優しさごっこ (新潮文庫 い 31-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101002118

作品紹介・あらすじ

その夏、とうさんとかあさんは別れ、かあさんは家を出て行った。そしてあかりはとうさんと2人で暮すことになった。料理、洗濯、掃除等、慣れない家事と必死で取り組む父と娘。父は娘に気づかい、娘は父に優しい、どこか奇妙な生活が始まった…。離婚から生まれた父と娘の新しい関係を、あたたかい眼差しで見つめ、父娘が共に成長して行く姿を描いて静かな感動を呼ぶ、児童文学の名作。

感想・レビュー・書評

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  • とうさんとあかりの相棒として始まる新しい生活。

  • 郡国研で今江祥智さんに会う。
    「とうさん」が出てきた感じ。
    児童文学にはむずかしいと思うけど、こんなことを感じてる子どももたくさん現代にはいるはず。
    「悪者」がひとりも出てこないところは児童向け?
    本人、ヒールやったけど(笑)

  • 京都弁ていいなぁなんて思いつつ…優しい語り口で、心が落ち着いた。
    大事に大事に生きている感じが良い。そしてやっぱり、出会いというのは不思議なものだよなぁ。自然と、寄ってくるんだなぁ。

  • 日本版「クレーマークレーマー」。
    かあさんが出て行った後の 
    絵本画家のとうさんと 少女あかりの奮闘2人暮らし物語。

    これも小6のときに初めて読みました。
    今江祥智さんは、児童文学の草分けの方。
    この物語は、今江さんのノンフィクション?と思いながら
    それを確認するすべがないまま、20年以上がたちました。

    これは 究極の「性善文学」です。
    つまり、悪い人が1人も出てこない。
    生真面目なとうさんは、それまで包丁も持ったことがなかったのに
    育ち盛りのあかりのために、毎日毎日カンペキな料理を作ろうと奮闘しているが
    クラッシュ気味。
    そんなとき、絵本の弟子入り志願のお兄さんがやってきた。
    板前から、絵本作家になりたいという異色の経歴の持ち主の彼は
    ひとめでこの家に主婦がいないことを見抜き
    「交換授業させてもらえませんか?」といって
    台所に入る。
    今の時代なら、考えられない人間関係の距離感が これでもかという感じで
    この作品の中では、生き生きと温かく表現されています。
    あかりととうさんが周りの人に支えられて、大きく成長していくストーリーは
    何度読んでも、あたたかく心を打ちます。

    私は、好きすぎる本の中の世界とは 必ず人生シンクロする出来事が起こります。
    ある日(私が20代になって) たまたま見に行った劇団の舞台に
    「今江冬子」さんという女優さんがおられ、この方が あかり のモデルだと
    知って驚愕したり、私が結婚式をした「ホテル・ニューグランド」は
    とうさんが一度だけ、物語の中でほろにがい恋をした相手と落ち合った場所だった
    とあとでわかったりしました。

    誠実に謙虚に、そして相手を包み込むような生き方をしているこの作品の登場人物たちは
    私の人生の常にお手本です。

  • こんな素敵な人たちばかりだったらどんなにいいだろう。

  • 宇治市や京都市が舞台の話。少し古いですが、父と子の交流が素敵です。

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著者プロフィール

1932年、大阪生まれ。『海の日曜日』(実業之日本社)でサンケイ児童出版文化賞と児童福祉文化賞、『ぼんぼん』で日本児童文学者協会賞、『兄貴』で野間児童文芸賞、『ぼんぼん』三部作で路傍の石文学賞を受賞(いずれも理論社)、他に『子どもの本・持札公開』(みすず書房)、『まんじゅうざむらい』(解放出版社)、など多数。絵本では、『でんでんだいこいのち』(片山健・絵/童心社)で小学館児童出版文化賞、『いろはにほへと』(長谷川義史・絵/BL出版)で日本絵本賞を受賞。他に『なんででんねん天満はん—天神祭』(童心社)、『龍』『いつだって長さんがいて…』 (いずれもBL出版)、など多数。

「2007年 『ひげがあろうが なかろうが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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