Tシャツが綿でなく半そでではなく、村上さんのTシャツの時代のが良いな~。と思った。
     齢がばれるけど、沢田研二の歌のセリフを思い出した次第。「あんたの時代は良かった」 

  • ここ数年の考えとして、文化人として活躍している人たちはその道のみ突出して知識を持っているんじゃなくて、自分なりの基準で色々なジャンルを楽しんでいるからわりに総合的に詳しいんじゃないかという考えがあった。
    パワプロみたいなグラフで例えるならいくつかのジャンルが満遍なく伸びていて、かつその人がメインとするジャンルだけさらに少し飛び出ているようなイメージだったけど、この本を読んでいてそれが確信に近づくような印象を受け、自分の中で最近の焦りだった、限られた時間なのだから何か一つに無理やり打ち込まなければなのでは、というある種の強迫観念が和らいだ。これからも色々刺激を受けていくぞ

    Tシャツのコレクションは、小洒落ているけどどこかユーモアがあって、そのバランス感覚みたいなところが流石のセンスの良さだなと感じた。

  • Tシャツ欲しくなっちゃった。

  • 再読。ただ自然にたまってしまったTシャツの写真を撮り、それについての短い文章を書いただけの本なのに、なぜか味わえちゃうんだよな。もちろん村上春樹さんのファンですが、それが何か?

  • tシャツコレクション
    こんなふうに好きなこと、極めて語れるくらいの大人になりたい

    意外とよくなくゆるく生きてるんだなとか思ったり

  • 外国諸国で生きていく知恵が得られる

    Tシャツって60年代の若者の自己主張のためのものだったのかあ、とTシャツへの見方が変わる本

  • あ、大きい版と表紙が違う

    中身は大きい版と一緒です
    文庫版あとがきが5Pある程度

  • 914-M
    展示コーナー

  • 村上春樹さんのコレクションを見てもしょうがないよね…と何度も素通りしたけど、文庫本になってついに衝動買いをしてしまった。
    村上春樹さんのファンなら読んで損はない一冊。
    ただのTシャツも、村上春樹さんの文章が添えられるだけで輝きを増すのは不思議。

  • アリス・ウォータースとおしゃべりしたのうらやま。
    村上春樹のエッセイが好き〜

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。『風の歌を聴け』(1979年)で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。『羊をめぐる冒険』(1982年)で野間文芸新人賞受賞。『ノルウェイの森』(1987年)がベストセラーとなる。海外でも高く評価され、2006年フランツ・カフカ賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞を受賞。その他受賞多数。

「2016年 『村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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